9/15(金)東京出発99日目、カザフスタン2回目5日目、ロシア3回目1日目 アティラウ~アストラハン
この日は3回目のロシア入国になります。
ロシアビザについてはシングル、ダブル、マルチ(そして観光ビザやビジネスビザ、期間などの組み合わせになります)など幾つかの種類があり、私は今回のようにトルクメニスタンに入国できなかった場合のことを想定してマルチビザを取得していました。
もしこれがダブルビザだった場合はカスピ海をフェリーで渡るしか方法は無くなってしまうのですが、このカスピ海のフェリーがすこぶる評判が悪く、乗るのに一週間待たされたとか、波が非常に高くて二度とあのフェリーには乗りたくないなんて言う噂も聞いていたので、今回マルチビザにしていて本当に良かったと思うのです。
しかし、このカザフスタンからロシアの国境へ向かう道は大変な悪路と聞いていました。
そして実際に走ってみると噂に違わず酷い悪路です。ウズベキスタンからカザフスタンに向かう道と同じくらい酷い道でした。
これを考えるとアティラウでサイドケースのステーを直しておいて本当に良かったと思います。
朝、早い時間にも関わらず粕谷さんが見送りに出てきてくれます。粕谷さんは次の日の飛行機で日本に帰国するとのことでしたので、気持ちの整理も付いているようでした。
この日はアティラウの街を出てすぐに悪路になりました。
悪路の走行は本当に疲れます。前を走る車も対向車もアスファルトに空いた穴を避けながら蛇行しながら走るため、追い越しやすれ違いのタイミングで急ハンドルを切るバカタレもいますし、自分自身もある程度そういったを穴ぼこを避けながら走らないと車体にダメージを与えてしまいます。

悪路を走っているとイチイチバイクを停めて写真を撮るのは非常に億劫です。
国境手前の130kmくらいがそんな道でしたので、国境が現れた時も走ることに気を取られていたため、気づいたら国境についていたという感じで非常に疲れていました。
ただし国境自体はここも特に厳しいということはなくいつも通りの手続きをして通過します。
そしてロシアに入ると一気に道が良くなります。モンゴルからロシアに入った時も感じた安堵感。ロシアはこれだけ国土が広くても幹線道路はきちんと整備されているところを見ると、やっぱり大国なのだなと感じます。
そしてあの懐かしい景色に懐かしい雰囲気。中央アジアにいたころは悪徳警官の存在も、例え出会う頻度は少なくとも常に頭の片隅にあり、なんだかんだでストレスになっていたので、そのストレスからもある程度解放されます(とはいってもロシアにも少なからず悪徳警官がいると話も聞いてはいますが)。
ここからジョージアまでは1000キロ弱ですので、2~3日もあれば通過できます。
この旅でロシアを走るのは本当にこれが最後になるでしょうから、この景色と雰囲気を目に焼き付けておこうと丁寧に走ります。
国境からアストラハンの街まではあっという間でした。途中、有料の橋(オートバイは50ルーブル)を渡らないといけなかったのですが、事前に確認していたので、ルーブルも国境で両替していて問題なく通過できます。

アストラハンの宿に着き、この辺りでエンジンオイルの交換をしたいと思い(キルギスのビシュケクで交換してから約4,800kmほど走行していました)、荷物を置いて事前に調べておいたオートバイ用品を扱っている店に行ってみると、そこはなんと廃墟となっていてエンジンオイルを手に入れることができませんでした。
うーん…、ジョージアの首都トビリシまで行けばオートバイ用品を扱っている店がいくつかあるようなので、あと1,000km我慢して走るしかないかなぁと考えました。
アストラハンの街は大変綺麗な街並みではあったのですが、長居しても仕方ないと思い、次の日には出発しようと考えていました。
宿に戻って次の目的地をどこにしようか確認し、グルズヌイという都市まで行こうと思ったのですが、よく見るとそこはチェチェン共和国となっています。
私くらいの年代より上の方であれば耳にしたことはあると思います。
ここは15年くらい前までロシアからの独立を目指して激しい紛争があった地域です。
これ、大丈夫か…?
宿の同室の労働者風の男に地図を見せながら聞いてみます。
「明日、グルズヌイに行こうと思うんだが。チェチェン共和国のようだが大丈夫かわかるか?」
男:「ムスリム。ガン。ダダダダダダダ!デンジャー。ビーケアフル。」
この男はほとんど英語が喋れませんでしたが、言っていることはわかります。
ネットで調べてみてもロシアで最も危険な地域と出てきます。
まさかここに来てこんな落とし穴があるとは…。
明日出発しようと思ったのですが、再度ちゃんと情報を集めてから行く行かないの判断をして、場合によってはルートを変える必要もあるかもなと思い改めました。
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