飯はどうしたら良いのか?

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2022年8月7日(土) 2回目東京出発2日目、この旅トータル288日目、アンゴラ2回目2日目 首都ルアンダ

さてさて、アンゴラに再上陸して2日目の朝を迎えます。
時差ボケもあってか昨晩は9時頃には就寝し、朝は4時前に目覚めます。

8時過ぎ、昨日の昼から20時間近く何も口にしていないので、さすがにお腹が空きました。
フィフィコさんからはこの辺りは大変治安が悪いので日中でも絶対に一人で出歩かないようにとキツく言われています。
フィフィコさんご自身も車から降りて一人で歩くようなことはしないそうです。

お腹が空いたとか何かあれば必ず守衛さんにお願いするようにと言われています。

なので守衛さんにお腹が空いたことを伝えるのですが、彼はポルトガル語しか理解できないのでどうにも伝わったかどうかがわかりません。
10時を過ぎても何も言ってこないのでもう一度お腹が空いたことを伝えます。

わかったのかわからなかったのかすらわかりません。

11時過ぎ、どうにもお腹が空き過ぎてしまったので、直接フィフィコさんに電話をしてお腹が空いたがどうしたらいいか尋ねました。

フィフィコさん:「ミスターヒデ!お腹が空いたのかい?何か食べたいものはあるかい?」

私:「いえいえ、なんでも大丈夫です。」

フィフィコさん:「ミスターヒデ!わかったよ。何かこっちから運ばせるからちょっと待ってな。30分くらいだ」

12時過ぎ、とうとう我慢できずキッチンに行くとパンらしきものが置いてある。守衛さんに「コレ、フィフィコ?フィフィコ?」と尋ねると、そうだというようなことを言う。

丸いパンが三つ。まあなんでも良い。腹が減ってどうにもならない。すると守衛さんがバターと謎のジャムのようなものを持ってきました。
まあ、朝飯なんてこんなもんだよな?と思っていると、守衛さんが出かけますよというようなことを言ってきます。誰かに一緒に会うというようなことを言っているようです。

ちょっと待て、まだパンは一つしか食べていない。食べ終わってからで良いか?と尋ねると「良いよ」と言って待っててくれます。

私が食べ終わり出かけます。
外を一人歩きするなという割にはだいぶ穏やかな雰囲気に感じます。外国人ゲストの私に何かあったら大変だと思って神経質になっているのではないかと思うほどです。

5分程度歩いて大きな通りに出ると見慣れた大男がバイクに跨っています。

あれ?フィフィコさん?

フィフィコさん:「ミスターヒデ!これからランチに行くぞ!彼がタクシー拾ってくれるから一緒に来てくれ。俺はバイクで先に行ってるから」

そうしてタクシーに5分程度乗り辿り着いた店は大変清潔で高級そうなお店です。
どうやらフィフィコさんの親戚(シルバさんの妹さん?)が経営するレストランのようです。
お客さんたちも大変綺麗な身なりの人ばかりです。

フィフィコさんが丁寧に何が食べたいか聞いてくれます。私はスープとフィフィコさんおすすめのアンゴラ産チキンのプレートを注文します。

運ばれてきたスープもプレートも驚愕のボリュームです。え?だったらさっきのパンはいらないよね…。もうすでにお腹膨れているんですけど。でもフィフィコさんのお気遣いなので残すわけにもいかない。頑張って食べます。そしてスープにはパンがいるだろ?とフィフィコさんが追加でパンを注文します。

いやいや、だったら本当にさっきのパンは何だったのだろうか?しかし実はこの謎については数日後、驚愕の事実として発覚するのです。

とにかくお腹いっぱい過ぎるほどのランチを食べ終え、フィフィコさんが「今、ライダーズクラブのメカニック呼んでるからもう少ししたら来ると思うぞ先に帰って待っててくれ」と言います。

お会計の時、ここもフィフィコさんが持ってくれるといったのですが、細かい端数の分をフィフィコさんが探していたので私がサッと端数分を財布から取り出しそれでお会計を済ませました。

そうして再度タクシーに乗り自宅へと帰りました。

とりあえず、そのメカニックの方が来るまでの間に愛車のテネレさんの状態を確認しておこうと、タオルを水で濡らし洗車します。

実は以前のシルバさんのご自宅(邸宅)では屋根付きのかなり恵まれた場所にテネレさんを置かせてもらっていたのですが、今の家にはそのような場所はなく、しばらくの間雨ざらしになっていたようです。

かなりのダメージを受けているのが外観からもわかります。
ウインカーは前後4つのうち3つが折れていますし、ミラーもひとつ無くなっています。
予想通りチェーンは錆び錆びなのでこれは交換が必須でしょう。

当然バッテリーも死んでいるのでエンジンがかかるかどうかさえもわかりません。

エンジンもかからないので私の方でわかるのはここまでです。あとはメカニックの方が来るのを待つまでです。

3時過ぎにルイと呼ばれるニコラスペタスのような白人の大男がフィフィコさんと一緒にやってきました。
彼は全く英語は話せません。

まず最初にバッテリーのチェックをするのですが死んでいることを確認すると「バッテリーの替えはあるか?」と聞いてきます。
バッテリーが死んでいることは想定してはいたのですが、残念ながらバッテリーを飛行機で運ぶことはできないのです。手荷物にも預け荷物にも入れられません。これは現地で調達するしかないことなのですが、替えのバッテリーが無いことを伝えると「それは大変困ったことだ」と言います。

アンゴラではテネレさんに合うバッテリーを見つけるのは大変困難だし、運よく見つかったとしても驚くほど高額になるぞというのです。
バッテリーが見つからないかもしれない??…。
まさかの事態です。

こればかりはどうにもなりません。日本から持ってくることも不可能だったわけですし。
もしヨーロッパから取り寄せとかになった場合はどれだけの時間待つことになるのでしょうか?

日本で買えば1万円くらいで購入できますが、このとき私は5万円くらいは覚悟しなければならないかなと思いました。

ひとまずここではどうにもできないので、明日トラックに乗ってくるので、明日テネレさんをライダーズクラブの基地に運んでそこから考えようという話になりました。

そして更にここで一つの衝撃的な事実が発覚しました。
フィフィコさんが誰かと電話で話しているのですが、急に私に

フィフィコさん:「ヘイ、ミスターヒデ!今アンゴラのクワンザは現金でどれくらい持っている?」

私:「えーっとだいたい90,000クワンザ(日本円で約30,000円)くらいですけど」

フィフィコさん:「90,000クワンザか…。分かった…」

フィフィコさん:「ミスターヒデ、実はヒデが持っているクワンザはもう使えない。古いんだ。この古い紙幣を使うと警察の事情聴取を受けることがある。もう絶対に使わないようにしてくれ。たぶん店で使おうとしても大抵は受け取ってくれないだけで済むけれど、万一受け取られて後で発覚した場合面倒なことになるかもしれないから。ミスターヒデ!この2年間は君のとって本当に大きな2年間だったな…」

そういうことだったのか…。だからアンゴラでは闇両替で米ドルが正規のレートよりもだいぶ良いレートで両替してくれるのか…。何かあるたびにアンゴラのクワンザは突然使えなくなるってことがあるのでしょう…。

というわけで私は手元に現金が無いので、ATMで現金を引き出したいことをフィフィコさんに伝えます。

フィフィコさん:「この近くにもATMはあるが絶対に行かないでくれ。守衛と一緒でもダメだ。前も言ったがこの辺りは本当に治安が悪い。ATMから出てきたところを見られると狙われる。ATMに行くなら必ず誰かの車で行き、迅速に引き出してすぐに車に乗り込むこと。バイクで行くのもダメだ」

私には外を見て以前ルアンダにバイクで入ったときに高層ビルの下にスラムが広がるあの場所に比べたらそこまで治安が悪いようには見えないのですが、これに関しては大変厳しくフィフィコさんは私に言います。そして、そのことがこの数日後にちょっとした事件につながるのでした。

夜、時差ボケの強い私は19時くらいに強烈な眠気に襲われます。
そのままベッドの中で今後のことを考えました。

今回の旅の目的はアンゴラに置き去りにしたテネレさんをどうにかすること。
別に無理して持ち帰ることも無いのではないか?
いくらになるかもわからない高額なバッテリーを買って、これから世界一物価の高いと言われるアンゴラを旅し、カルネが無いので入国のためにいくらの関税を取られるかもわからないナミビアと南アフリカに行って、そこから日本に船便で送り返す。そして日本で引き取りに行き、場合によっては長い船旅で再びダメージを受けたテネレさんは日本の地では入ることすら不可能かもしれない。

ならばこのアンゴラでいくらか関税を払ってしまってどうにか処分する方法を考えるのも一つの手ではないのか?

そんなことを考えながら、アンゴラ入国2日目にして弱気の中眠りに落ちて行くのでした。

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