シルバさんの妹さん

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2022年8月14日(日)2回目東京出発10日目、この旅トータル295日目、アンゴラ2回目9日目 ポルタンボイ~ロビト 走行距離259km

昨晩は飲み過ぎてしまいましたが、この国に来てから就寝時刻はいつも21時頃なので寝不足の心配はございません。

いつでも出発できるようにと先に準備だけは済ませっておきます。

表に出るとジョージさんの息子さんが一人で遊んでいます。
昨夕も一緒にボール遊びをしたりしたので、彼も私に対する警戒心は無くなっており、私の姿を認めるとすぐに駆け寄って来て一緒に遊ぼうと言ってくれます。

少しするとジョージさんも起きてきて、「準備したらすぐに行く」と言ってくれます。

ジョージさんがやってくるとゆったりとした朝食を取ります。
前回から通じてこんな風にゆったりとした時間を過ごすことはあまりなかったので、本当にありがたいです。

ゆったりとした朝食を済ませると、今度はジョージさんがこの街のコピー屋さんに連れて行ってくださいます。
実は私は新しい税関書類はもらっていたのですが、古いものをあの税関職員の彼が返し忘れたということで、もしかしたら国境で必要になるかもしれないからコピーだけでも持っておくようにとの連絡をジョージさん宛てにくださっていたようです。

しかしこの日は日曜日でコピー屋は閉まっていました。

するとジョージさんがこう言いました。

ジョージさん:「今日はロビトまで行くんだろ?ロビトにはジュリオ(シルバさん)の妹が住んでいる。ジュリオからもロビトにヒデが到着したら連絡するように言われているハズだ。私からも言っておくのでロビトでコピーは取得するようにしなさい。もしかしたら今、フィフィコもロビトにいるかもしれないようだし」

本当に何から何まで至れり尽くせりです。

午前10時過ぎ。準備も終えた私は出発する時間となりました。

娘さんたちも挨拶するために出てきてくださいました。

長女さんは今年の10月からポルトガルの大学に進学することが決まっているそうです。専攻は薬学だそうです。アンゴラは西アフリカの中ではかなり進んでいるとは言え、まだまだエボラのような怖い疫病があるのも事実です。どうか一生懸命勉強してこの国に大きく貢献してくれることを願っています。

次女さんはあと大学進学まではあと2年ありますが、心理学に興味があるそうですね。英語も勉強中ということで私にも積極的に話しかけてくださいました。私よりもずっと英語は上手ではありますが…。日本にも行ってみたいって言ってくれましたね。ジョージさんに「日本ってすごい遠い場所にあるんだぞ」って言われて「知っているわよ」と返答すると「地球の反対側だぞ」と言われて「だから知っているってば!」って言い返していましたね。
もしあなたが本当に日本に来ることがあれば全力でサポートします。あなたのお父さんが私にしてくださったように。

そしてジョージさん、本当にいつもいつも大変気にかけてくださり本当にありがとうございました。
あなたがいなければこんなにスムーズにことが進むことはありませんでした。
何の見返りも無しに、この見ず知らずの突然やって来た日本人を本当に手厚くもてなしてくださり、心からの感謝を申し上げる以外に今の私にできることが無いのがとても歯がゆいです。
あなたが守って来たあなたの祖国アンゴラとあなたのご家族がずっと繁栄し続けることを願っています。

ジョージさん:「セーフドライブ。グッドトリップ」
そう言って親指を立てていつもの優しい笑顔で見送ってくださったあなたの顔は生涯忘れることはございません。

この日目指すロビトまでは260km弱と昨日と走行距離は変わらないものの、シルバさんからは途中、道路に大きな穴が突然現れることがあるから、十分に注意して、スピードを出し過ぎないようにとのご連絡を頂戴しておりました。

確かに途中、多少道が悪くなる区間はありましたが、全体を通じて道路は大変整備されております。

昨日よりかは慎重に走ったためこの日、ロビトの街に到着したのは15時頃でした。

ロビトの街は港町らしく、町に入った瞬間は多少スラムを彷彿とさせる治安の悪さも感じましたが、奥に進むにつれて街は整備され大変美しい場所に変わりました。

とりあえず岬の先端の方が大変綺麗なのでそちらの方に行ってみました。
海水浴を楽しむ人たちでにぎわい、街の雰囲気も高級で治安の悪さは一切感じません。

ここでシルバさんにロビトに着いたと連絡を入れてみます。
するとシルバさんより電話がかかってきました。

電話に出るとシルバさんとは違う方が英語で話しをしてくれます。声の感じからするとフィフィコさんのように聞こえるのですが…?

私:「あのロビトに到着したのですが…?」

謎の男:「そうかい。で、どうしたいんだい??」

私:「(どうしたいか?と聞かれても)ロビトにはシルバさんの妹さんがお住まいと伺っておりまして、できればその方にお会いしたいのですが」

謎の男:「わかった。ちょっと待っててな。確認するから」

私:「あの、今はロビトにいらっしゃるのですか?(私はフィフィコさんなのかなーと思っている)」

謎の男:「違う。カビンダにいる」

あれ、フィフィコさんは今、シルバさんと一緒にカビンダにいるのでしょうか?どうにもわかりません。
とりあえず待てというので待つことにしました。

が、1時間ほどしても何も連絡がありません。

このまま日が沈んでしまい、それから宿を探すのは嫌です。
であれば宿だけは押さえてしまおうと自分で探します。

このあたりは大変高級そうなホテルばかりなのでなるべく安そうな宿を探していると、小さな一軒のゲストハウスのようなものを見つけました。

しかし閉まっているようです…。
扉をノックするのですが誰も出てきません。

すると隣の家の住人らしきマダムが出てきました。彼女は英語は解せないようですが、私が宿を探しているということは認識してくださったようで、すぐ近くに別の宿があるからと案内してくださいました。

大変綺麗な新しい建物で高そうだとは思ったのですが、とりあえず中に入ってみることにします。

受付には身なりの綺麗な若い女性が座っています。
彼女もまた英語は全く話せません。

何を言っているのかわからないのですが、私がアジア人ということであまり良い印象を持っていないようなのは伝わってきます。
どうやら、部屋はすべて埋まってしまっていてあなたに貸せる部屋はないわと言っているようです。

うーむ…。困りました。この宿は一見高そうではありますが、一番安い部屋でも5,000クワンザ(日本円で約1700円)くらいからあります。
するとこの女性従業員は少しイジワルそうな顔をして、このオーシャンビューの一番高い部屋なら空いているわと言ってきます。

一番高い部屋でも17,000クワンザ(5,700円程度)です。今までのアフリカの宿の相場で考えればそこまで高いものではありません(ゴキブリいっぱいのシャワー無し宿で3~4000くらいの国もありました)。

それで良いというと急に態度が変わります。金を持っているなら話は別よと言ったところでしょうか?

手続きをしようとしているちょうどその時でした。フィフィコさんから電話がかかってきました。

フィフィコさん:「はーい!ミスターヒデ!今どこにいるんだい?」

私:「今ロビトにいますよ」

フィフィコさん:「ロビトのどこだい?迎えに行くよ」

私:「え、フィフィコさんはロビトにいるんですね。あの、シルバさんの妹さんがロビトに住んでいらっしゃると伺っているのですが」

フィフィコさん:「それって俺の母ちゃんのことだよ。言ったろ。俺はジュリオの甥っ子だって。だから今こっちにきているんだ」

私:「そうなんですね。ちなみに今夜そちらに泊めていただくことって可能でしょうか?」

フィフィコさん:「もちろんだぜ。ミスターヒデ!」

私:「ありがとうございます!!では位置情報を送りますのでよろしくお願いいたします」

フィフィコさんから連絡があり、この宿に泊まる必要もなくなったのでキャンセルします。

フィフィコさんが来るまでこの宿の前で待っています。すると先ほどの受付の女性が出てきて、今度はフレンドリーな雰囲気で私に何か言ってきます。
耳を傾けるとどうやら金をくれと言っているようです。

何なんだ!このバカは!さっきまでの失礼な態度はどこに行ったんだ!

30分ほどするとフィフィコさんが迎えに来てくださいました。

フィフィコさん:「はーい!ミスターヒデ!元気かい!この近くに友人が経営する店があるからそこで飯食ってから帰ろう」

そういうと車で先導してくださいます。

店に着くとたくさんの方が歓迎してくださいます。この店のオーナーさんもあのライダーズクラブの方だそうです。
しかも、元モトGPレーサーで、なんとかっていう名前のレジェンド級の選手と一緒に走ったことがあるとか…。

私がその選手の名前を聞いて知らないと答えると

オーナー:「マジかよ。YAMAHAのレーサーなのに知らないのか?レジェンドだぜ!9回チャンピオンになったレジェンド級のレジェンドだ!俺は一度もチャンピオンになれなかったけれどな」と言って笑いました。

いやいや、チャンピオンになれなくとも、その世界でプロとして活躍したとなったらどれだけスゴイか私には想像の付かない別世界です。
到底日本人では太刀打ちできないレベルの戦いがそこにはあるだろうことは私でも知っています。

本当にこの国ではこのライダーズクラブのネットワークは本当にすごいです。

ここでも美味しい料理を堪能し(さすがにいつもご馳走になるのも申し訳ないので、この日はちゃんと自分で払いました)、日が沈むころフィフィコさんのご実家に向かいました。

フィフィコさんのご実家に到着すると入り口付近に天空の城ラピュタに出てくる空賊の長ドーラを少し色黒にしたような女性が待っていてくださいました。

フィフィコさん:「コレ、俺の母ちゃん」
そういうと満面の笑顔で挨拶をしてくださいます。

言葉は通じませんが、何かと私に気を掛けてくださいます。
どうしてこの国の人たちは私のような訳の分からない日本人が突然やってきてもこんなにも暖かく迎えてくださるのでしょう。

私が水浴びをして(こちらのご家庭もシャワーはチョロしか出ないのでバケツに水を貯めてくださいました)、少し部屋でゆっくりしていると、フィフィコさんが私に声をかけてくださいます。

ベランダでみんなでタバコをくゆらせながら、お母様が焼いたというケーキを囲んでお手伝いさんなど交えてみんなで談笑しています。

英語を解せるのはフィフィコさんだけなので、通訳をしてくださり談笑します。

21時くらいになるとフィフィコさんは眠いから部屋に戻ると言ったので、同時に私も部屋に戻りました。

そんな感じでこの日もフィフィコさんとそのご家族にお世話になりゆっくりと眠りにつくことができました。

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