不信感…

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2月19日(水)東京出発255日目、ベナン7日目 コトヌー

当初の予定では場合によってはこの日、船が出航する可能性もあります。

それなのにまだスラドゥさんから連絡もなく、我々はバイクの積み込みができないでいるのです。

間に合うのでしょうか?そもそも船会社のウンゲ氏は手続きを進めてくれているのでしょうか?

不安ばかりが募ります。

10時になってもスラドゥさんから連絡がなければこちらから連絡しようと思っていました。

すると、10時5分前にスラドゥさんから連絡が入りました。

スラドゥさん:「おはようございます。もう時間がありません。今ここで決めていただいて手続きを開始しないと船の出港まで間に合わないです。どうしますか?」

は?

何を言っているんでしょうか?その話は月曜日に済んでいるではないですか?!全く同じ話を月曜日にして、その場で決定して、すぐに手続きを開始してくれとお願いしています。手続きが終わり次第スラデュさんから連絡をもらって、その後我々がバイクで港に向かって積み込みを行うという話はきちんと何回も確認したではないですか!

何をいまさら言っているのでしょうか!?

正直私はこのときスラデュさんのことも信用できなく思ってしまいました。

私:「大丈夫です。すぐに手続きを開始してください。私たちはすでに航空券も取得してしまっています。その船に載せられないとなると大変困ります」

スラデュさん:「わかりました。それではすぐにウンゲ氏に手続きを開始するように伝えます」

本当に大丈夫なのでしょうか?

更に30分くらいしてスラドゥさんから再び連絡が入りました。

スラデュさん:「すみません。私の携帯電話のクレジットが無くなりそうです。エージェント会社に電話したいのでチャージをお願いできませんか?」

は?何を言っているんだ?

私:「それは私にスラデュさんの携帯電話代を払えと言っているのですか?」

スラデュさん:「そうです」

私:「何で私があなたの携帯電話代まで払わないとならないのですか?」

スラデュさん:「早くエージェント会社に電話しないとならないからです」

私:「良くわかりません。どういうことですか?あなたが何をやっているのか全く理解できません」

相当にイラついていた私はかなりキツく言ってしまいます。

スラデュさん:「そうですか。わかりました。後ほどそちらに伺います。そのとき話し合いましょう」

本当にどうなっているんだか?スラデュさんも本当に全く信用できなくなってしまいましたよ。

本当に大丈夫なのでしょうか?

少し時間をおくと私は不安になってきました。確かにスラデュさんのことが信用できなくなってしまったかもしれません。でも我々はスラデュさんに頼る以外今のところ手段が無いのです。

もしスラデュさんが協力してくれなくなったとしたら私たちは自力で船会社を見つけて価格交渉から何から何まですべて自分たちでやらなければなりません。そうなった場合英語の通じにくいコトヌーでどこまでうまくできるでしょうか?

場合によってはもう少し大きな港を持つトーゴのロメやガーナのアクラに引き返すことも検討しないとならないかもしれません。

1時間経っても2時間経ってもスラデュさんからは何の音沙汰もありませんでした。

謝罪の電話を入れた方が良いのでしょうか?でもなんて??

スラデュさんは先ほど「後ほどそっちに行って説明します」ではなく「話し合いましょう」と言いました。

もしかしたら手続きそのものを止めてしまった可能性もあります。

そうなったら今回の船にバイクを載せることはできないでしょう。

その場合はすでに取得してしまった航空券は無駄になってしまいますが、それでも自力でイチからすべてやるよりも、スラデュさんにきちんと謝罪してもう一度お願いすることの方が得策です。

業を煮やした私は再度スラデュさんに電話することにしました。

私:「こんにちは。先ほどは申し訳ありませんでした。スラデュさんのおっしゃっている意味がいまいちわからなかったもので。」

スラデュさん:「そのようでしたね。今ちょっと手が離せません。あとでそちらに伺いますので待っていてください」

もう待つしかないでしょう。今回の船がダメだったとしても、もう一度お願いするしかありませんね。

夜20時頃

スラデュさんが宿までやってきてくれました。

大変お疲れの様子です。

しかし手には何か書類のようなものを持っています。

スラデュさん:「こちら船への積載許可証になります。原本は明日、バイクで港に行って支払いを済ませたらエージェントからもらえます。そしてその時点でガボン側での受取証ももらうようにします」

スラデュさん…。あなたを疑ってしまって申し訳ございませんでした。

私:「ありがとうございます。本当にありがとうございます。午前中のお電話で携帯代を支払って欲しいということでしたが、私は良く意味を理解できていなく、大変失礼いたしました」

スラデュさん:「あぁ、こちらこそすみませんでした。携帯電話のクレジットが切れてしまいそうだったのですが、あのときお金をほとんど持っていませんでした。港から家までは少し遠くて、戻っていたら時間がかかってしまうのでお願いさせていただいたのですけれど。」

私:「そうだったんですね。良く理解できずに大変申し訳ございませんでした。だいぶお疲れの様子ですけれども大丈夫でしょうか?」

スラデュさん:「そうですね。今日はあっちこっちいろいろな場所に行って手続きをお願いしないといけなかったので。とにかく時間がなかったので早くするようにお願いしてヘトヘトになりましたよ」

私が部屋で文句を言ったりブーたれたりしている間にスラデュさんは一生懸命我々のために動いてくださっていたんですね。本当にありがとうございます。

私:「ありがとうございます。今日はゆっくり休んでください。明日はどういったスケジュールになりますでしょうか?」

スラデュさん:「午前中にバイクを積み込んで、船は午後出港予定です」

私:「何時くらいに港に行けば良いでしょうか?」

スラデュさん:「そうですね。では9時にこちらに迎えに上がります。そうしたら一緒に港まで行きましょう」

私:「わかりました。9時ですね。よろしくお願いいたします」

宿の前までスラデュさんを見送りに行きました。

本当にお疲れのご様子です。

見ず知らずの日本人のために一生懸命です。いくら親日だとは言え逆の立場だったら私はこんな風に親切にできるでしょうか?

こんなにも面倒な役所巡りのようなことを見ず知らずの外国人のために私だったらできないと思います。

本当にありがとうございます。

見送った車に深々と頭を下げてお礼を言うのがこのときの私の精一杯でした。

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