夜は走るな!

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2022年8月9日(火) 2回目東京出発4日目、この旅トータル290日目、アンゴラ2回目4日目 首都ルアンダ

朝9時、ライダーズクラブのメカニック担当のルイさんが迎えに来てくれました。この国の人たちは今までのどの国の人たちよりも時間を守ります。
1961年から2002年まで40年近く続いた内戦で、文字を読める人たちを無差別に殺戮した歴史があるため、国の地力がまだまだ戻らないのは仕方ないとして、この国の人たちは自分たちの国が少しでも良くなるように誠実に生きていることがうかがい知れます。

私がお世話になっているシルバさんの家の守衛さんも、ルイさんの手伝いをしている若い男性も、おそらくかなり安いお金で雇われているとは思うのですが、仕事が本当に丁寧で誠実で一生懸命です。

ライダーズクラブの基地に着くとすぐにジョージさんも来て、この日は私を一日お世話してくださいました。

税関職員であるジョージさんがまずは税関に連れて行ってくれ、税関書類の更新を手伝ってくれます。
ジョージさんより税関職員に私の税関書類更新はすでにお願いしてくださっていたようなのですが、30分ほど待ってもその担当の方は現れませんでした。
どうやら仕事が忙しいらしいです。

私は全然待てるのですが、ジョージさんは私を待たせるのは申し訳ないと思ったのか、今日は一旦保留にしようと良い、次はジョージさんのご自宅に招いてくださり、昼食をご馳走になりました。

ジョージさんのご自宅に伺うと娘さん二人が出迎えてくださいました。

ジョージさんは少し白人の血が混じっているのかな?と思っていたのですが、ジョージさんの娘さん二人は完全なるブラックです。
娘さんお二人の顔立ちは白色人種の美的感覚から言うと相当に美人の部類に入り、鼻がスーっと通った美人さんなのですが、それ以上に彼女たちの立ち振る舞い、挨拶の仕方、ちょっとした所作に品性があり、きちんとした教育を受けてきたのだろうなということがうかがい知れます。

私自身は普通のサラリーマン家庭にうまれ、どちらかというとそんなに育ちの良い方では無いとは思うのですが、彼女たちのような人に出会うと、私自身も私自身のできうる限りで品格を保っていこうと思うのです。

昼食を終えると、今度は私のバイク補修のためのあれやこれやを買いにジョージさんが車を出してくれます。

まず2年半放置したバイクですのでエンジンオイルの交換は必須です。エンジンオイルはすぐに手に入ったのですが、さすがは世界一物価の高いと言われるアンゴラです。日本の倍近くの価格です。

次にバッテリー探しです。
メカニックのルイさんからは「アンゴラではもしかしたら手に入らないかもしれない。手に入ったとしてもかなりの高額になる」と言われていました。

ジョージさんが思いつく限りのバイク用品店を回ってくださいます。
4軒目にしてやっと私のテネレさんに乗せられるバッテリーを見つけることができました。

価格は日本で買うのと比べて3~4倍くらいです。
ジョージさんが価格が高いからもう少し粘って探してみるか?と聞いてくださるのですが、恐らくこの店以外で見つけるのは難しいでしょうし、見つかったとしても価格も大差ないでしょう。

これ以上時間をかけるよりも、ここで決めてしまってバイクの補修を進めることの方が大切なので、これで大丈夫ですと伝えて、ライダーズクラブの基地に戻りました。

ルイさんの技術は相当なもので、ありあわせのものでとても綺麗にテネレさんを仕上げてくれています。
バッテリーを載せ替え、エンジンオイルの交換をして、ほとんど完全な姿に戻りました。

私のテネレさんの補修をルイさんがしてくださっているときに一人の恰幅の良い男が現れました。

ジョージさん:「ヒデ!彼がヒデの税関書類の更新をしてる担当者だ」
えー!?今日、時間が取れなかったからわざわざここまで出向いてくれたようです。

私に税関書類を見せてくれと言い、パスポートと一緒に提示すると、「わかった。なるべく早いうちに処理するからこの書類は預かっても良いか?」と言います。

わざわざそのために来てくださるなんて…。
一番の難関だと思っていた税関書類の更新がこんなにスムーズに進むなんて本当になんて感謝をして良いのやら…。

ルイさんが作業をしているとき、時刻が4時半頃であったでしょうか?今日中にバイクは完全になるのでこのまま現在の滞在先には乗って帰るか?と聞かれました。

ライダーズクラブの基地と私が滞在している場所は30kmくらい離れていて、朝はひどい状態により1時間くらいかかってしまいます。
これ以上ルイさんのお手を煩わせるわけにはいかないので、当然乗って帰りますと伝えました。

しかし、時刻が17時を過ぎたころ、ジョージさんが帰宅する段になって「今日はバイクに乗って帰ってはだめだよ」と言います。
日が沈んだ後にバイクを乗るのは大変危険だということです。私が滞在している付近は大変治安が悪く、夜にバイクに乗っていると体当たりをしてきてバイクを転倒させる強盗が出るそうです。

そんなのは怖すぎます。

さすがに怖いので承知しましたとジョージさんに告げ、ジョージさんは帰宅して行きました。

18時を過ぎて日が傾いてきたころ、ライダーズクラブの方がケースでビールを買ってきて振舞ってくださいます。
これから車やバイクに乗るであろう人たちもじゃんじゃんビールを飲みます。

私にもじゃんじゃんビールを勧めてきます。
1リッター以上飲んだところで、ルイさんが「今日は先導するからバイクで帰りな」と言います。

マジで…?。

この国は飲酒運転という概念が無いようです。ルイさんも相当飲んで騒いでいます。
ここまでお世話になってこれ以上ルイさんのお手を煩わせるわけにはいかないでしょう。今日バイクで帰れば、明日の朝はルイさんに迎えに来てもらわずに自分でここまで来ることができます。
飲酒運転になりますが、ルイさんに先導してもらってバイクで滞在先に帰ることにしました。

この季節のアンゴラは非常に寒いです。ルイさんがライダーズクラブのオリジナル革ジャンを貸してくださり、寒さをしのぎます。

夜の9時を回ったあたりでお開きになり、ルイさんに先導してもらって帰宅しました。

ルイさんが丁寧な運転で先導してくださったので無事に帰宅することができましたが内心はドキドキでした。

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