二人の温度差

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1月9日(木)東京出発215日目、ギニア2日目 クンダラ~ボケ手前120km地点 走行距離172km

昨晩は早く就寝したため、この日も問題なく私は目を覚まします。

リョウさんは7時頃に目を覚ましたのですが、非常に眠そうにしています。

私:「リョウさんは昨晩は何時くらいに寝たんですか?」

リョウさん:「布団に入ったのは9時半くらいです。でも外がうるさくて結局眠りに就いたのは12時くらいだと思います」

確かに昨晩は外で騒いでいる輩がいたのでうるさかったです。でも12時くらいに眠れたのなら7時間も寝ているわけで、それでもそんなに眠そうなのか?と私は訝しく思ってしまいました。

この日はもともとここクンダラから南に約250km下ったところにあるラベという町を目指す予定でした。

ダカールでコートジボワールビザが取得できなかった我々はギニアの悪名高き首都コナクリを目指します。そのためにラベ、マムーという二つの少し大きめの街を経由してコナクリに行く予定だったのですが、ふと地図アプリを見るとクンダラから南西に300kmくらいの場所にボケという名前の大きな都市を見つけました。

このボケを経由して行く方がコナクリまでの距離はだいぶ短そうです。

なので私はリョウさんに「ラベ、マムーを経由するよりもボケを経由した方が良さそうじゃないですか?」と提案しました。

しかしリョウさんはあまり乗り気ではありません。どうも道路状況がわからないことが不安なようです。

ラベ、マムーへの道なら日本人ライダーが以前にも走っていて特別大変だったという書き込みもないので安心なようです。

でも、マムーからコナクリに行くと、そのあとコートジボワールに行くときに再度コナクリ-マムー間の同じ道を走らないとならないことも私は少し嫌だったのです。どうせなら違う場所を訪れて違う景色を見たいと思うのがライダーや旅人のサガです。

敢えて危険な場所に行くべきではないと私も思っていますが、ギニア全体としてはそれほど治安も悪くなく、大きめの都市を結ぶ幹線道路ならそこまで酷いことはないだろうと思っていました。

それに長距離のダートを走るとしても二人で走っている以上、一人で走っている場合と違って危険度は格段に下がるのは確かなことなので、それほど臆病になる必要はないと考えていました。

なので、このとき私はリョウさんの気持ちを汲み取ることなく半ば強引にボケ経由の道で行くことに決めてしまいました。

その決定でリョウさんのテンションがしばらくの間、だいぶ下がっているのに私は気づいてはいたのですが、気づかない振りをしていました。
最初私から一緒に行こうとリョウさんに声をかけたのではあったのですが、アフリカを走ると決めたのだから、こんな程度のことで怖気づかないでほしいと私は多少の苛立ちを感じてしまいました。

しかし、例え一人であってもアフリカを走ると決めていた私と、たった2~3日の間に二人で行けるなら行こうかなと決めたリョウさんとではテンションに違いがあるのは当たり前のことだったのかもしれません。

リョウさんの名誉のために言いますが、別にリョウさんが私に比べて臆病だということは決してないと思います。

私だってアフリカを一人で走ることは怖かったのでリョウさんに声をかけたわけですし、実際にリョウさんと二人でいることの安心感は大変大きいものであることは間違いないのですから。

それにテネレさんとNC700とでは未舗装路の走破性に差があるのは確かです。そして今まで私はこの旅で長い距離の未舗装路を走って来たおかげで、だいたいの未舗装路は大丈夫だろうという風に考えられるようになっていたというのもあります。

頭ではわかってはいるのですが、自分が大丈夫だからリョウさんの気持ちを汲み取ることができないでいました。
そして、ここから数か月に渡ってアフリカを走り抜けるのだから、リョウさんにはなるべく早い段階で、多少の困難には立ち向かって行くという覚悟を決めて、腹を括って欲しいという、私の一方的な思いを押し付けようとしていたのも確かです。

現時点で二人の間に温度差があるのは確かなことであり、その差をどのようにして折り合いをつけて行くのかということは、二人で旅を続けていく以上、難しい問題になるのは間違いありません。
どちらかがどちらかの一方的な意見を押し通すのではなく、二人で納得できる答えを出して行くという努力が必要になってくると思います。

年齢が上で、未舗装路での走破性の高いバイクに乗る私。

気持ちが優しくて自己主張がそこまで強くないリョウさん。

臆病者で小心者のくせに気が強くて性格のきつい私…。

どう考えても私がきちんとリョウさんの気持ちを汲み取っていってあげないといけないのはわかっていますが、私にも私の目指す旅があり、リョウさんにもリョウさんの旅のスタイルがあります。

私はせっかくこのような体験をしているのであるから、多少の快適さは犠牲にしてでも選択肢の幅を狭めるようなことはしたくないのです。多少の困難ならば都度解決策を考えながら乗り越えていけばそれで良いと思っています。

その二人の旅のスタンスの差を埋めるのは本当に難しい問題だなぁと思ってしまいます。

 

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