旅のスタンス

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1月23日(木)東京出発228日目、ギニア15日目 ファラナ~キシドゥグ 走行距離145km

※本日のブログは私の一方的な立場からの話になります。リョウさんはリョウさんで別の考えを持っているけれども、私がそれを汲み取り切れずにいる可能性があるということを認識したうえでお読みください。

朝食の時間、リョウさんと話をします。まず私がリョウさんに対して思っていることを言いました。

一つ目は私はもう少し朝早く出発したいことと、毎日何時に出発しようと決めていても必ずそれより遅い時間になってしまうことにストレスを感じているということ。
そしてもう一つは、多少道が悪いからと言って行きたいところや気になるところに行くことを断念してしまうと旅の幅を狭めてしまうので、リョウさんが極度に未舗装路を嫌がることにストレスを感じていること。

この二点を伝えました。

すると、一つ目の朝の時間については頑張れば何とかなるので大きな問題ではないということでした。

しかし二つ目の未舗装路については考え方が違うというリョウさんの意見を言ってくれました。

リョウさんとしては別にバイクを使った観光旅行をしているのだけなのだから不用意なリスクを取る必要性を感じていないこと。リスクを取ってわざわざ険しい道を走らなくても、できるだけリスクのない道を走ったところでそれはそれでそこにある楽しい旅行ができるという考えでいるということでした。

バイクを使った観光旅行というのは私も同じです。私だってリョウさんが考えるような冒険旅行をするだけのスキルも度胸もありません。
私は単に道がちょっとばかり良くないからと言って旅の選択肢を狭めてしまうことをしたくないというだけなのです。

ただ、私とリョウさんとの間にリスクに対する考え方(認識)の違いがあるようです。

私は人が作って地図にも乗っているような道であれば二人でいる以上、そこを走行することにそこまで大きなリスクはないと考えています。もちろん予想以上に大変な道もあることは確かなのでそこは地元の人たちに確認する必要はあるとは思っていますが。

しかし、リョウさんはバイクを転倒させてしまってバイクが壊れてしまったらそこで旅が終わってしまうと言います。

私は、私たちのスキルではダートを高速走行することはできないので、転倒したところで走行不能なほどのダメージをバイクに与えることは滅多にないと考えています。転倒したら二人で起こせば良いですし、それが難しい場合には通りかかった人に助けを求めれば良いと考えています。またバイクに多少の損傷を負ったところ(それは大変なことには間違いありませんが)で次の町で修理すればそれで良いと思っています。なのでそれはリカバリ可能なリスクだと認識しています。

一方で私は夜間の走行こそリカバリが難しいリスクを孕んでいると考えています。

夜間で地面が見えない状態での走行はそれこそ危険な倒し方をしてしまう恐れがありますし、転倒時に足場の状態も分らなければより大きな怪我をしやすいです。二人で起こせないような倒し方をした場合に救援を求めるとしても夜間になると難易度が上がると思うのです。また治安の悪化も懸念材料になります。なので朝は前日に決めた時間にきちんと出発できるようにしようと主張しているのです。

クンダラからボケに向かう道で、寝床の確保が難しいと思ったときにリョウさんはあの場所なら道端でテントを張れば良いと考えていたと後に言っていましたが、私はそうではありませんでした。人目に付きやすい場所での道端キャンプは強盗被害の危険が高まります。では、人目を避けるために茂みの中に行くとします。ギニアには猛毒を持つ毒蛇も生息しているそうで、それらの毒蛇に噛まれたときに近くに病院があるかも不明でさらには病院があったとしても血清があるとも限りません(実際にギニアでは毒蛇により四肢の切断や死亡事故のリスクは身近に存在しているようです)。それを考えるとあのときの状況は簡単に考えて良い場面では無かったと思っています。

これらの被害は確率的には低いかもしれませんが(どれくらいのものなのかはわかりません)、被害に遭ったときのリカバリが難しいという点で、私はできうる限り避けるべきだと考えています。

一方のリョウさんはそのあたりのリスクヘッジを考えていない(なぜ私がもっと朝早く出ようと言っているのか理解していない)ように思えて、それも私の苛立ちの一つになっていました。

またリョウさんは南アフリカに行くということが大きな目的のように私には聞こえました。一方の私はその行程が満足のいくものでなければこんなことをやっている意味がないと考えています。

例えばモンゴルで大怪我をしてリタイアした大澤さんも、カザフスタンでマシントラブルのためにリタイアした粕谷さんも、当初予定していた目的地まで行けなかったとしても、彼らの旅はとても充実していて彼らの旅が失敗だったなんて絶対に言えないと思うのです。。

そしてリョウさんの言った「正直アフリカにはそれほど興味は無いから無理をしてまで大変なところには行きたくない」という発言が、私は「アフリカを楽しみにしていて、アフリカ旅行を楽しみたい」という考え方と相反するものでした。

※もちろんこの発言はリョウさんが自身の考えを強く主張しようとして思わず言ってしまっただけの発言なのかもしれませんが。

 

それだけスタンスが違うのならば、もう別々に行けば良いではないかという意見もあるかと思います。

でも私はそれは最終手段だと思っています。

まず、最初に私からリョウさんに一緒に行こうと誘ったので責任を感じているのもあります。
そして、実は一度二人の意見が分かれたときに私から、その日は二人別行動にして、目的地を決めてそこで落ち合おうと提案したことがあったのですが、リョウさんは現時点ではどうしても一人で走るのは怖いということでした。なのでここから先は別行動にするというのもあまりにも残酷な判断になります。

だったらリョウさんが我慢して私に従うしかないのではないかという意見を持つ方もいらっしゃるとは思うのですが、私はそれが正しい答えだとも思っていません。

もしそれを続けて行けば昨日と同じようにリョウさんのストレスが限界まで達することが頻繁に起こると思います。

私たちはバイクで旅行をしているのです。一つの操作ミスが大事故に直結するリスクを常に孕んでいるのです。それを考えれば極度のストレスが大変危険だということは想像に難くありません。そしてそれはリョウさんだけでなく私にとってもリスクなのです。

また私がストレスを溜め続けることも同様に然りです。

そう考えるとなんとかうまく二人で折り合いを付けてやっていくことが求められると思うのです。

ただ、このとき腹を割って話し合ったおかげで一つのことが見えたのは本当に良かったです。

まず私の乗るテネレさんは未舗装路で高い走破性を発揮します。そして私もこの旅で2,000kmを優に超える未舗装路を走ってきたためだいぶ未舗装路の走行に慣れてきていました。

そこまで未舗装路で高い走破性を持ち合わせていないNC700に乗るリョウさんは、未舗装路を走った際にゆっくり走ってしまうと私にストレスを与えてしまうのではないかと不安だったそうです。しかし速い速度で走るのは転倒の恐れがあり、そこが未舗装路を走る際に大変なストレスになっていたということでした。

ゆっくり走っても良いということであればリョウさんとしても未舗装路を走ることはそこまで嫌ではないということでした。

そこはモンキーに乗る洋介さんとGSXに乗るアシムと一緒に走ったときも同じことだったので私にとっては全く問題ありません。

今は二人の旅のスタンスに大きな隔たりはありますが、こうしてときには腹を割って話し合っていくというのは本当に大切なことですね。

こうして腹を割って話すというのは大変なことですが、そこから逃げ続けてしまうといつまで経ってもお互いにストレスだらけになってしまいます。

この日、思い切ってリョウさんに私の感じていることを伝えたことは良いことだったと思っています。

そしてこのことが二人の旅に光明を差し込む結果になることを期待しています。

※何度も申し上げますが、本日の内容につきましては私の一方的な意見に過ぎないこと、あくまで私とリョウさんとの間に旅に対する考え方に隔たりがあるだけで、リョウさんという人間自体は優しい人間であるということは付け加えさせていただきます。

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