7/28(日)東京出発50日目、ロシア2回目2日目 コシアガシュからラッカクラウディオ 走行距離228km

モンゴルで散々苦しめられ、久しぶりに戻ったロシア。
初めてウラジオストクから走り始めたときは多くの不安もありましたが、再び戻ってきたロシアはとても優しい大地に感じました。

前々日の夜にモンゴル最後の町ウルギーで洋介さんとアシムと合流し、前日国境を越えてとりあえず大き目の都市バルナウルを目指します。
私は当初の予定としてはロシアに入ってもすぐに西を目指してカザフスタンに入る予定でした。しかし、アシムがバルナウルにいるロシア人のバイカーズクラブの方にタイヤの手配をしていてそこでメンテナンスをするという話をしていました。
私も西モンゴルでサイドケースのステーが折れて、アルタイで雑な修理をするに留めていたこと、チェーンカバーが飛んで無くなってしまったこと、リアタイヤが予想以上に減っていたことから、アシムに便乗させてもらうことにしました。


バルナウルへ続くこの道はワインディングカーブが続きスピードはそこまで上げられないのですが、雄大でどこか繊細なこの旅で今までなかった大変美しい景色が続きます。

前を走るアシムが写真を撮るために停車していたのを気付かずに追い越していました。
その先で私が休憩を取るために停車していると、その少し前に追い抜いていたKTM 1290 super adventureに乗ったイタリア人ライダーが追いついて来たので、彼と話す機会がありました。

彼は実は私たちとは反対にロシアからモンゴルに入り東を目指すと言っていました。なのになぜか私たちと同じ方向に走っているので理由を聞いたところ、前日にすでにロシア側の国境に近い町コシアガチまで行っていたそうです。しかし前日は天気が良くなかったため、天気の良いこの日にもう一度この道を走りたくて戻って来たそうです。
そのくらいこの道は綺麗な道でした。
あまりにも景色が綺麗で休憩を多く取っていたこと、ワインディングカーブが続いてスピードを上げられなかったことから、思ったように距離を稼げていませんでした。


ムカつくけどモンキーが絵になっていたので撮ってしまいました
こんな綺麗な場所なら今夜は町まで行かずにどこかで野営したいななんて考えていたまさにそのとき、アシムから同様の提案がありました。
二つ返事で快諾すると、あとちょうど50kmほど走ったところに川があって野営するのに良さそうな場所がありそうなので、そこまで行こうということになりました。
実際にその場所に行ってみると、やはり以前にもキャンプをした人がいたであろう焚き火の跡を見つけます。

ここは良さそうだということで早速テントを張り夕食の支度をします。
アシムもガソリンバーナーは日本製のSOTOのMUKAストーブを使っていました。SOTOの製品は品質が良いのですが、海外ではあまり売られていないと聞いていました。でも、海外のライダーもSOTOのガソリンバーナーの燃料タンクをガソリンの予備タンクとして使っている人を見かけるので、最近はそんなこともないのかもしれません。
アシムが一生懸命ポンピングして火を起こします。

綺麗な景色の中で食事をし、自然と笑顔が溢れます。

アシムと目が合ったときに、私は適切な表現がわからなかったので思いついたままに「I‘m happy」と言いました。
言葉にしてみるととてもしっくり来ました。

日本語に訳せば「幸せだ」ですが、日本語の「幸せ」と英語の「happy」はどうもニュアンスは完全には一致しませんので、「幸せだなぁ」と日本語で言ってしまったらどこかチープな感じを与えてしまい兼ねないところを、英語で「I’m happy」と言ったことで、このときの私の気持ちを的確に表現してくれたように思います。
日本語で「幸せ」という表現を使う機会はあまり多くなく、安易にこの言葉を使ってしまうと安っぽくなってしまいますが、英語圏の人は「happy」という単語を好んで使っているように感じます。
アシムもピザを食べては「happy」、暖かいシャワーが使えるだけでも「happy」と言います。
日本語で「ハッピー」というのもどこか軟派な印象を与えてしまいますが、英語を使うのが自然な場所で「I’m happy」というのは心地の良い響きを残し、そのときの気持ちを的確に表現してくれます。
ゆったりと素敵な時間を過ごし、日が沈んできたので就寝します。

夜が更けて星空を見ようと外に出てみました。モンゴルで見た満天の星空と違い、霞みがかった空にはそれほど星は見えませんでした。後から聞いた話によると、このときシベリアで大規模な山火事がありロシアやモンゴルでは空が霞みがかってしまっていたそうです。

どの程度の被害が出ているのかは定かではないですが、極力小さな被害であることを願います。
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