11/23(土)東京出発168日目、スペイン2回目5日目、モロッコ1日目 タリファ~シャウエン
朝、天気予報通り雨は上がっていました。
乾かしていたブーツは部屋干しだったので大した効果もなく、結局はぐちょぐちょのブーツの中に足を入れないとならず、大変不快な気分で出発をしなければなりませんでした。
支度を終えてリビングに行くとすでにイケメン軍団の多くは出かけているようで、宿に残っていた二人のイケメンにのみ挨拶をして出発しました。
まずは昨日に買えなかったマラリアの予防薬を買いに昨日とは別の街中にある大きな薬局に行きます。
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薬局に入ってレジの店員の若い女性にマラリアの予防薬が欲しいことを伝えます。しかしこの店員は全く英語を解せないようで、私が英語で話しかけるとあからさまに不快な顔をします。
そんなに嫌な顔をしなくても…(*´Д`)
この鮭の切り身
やるから許してよ
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すると隣のレジに並んでいたご年配の女性が間に入って通訳をしてくださいました。
マラリアの予防薬はひと箱だけ在庫があったのですが、それだけですと12日分にしかなりません。もっと欲しいなら取り寄せになるけれど入荷は明日以降になるということでした。
このタリファの街中にはあと数件の薬局があるようなのですが、この日は土曜日のため開いている薬局はこの日はここだけだとも教えてくれました。
うーむ。どうしましょうか…。モロッコにはマラリアは無いためどうしてもここで買わないといけないわけではありません。
それだけのために余計に一泊したくないので先に進むことにしました。
フェリーの出ている港まではほんの数キロしか離れていません。
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フェリー乗り場に着いたのは11時半過ぎ。たくさんの車が並んでいました。
車の列のところに係員がいたので、チケットを持っていないことを伝えると、まだゲートも開かないので、ここにバイクを停めて構わないから建物の中で買ってくるように言われます。

次の便は13時出航のようです。
約1時間の航路で人間は45ユーロ、バイクは33ユーロの合計78ユーロでした。

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チケットを買っても出航まで一時間くらいあるので建物の中にあるカフェでコーヒーでも飲んで休んでいようかと思ったのですが、一度バイクのところに戻るとすぐにゲートが開いて車が動き始めます。
私も慌ててバイクに跨りゲートの中に入っていきます。どうやらフェリーに乗せる前に出国手続きをするようです。
荷物検査も無く簡単なパスポートの確認だけで中に入っていく車もいれば、荷物検査もされてパスポートの確認にえらく時間がかかっている車もいます。国籍によってチェックの厳しさが違うのでしょうか?
私はあっさりとパスポートの確認だけで終わりました。バイクの登録証すら見られませんでした。
ホジホジ ___
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そのままフェリーにバイクを乗せ、係の人が固定します。
その様子を確認して客席に行こうとしたところ一人のアラブ系の青年が話しかけてきました。
青年:「どこから来たの?俺もバイク大好きなんだよ。俺はこの船のエンジンの技師をやってるんだ」
私:「日本からだよ」
青年:「まじかよ!!俺、日本大好きなんだよ!日本のバイクは最高だ!これヤマハのテネレだろ!モロッコでは日本は『国』じゃなくて別の『惑星』だなんていう人がいるくらい日本は別次元でスゴイって言ってる人がいるくらいなんだぜ!」
この青年は私に大変興味を持ってくれたようなのですが、モロッコは強引な客引きが多いという話を聞いてしまっていたために、私はどうしてもこの青年を警戒してしまいました。
客室にあがるとこの青年が「ようこそ、ようこそ、好きな席に座ってよ」と言ってくれます。
私が適当なテーブルに座ると、当然のように彼も同じテーブルに座ります。
すると「連絡先を交換しよう。もしモロッコで困ったことがあったら連絡してよ。俺の家はカサブランカにあるんだ。小さいころの俺の夢は日本で勉強することだったんだ。その夢は叶わなかったけど、三菱のエンジンの勉強ができたんだ。この船のエンジンはイギリス製だからそれとは違うけど」
そんな風に言いながらスマホに入った写真をいろいろと見せてくれます。
船はすでに動き始めていて、波は大変高く、激しく揺れています。
そんな中スマホの小さなスクリーンの写真なんか見せるものだから激しく船酔いをしてしまいました。
それでも彼は好意でいろいろと話しかけてくれているのはわかるので我慢して写真を見ます。
もう限界…、と思っているとその彼は他の船員に声を掛けられて、「素晴らしい旅を!」と言い残して去って行きました。
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ふぅ、なんとかなった(-_-;)と思っていると、隣のテーブルでピザやらポテトチップやらどうみてもストマックに大ダメージを与えそうな油っこい食品を大量に貪っていた室伏広治のような屈強な大男の様子がおかしいです。
お前それブーメランだろ!!
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おいおい、まさかのまさか、強気にこんなものを大量に食べているアイアンマンが船酔いってことは無いよな?と思っていると、本当にそのまさかでした。
ブルブルっと体を震わせたかと思うと両手を口に当てて、エレエレエレってなもんでした。
間一髪正面に座っていたパートナーと思われる女性が差し出したビニール袋に戻したため大惨事には至りませんでしたが、その様子は大いに私にボディブローとしてダメージを与えてくれました。
いやいやもうダメだからと思って私もかなりグロッキーな状態でぐったりとしていると、正面に今度はダンディな年配の男性と少し若めの女性が座りました。
ダンディ:「どこから来たんだい?」
私:「日本からです」
ダンディ:「おぉ!日本からバイクで来たのかい??すごい大冒険だな!」
私:(あれ、なんで私がバイクだってわかったんだろ…?そうか恰好がバイカーっぽいからか)
ダンディ:「あぁ、フェリー乗り場で君のバイクの後ろに並んでたキャンピングカーは私たちだよ。すごい荷物積んでるけどどこから来たんだろうななんて話してたんだ。どこまで行くんだい?」
私:「そうだったんですね。私はとりあえず南アフリカのケープタウンを目指そうと思っています」
ダンディ:「なんてこった!とんでもない大冒険じゃないか!私たちなんてキャンピングカーだってドイツから来てモロッコをちょこっと回るくらいだよ。」
そんな風に話しながら楽しく時間を過ごせました。おかげで私の酔いもなんとかなったのですが、どうしてこのダンディと話しているとこんなに安心するのかと思ったら、このダンディはドゥシャンベで優しくしてくれたマーティンにどことなく雰囲気が似ていたからでした。
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/ヒノノ _二⊃(_人_) |
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船が到着するとこのドイツ人カップルに別れを告げて先に行ってもらいます。
船内放送で、船内のレセプションでパスポートにモロッコの入国のスタンプをもらうようにアナウンスが流れていたのは気づいていたのですが、グロッキーだった私は船が停まってからもらいに行こうと思っていたのです。
しかし、見てみるとレセプションのシャッターが閉まっていたので、どうせ外でも手続きしてくれるだろうと思い、そのままバイクに乗って外に出ました。
するとみんな船を降りたところでパスポートを見せているではありませんか…・
私が係の人にスタンプをもらっていないことを告げると、船に戻ってもらって来いと言われます。
仕方ないので船に戻ってレセプションに行くと、近くに立っていた男性が閉まっているシャッターをノックして中の人を呼んでくれました。
みんな大変フレンドリーに対応してくれるのですが、周りにいた人たちが片言の日本語で「コニチハ」「アリガト」などと言うのはだただ怪しくしか見えませんでした。
スタンプをもらって行くと、入国手続きは別でやらないとならないようです。
たくさんの車が並んでいる最後尾に私も並びます。
ようやく私の番になると担当官が「アスランス!」と言います。
…、あすらんす??なんだいそれは??
私が持っているのはパスポートとバイクの登録証くらいで他に見せるような書類は無いのですけれど…。
するとまた「アスランス!」と言います。
↑何言ってんだこいつ…
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| ̄ ̄ ̄/ 三\
|| ̄ ̄// \三ヽ
|| |● ● 三|
|| | (_人_) _ 三|
||__\ _三三ノ
|__f ̄ ̄  ̄三三ヽ
「\ ヽ__ 三三|
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全く分かりません。困りました。しかしここで、ふともしかしたら「insurance(保険)?」と聞くと「そうだそうだ」と言います。
フランス語で「保険」は「assurance」だと知りました。モロッコが自動車保険への加入が必須なんていう話は聞いていなかったのですが、この係員にはすぐそこで手続きできるから、先に保険に入ってくるように言われます。
゚
∩___∩ へぇそうなんだ…
| ノ ⌒ ⌒ ヽ
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| ( _●_)ミ
彡、 /⌒)(⌒ヽ
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l ノ
保険の種類としては10日間で60ユーロ、1か月で94ユーロと3か月もあるようでした。
10日間でモーリタニアまで抜けられるかどうか微妙だったので1か月の保険に入ることにしました。しかしたった1か月で94ユーロの保険って高すぎじゃないですかね…(*´Д`)そんなに事故が多いのですか??
無事に入国手続きを終えるとタンジェの街に入ります。
タンジェの街は大変栄えていましたが、今までいたヨーロッパの雰囲気とはガラッと変わります。
中央アジアの大都市を思い出します。イスラムの色が濃いためか、タジキスタンのドゥシャンベやウズベキスタンのサマルカンドをなんとなく思い出しました。

タンジェの街は大変栄えていましたが、一方で物乞いの数が多いのが気になりました。
物乞いが信号待ちをしている車に片っ端から声を掛けています。私のところにも来て何か言ってきましたが無視します。すると突然私の腕を掴みました。
信号が青になって発信するタイミングだったら大変危険です。驚いて思わず怒鳴りつけてしまいました。
すると向こうも怒鳴られるとは思わなかったようで驚いて飛びのくとそのまま離れて行きました。
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この旅では今まで意外にも鬱陶しい物乞いや客引きに出会うことがあまりなかったことと、モロッコ入国前からあまり良い話を聞いていなかったことから、たったこの一件でかなりモロッコに対する印象が悪くなってしまいました。
この日はまだ少し時間があったので、このまま一気にタンジェから120kmほど離れたシャウエンに行くことにしました。
シャウエンはスペイン最後の町タリファの宿の人が是非とも行くと良いと教えてくれた町です。
モロッコも道路は整備されていて大変走りやすかったためあっという間にシャウエンに到着しました。
シャウエンの中心部から5kmほど離れたところに安宿を見つけました。中心部はどうせ鬱陶しい客引きで溢れているだろうことから敢えて離れた場所の宿にしたのですが、これは正解だったようです。
モロッコの観光地はバイクでは通れないような細い道の先に宿があったりして、宿から離れた場所にバイクを駐車しないとならないようなことが往々にしてあるらしいのですが、そのような場合に勝手に荷物を持ったり、宿に案内すると言って勝手についてきたりして、法外なお金を請求してくる輩がたくさんいるそうです。
そのような被害に遭わないためにもこのときの判断は賢明だったと思います。
宿に着くと大変フレンドリーなおじさんが対応してくれます。
宿は古くてお世辞にも綺麗とは言えませんが、むしろそれがヨーロッパとは違う場所に来たということを実感させてくれました。
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シャウエンの街を観光したいことと、もう一日ちゃんとブーツを乾かしたいことからこの宿には二泊することにして、アフリカ一日目の夜は更けていきました。

ここでも猫ちゃんが出迎えてくれました
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