マズイ…。旅が終わる

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7/23(火)東京出発45日目、モンゴル19日目トソンチェンゲル〜ウリアスタイ走行距離223km

トソンチェンゲルからウリアスタイ

トソンチェンゲルで現金の引き出し、水と非常食の購入、ウリアスタイまでの迂回路の聞き込みなど準備を整え、遂にモンゴルで最大の難所と思われるトソンチェンゲル〜アルタイまでの道に挑むことになりました。

出発するとトソンチェンゲルからテルメンまでの道のりで猛烈なスコールに見舞われましたが、幸いなことに道は舗装路だったために特段困ることもなく進むことができました。もしこれが未舗装路だったら大変です。通常何気ないダートであったとしても雨が降って地面が泥濘むと全く別物の怪物として牙を剥いてくることは往々にしてあることです。

テルメンを通過し、遂にヤルーへの迂回路に差し掛かったところでちょうどダートが始まりまりました。多少地面は濡れていましたが、全くもって走れないレベルではありません。

進んでいくと反対側が崖になっていて道路も狭く気を抜けないようなところもありましたが、路面が酷くないため、むしろこの景色の綺麗さに心を奪われるくらいです。

天気はイマイチでしたけど、それでも出発前にイメージしていたモンゴルの景色に出会えて感動(>_<)

この道を走るのはたまたま現在道路工事のためであり、この工事が終わってしまったらツーリストがこの道を走ることは滅多にないだろうと思うと非常にもったいないなって思うくらい私はこの道を走れて良かったと思いました。

この道を走っていてたまにすれ違う車はランドクルーザーやパジェロなどの車高の高い四駆自動車でしたが、一台の赤い小さな普通自動車を途中で追い抜きました。すると助手席の座っていたご年配のご婦人が手を挙げて私を呼び止めます。

英語も通じず、何が言いたいのかは分からなかったのですが、私がウリアスタイに向かっていることを告げると、気をつけてという風に笑顔で手を振ってくれました。

しばらく進んで行くと先ほどの雨の影響か思わず立ち止まってしまう川が私の目の前に現れました。これはどうしたものだろうか(;´д`)この川を果たして私はオートバイで渡れるのでしょうか?しかし渡らなければ先には進めませんし、引き返したところで私には行くあてがありません。川の途中で転倒などしてしまえば一大事ですので、ここは慎重に、バイクを一旦停めて、まずは歩いて渡ってみてどのルートを通るのが一番安全なのかを確かめます。

この川…、私に渡れるのか?!

実際に足を入れて調べてみて、なんとか渡れそうなルートを見つけました。すると先ほどの赤い乗用車が追いついて来て、やはり運転席のおじちゃんはどうしたものかと困った顔をしています。

私が実際に川を歩いて見せて、このルートなら行けるよと教えてあげると、おじちゃんは車から降りて来て、何やら私の着ているレインコートの袖をつまんで引っ張ります。意味を解せない私は、「うん、これ着ているから雨降っても大丈夫だよ」と日本語で言いながら、両手で雨の降る仕草をしてみます。するとおじちゃんは首を横に振って、私の胸を指差しながら何やら言っています。どうやらオートバイである私がこの川を渡れるかどうか心配してくれているようです。

そういうことだったのか(>人<;)先ほどのこのおじちゃんに示したコースをもう一度指差し、私もそこを走るから大丈夫だと伝えます。

おじちゃんと一緒に邪魔になりそうな石を避けて、まずはこの自動車を先に渡します。無事渡り切ったところで私は頭の上で大きく手を叩いておじちゃんを称えます。

おじちゃんはその賛美に応えることはなく、そのまま車を降りると車の前にある石ころを退かし始めました。

よし、今度は私の番とばかりのバイクに跨り発進し、無事川を渡り切ると、おじちゃんにガッツポーズをします。しかし、おじちゃんは車の目の前にある石ころを退かすのに夢中で、私が川を渡ったことには全然興味を示していませんでした。

ま( ̄O ̄;)無事に川を渡り切ったことですし、助手席のおばちゃんに手を振って私はそのまま先に進んで行きました。

その後も慎重に走り大きなトラブルに遭うことも無く、迂回路の中継地であるヤルーの村に到着します。建物もありますが、この村の住人で私が目撃した人たちは全員民族衣装を着ていたことから、もともと遊牧民だった人たちが集まって定住した村ではないかと想像しました。

特にヤルーに何があるわけでもないためそのまま通過し、この美しい景色をしっかりと目に焼き付けようと丁寧に走り続けます。そして遂に迂回路は終了し、ウリアスタイまでの正規のルートと繋がりました。

この綺麗な景色が終わってしまうのが寂しくて仕方ありませんでした(>_<)

あの美しい風景が終わってしまうことに一抹の寂しさも感じましたが、時刻は17時を回り日が傾いて来ていることと、ずっとダートを走って来たことから多少の疲れを感じていたことから早く目的地であるウリアスタイに到着したいと気が急いていたのでしょう。

途中、分かれ道に遭遇してどっちが正しいルートなんだろうかと地図アプリに目を落とした瞬間、盛り土に乗り上げ転倒しそうになります。転ばないように咄嗟に足をついて踏ん張りますがそれがいけませんでした(>人<;)

かかとがサイドケースと地面の間に挟まりちょうどヒールホールドの形で膝も捻れます(>人<;)膝に痛みが走った瞬間、私の旅はここで終わるのだなと思いました。

組み技系の格闘技をかじったことがある方ならご存知かと思いますが、ヒールホールドとは少ない力で簡単に相手のヒザ関節を破壊できる非常に危険な技です。私が以前所属していた道場でも、この技で手術と入院を余儀なくされた方を何人か知っています。

さらに悪いことに転倒時に挟まれた足が抜けません。すでにここまで23時間車とすれ違っていないことから、車通りも多くなさそうです。モンゴルの日も長いため日没まであと23時間ありますが、それでも不安になります。長時間足が挟まれていることも危険ですし、標高の高いこの場所で転倒して足を挟まれた状態で夜を過ごすのはかなり厳しいです。現時点では天気は良好ですが、山の天気は変わりやすく、いつスコールが降って来るかもわかりません。夜になれば車が通る確率もさらに減るでしょう。悪いことを考え始めてしまい、早くこの状況を打開しなければと軽くパニックになります。

一体どうなってしまうのでしょうか。不安に苛まれて焦るばかりなのですが、状況を打開する手立てが見つかりません…。

次回に続く

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