不安なできごと

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8/22(木)東京出発76日目、キルギスタン8日目 オシュ~サリタシュ 走行距離180km

オシュからサリタシュ

前日、粕谷さんよりタジキスタンの国境越えはなるべく早い時間にした方が良いというアドバイスをいただきました。

タジキスタンの国境は早い時間に越えた方が良いよ。
この写真なんかムカつく

というのもタジキスタンの国境を越えて少し行ったところに川があり、夕方になると昼間に溶けた山頂の雪解け水が流れ込み増水して大変なことになるというのです。

粕谷さんはこれにかなり苦しめられ、危うくバイクごと流されそうになったそうです。

という話を聞いていたので、この日はオシュを早朝出発して国境越えをしようかとも思ったのですが、キルギスタン側の国境付近にサリタシュという町があるのを見つけていて、チャリダーの多くはここを拠点にしているようでしたので、ここに滞在してみるのもおもしろいと思い、この日はゆっくり出発してサリタシュまで行くことにしました。

実際のところ、この期に及んでパミールハイウェイに行くのに多少のビビりが入っていたので無理はせずにゆっくり行こうというのが正直なところではありましたが。

オシュからサリタシュまで大変キレイな道が続きます。

カザフスタンでもそうでしたがここキルギスタンでも警察がスピード違反の取り締まりをやっていることが多いのでスピードについては気をつけて走ります。

特に集落の周辺では60km/h規制となっているので、ここは特にスピードを落として走ります。

カザフスタンで会ったマルチナからは、キルギスタンでは警察に停められてもほとんどが賄賂の要求なので停まる必要すらないという話を聞いていました。

順調に走っていると集落の近くで後ろから来た車が私を追い越します。

こういうところでああいうことをやると下手するとスピード違反で捕まるんじゃないの?なんて思います。

すると、その少し先でトラックが停まっていて、私を追い越した車も警察に停められています。

私も警察に誘導されて停まるように言われます。

警察官はフレンドリーに「ツーリストか?」と聞いてきます。

検問でもやってるのであろうと思いこちらもフレンドリーに「そうだよ」と答えます。

警察官から「免許証とバイクの登録証見せて」と言われたので素直に従います。

さらに「ちょっとついてきて」と言われたのでバイクから降りてヘルメットを脱いで、警察官のいる方に歩いて行きました。

すると「これを見ろ!」と突然言います。

そこにはスピードガンで私が走っている写真と速度を交互に見せるのです。

「お前70km/hで走ってたぞ!」

…、ふざけるんじゃない!私は町の近くを走るときはギアも3速に落として走ります。テネレで3速で70km/hで走ると回転数が高いので70km/hで走っているとは考えにくいのです。

これには猛抗議します。

するともう一枚の写真を見せて「こっちは68km/hだ」と言います。

だからおかしいって!

「私はスピードメーターをちゃんと見て走ってたんだ!60km/hだったぞ!」というと

「黙れ!こっちには証拠があるんだ!」と言います。

納得がいきません。

するとその警察官は少し口元に下卑た笑みを浮かべて「金は持ってるか?」と聞いてきます。完全な賄賂の要求です。

サリタシュにもう一泊する予定だったので多少の現金は持っていたのですが「今日もうこのままタジキスタンに行くからキルギスタンのソムは持っていない」と答えます。

するとそいつはもう一度私を睨み付け、ゆっくり「金は持ってるか?」と聞いてきます。

もうこの状況が面倒になってきたので「いくらだ?」と聞くと「500ソム(約750円)」と言います。

そのくらいなら払ってしまっても良いかとも思ったのですが賄賂の要求に屈するのも悔しいので「本当に持っていないんだ。アメリカドルならいくらだ?」と聞きます。

すると本当に持っていないと諦めたようで免許証とバイクの登録証を返してくれました。

「もう行っても良いか?」と聞くと「ダメだ。こっちに来い」と言われました。

うーむ、正規の手続きを取られてしまうのでしょうか?

面倒です。でも免許証もバイクの登録証も返してもらったので無視して立ち去ってしまおうと思ってバイクの所に戻り、エンジンをかけて発進します。

それでも向こうは特に制止するわけでもなかったのでそのまま立ち去ることにしました。

しかしさらに走って進んで行くと町によっては速度制限が40km/hの標識のある場所もあるのです。

もしかしたらあの警察官が私にスピード違反と言ったのは間違っていなくて、ただ単に見逃してやるから賄賂を寄越せよって言っていただけかもしれません。

そうなると非常に面倒です。

賄賂を払っていればおとがめなしだったところを、それを無視して立ち去った私に対して、もし法的な手続きを取ったならどうなってしまうのでしょうか?

アメリカやオーストラリア、ヨーロッパ圏では外国人が交通違反をしてそのまま国外退去した場合、外務省を通して罰金の請求が行くようです。そしてそれを無視し続けると裁判所や警察への出頭命令が出て大変なことになるようです。

このキルギスタンはどうなるのでしょうか?

かなり心配になります。私としてはスピード違反そのものにも納得していませんが、もしあの場所が40km/h規制の場所で、スピードガンで計ったというものを証拠として提出されて日本の外務省に請求が行ったらかなり面倒です。

実は日本を出るとき私の住所や電話番号などは実家のものにしておいたのですが、母には知らない番号から電話があっても無視するように伝えていました。

私の母は社会常識の非常に欠如した人でオレオレ詐欺等に簡単に引っ掛かってしまう恐れがあるので、知らない番号からの電話は全て詐欺だと思うように伝えていたのです。

IP電話の契約をして出発したのですが、その番号を母には伝えそびれていました。

何度か自宅に電話をして、もし万が一キルギスタンの大使館か外務省から通知が来たら、警察に持っていって内容を確認した上で振り込みの立て替えをお願いしようと思ったのですが、案の定私からの電話はすぐに留守電に繋がってしまいます。

一応メッセージは残したのですが折り返しも無いことから留守電も聞かずに上書いているのでしょう。

気の小さい私は心配でなりません。

その後に出会ったライダーにことの顛末を話すとみんな一様に、そんなのは賄賂の要求に決まってるんだから気にすることは無いと言います。

このことがあったのが木曜日で金曜日にタジキスタンの国境を越えてしまったので、週が明けてから国際電話でタジキスタンからキルギスタンの日本大使館に電話をしてことの顛末を正直に全て詳細に話しました。

すると日本大使館の職員もその場でのお金の要求は賄賂でしかないことと、立ち去るときに追跡がなかったことから恐らく問題はないと思うという回答を得ました。

それから10km/hオーバーまでについては取り締まりの対象にならないとも。

ただしこの担当者は「たぶん」とか「はず」とか「思う」とかはっきりとしない返答しかしないことが私の不安を完全には払拭はしてくれはしなかったのですが。

そして、気の小さい私はパミールハイウェイを走っているときも大変楽しい気持ちになってもふとこの事を思い出し不安になるのでした。

500ソムくらいなら払ってしまっておけばいつまでも引きずらずに済んだのかなと思いつつも、賄賂に屈することの方が悔しいという思いの狭間で悩み続けるのでした。

*気の小さい私は今でも不安です。もしこのような事案について何か知っている方がいらっしゃいましたら、ご連絡くださいましたら幸いです。

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