9/6(金)東京出発91日目、タジキスタン15日目、ウズベキスタン1日目 ドゥシャンベ~サマルカンド 走行距離289km

朝起きると洋介さんからスマホにメッセージが入ってきました。
洋介さんもパミールハイウェイを走っていて、このときはホログにいるということでした。
洋介さん:「ヒデさんは、タジキスタンの環境税の有効期限の延長はしましたか?」
私:「なんですか?それは?」
洋介さん:「パミールハイウェイで出会ったドイツ人ライダーによると、オートバイで入国した我々は二週間しかタジキスタンにいられないらしいですよ。ホログで延長の手続きができるみたいですけど」
環境税とはタジキスタンに入国したときに払った10ドルのことですね…。
不味い(-_-;)私はすでに二週間過ぎてます…。
書類を確認するとラッキーなことになぜか私の環境税の有効期限が明日(9/7)までになっていたので、ホッと胸を撫で下ろしました。
もともと今日までイランビザの返信を待って、返事がないようなら明日出発する予定しようとは思っていたのですが。
ただ、もしこの日にイランビザが下りた場合は週明けに大使館に行って手続きをしないとならないので、環境税の延長をするに越したことはありません。
しかし調べてみると環境税の延長はホログでしかできず、首都のクセにドゥシャンベでは出来ないということなのです。
ホログまでどう考えてもオートバイで二日かかります。
どうしようか多少は迷ったのですが、ダラダラとイランビザを待つ日々が苦痛だったので、イラン入国は諦めて、この日にドゥシャンベを出発することに決めました。
突然の決定でしたので宿の方も驚いていましたが、笑顔で見送ってくださいました。
タジキスタンは本当に景色が綺麗です。
パミールハイウェイは終わったと思っていましたが、パミールハイウェイの延長とばかり素晴らしい景色が続きます。
しかし、タジキスタンからウズベキスタンの国境に向かう道にはとんでもないトンネルがありました。
灯りが全く無くて暗闇の中を走るのです。オートバイのヘッドライトでは全く何も見えません。前が見えないだけでなく、横の壁も全く見えません。地面も穴ぼこだらけの場所があります。
1つ目のトンネルは一瞬何も見えなくなった後にすぐに出口が見えたのでなんとかなりましたが、もしこれがもう少し長いトンネルでしたら簡単に死にます。
もうこの時点でトンネル恐怖症です。
短いトンネルが幾つか続いたのですが、私は後から来る車を先に行かせてその車のヘッドライトで走るという作戦に出ました。
ただ、この国のドライバーはクレイジー過ぎます。あんな真っ暗なトンネルをバカみたいなスピードで突っ切るのです。なので前の車についていけないのです。
しかも後ろから来た車は平気で追い越しをしていきます。怖くて仕方ありません。
すると前にスピードの遅いトラックを見つけました。私はハイビームでこのトラックの後ろを照らしながらついて行くことにしました。
最後には長い長いトンネル。地面も悪くて全く見えない状態でフロントタイヤが暴れます。
こんなところで転倒したら後続車に轢かれて確実に死ぬでしょう。
前のトラックのお陰で私は生き長らえることができましたが、怖くて仕方ありませんでした。
なんとかこの人食いトンネルを抜けて、やっとタジキスタンの国境に着きました。環境税の書類はやっぱり確認されましたが、期日内だったため「ノープロブレム」と言われて通過できました。
ウズベキスタンの国境では職員さんが大変親切にしてくれます。
「バイクコロ?」って聞かれて何のことかサッパリわからなく、困っていると、バイクのところまで行って私のオートバイのタンクを指差します。
言っている意味がわかりました。
コロ?ってカラーって言いたかったようです。つまり「オートバイの色は何だ?」って聞いていたようです。
ブルーと答えると、笑いながら「お前は英語もわからないのか?」と言ってきます。
アホか
でも、この職員さん大変な親日家のようで、「シネマ、タケシ、オシン」とか言ってきます。
手続きが完了すると、周りにいた職員さんみんなが「ウェルカム、ウズベキスタン!」と言ってくれます。
良い国じゃないか!
しかし、このあと最悪なことがあり、ウズベキスタンがキライになります。
サマルカンドに到着し宿を探そうとオートバイを停めていると、近くで遊んでいた中学生くらいのクソガキドモ数人がやって来ました。
するといきなりオートバイによじ登ろうとしたり、スイッチ類を押したり、叩いたりしてきました。
これにはキツく「ヤメロ」と言ったのですが、今度はヘルメットを引っ張ってきて、更にはヘルメットの上から叩かれました。
サスガにぶちギレました。
怒鳴り散らして、全員ぶちのめそうとオートバイから降りると、ビックリしたようで大人しくなりました。
イヤイヤ、あんなことやっておいて怒られないと思っていたのが信じられません。
かなり不愉快な気持ちになりながら宿に行きました。
宿に着くと荷物を降ろし、宿の人に近くに食堂は無いか聞きました。
1km以上離れた食堂を紹介されたので、もっと近場の食堂を教えてくれと伝えます。
すると、「彼が車で送り迎えするから大丈夫だよ。乗っていきな」と言われます。
食事を終えて宿に戻ると、宿の人にいきなり、「車代10ドルだ」と言われました。
は?
なに言っちゃってんの、このバカは?
食事代が2ドルで、1km離れた食堂までの車代が10ドル?
ふざけるな!というと、「ウズベキスタンでは普通の金額だから」とかぬかします。
「払うか!」というと「いくらだったら払えるんだ?」だとさ。
「いくらだったら払えるんだ?」って聞いてくる時点で最初の10ドルは吹っ掛けてきている証拠でしょ。
ヘラヘラ小バカにしたようにこちらを見ています。
私、ブチキレましたよ。このバカ垂れを引きずり倒して捩じ伏せてやろうかと思いました。
私がブチキレたのに対し、車のドライバーをしてくれた人が驚いて、申し訳なさそうに間に入ってきて5ドルくれませんか?と言います。
彼はほとんど英語が喋れません。
確かに私がレストランは高くないか?とか、だいたいいくらくらいだ?って聞いているときも、しきりに5ドル5ドルって言っていました。
もしかしたら彼は、私が車に乗る前から車代は5ドルって何度も伝えようとしてくれていたのかもしれません。
彼は短い時間でしたけどとても良いヤツということがわかったので、仕方なく彼に5ドルをくれてやって、宿のバカ垂れにはガンくれてやりました。
ただ、このドライバーは私が5ドル払ったことで気を良くしたのか、「明日は街を案内して差し上げやすで、兄さん」っていうような感じで絡んできました。
それにはサスガにカチンと来たので、「お前に払う金は無いし、この街キライだから、明日はもう出発するよ」と言うと、言葉は通じたかどうかはわかりませんが、少し悲しそうな顔をしていました。
ただ、次の日の朝食のときには、また笑顔で話しかけて来たので、コイツ自体は性根の良いやつなのでしょうけどね。
この日は不快なことや大変なことばかりでしたので写真がありません(;´д`)悪しからず…。
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