先進国

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2022年8月22日(月)2回目東京出発18日目、この旅トータル303日目 ナミビア5日目 オウチョ 走行なし

この日は今後の旅の方針を考えるためにも一日ゆっくりこの宿で考えることにしました。

まず一つ目はサファリに行くことをどうするかです。
この宿のオーナーさんがサファリツアーのコーディネートもしているということで、サファリツアーについて話をすることができました。

すると一番早ければ明日の火曜日に他の人の予約が入る可能性があるので、その場合はサファリツアーを決行するので帯同できるということでした。
今夜までには決定するということなので、今日一日待ってみて決行するようであれば参加し、決行されなければ先に進むことにしました。

もちろん本物のサファリの動物を見るというのは大変魅力的なことではありますが、今回の旅はあくまでバイク旅。バイクで行けないところに無理していくのではなく、私はこのナミビアという国が大変気に入っているので、将来サファリツアーを目的とした旅行に再び訪れても良いか思っています。

二つ目の問題は壊れてしまったテントをどうするか?です。
ここで捨ててしまい身軽になり、この先の旅はキャンプはしないというのも一つの手です。
実際にキャンプをするとなると、テントだけでなくその他細かいキャンプ用品、食料、多少多めの水などを携行する必要があるため、そのための荷物が膨れ上がるのも事実です。
しかし、私のテントの破損はファスナーだけであり、ポールが折れてしまって設営自体ができないわけではありません。
先日のような砂嵐に出会うというのは大変なリスクではありますが、入り口をテープで止めてしまうということで絶対にどうにもならないという状況ではありません。ナミビアでは町の無いところにもキャンプ場が点在し、テントを持っているだけで旅の幅は大きく広がります。
結論としてはとりあえずナミビアにいる間は少なくともこのファスナーの壊れたテントは携行し、どうしてもキャンプがしたいような場所を訪れたときなどにキャンプができるという可能性を残すことにしました。

さて、ここ数日ナミビアを旅していて「先進国」とは何だろうか?と考えるようになりました。

前回帰国したのちに多くの人に尋ねられたのが「一番良かった国はどこ?」でした。
あげればきりが無いですが、最も素晴らしかったのは言うまでもなく中央アジアのパミールハイウェイです。しかし、ここでの思い出が一番輝いているのはマイケル、アントニオ、ダニエル、アルティナといった素晴らしい仲間と共に過ごせたことが大きな相乗効果になっているため、パミールハイウェイ単独での評価なのかどうかは難しいところではあります。ただ、パミールハイウェイは多くのライダーやチャリダーの憧れの地であるため、きっと他の方たちも私と同じような経験ができるであろうことを考えると、ライダーやチャリダーには強くお勧めできる場所なのは間違いありません。

その他、綺麗な自然と穏やかな人たちが住む旧ソ連のジョージアや、綺麗な街並みと物静かでおとぎ話の世界のようなブルガリア、北マケドニア、アルバニア、モンテネグロ、セルビア、ボスニアなどの東ヨーロッパの国々はバイク旅でなくてもおすすめできる場所かと思います。

しかし、今回ナミビアを訪れて、私が旅をして一番好きな国はナミビアかもしれないと思っています。

人々が穏やかに暮らし、多くの自然が残り、治安も良く、それでいて都市部には物が豊かに存在して、道路、水道をはじめとするインフラが非常に高いレベルで整備されています。
とても旅がしやすい国であり、それでいてたくさんの観光資源に恵まれています。

一時期失業率の増加に伴い多少の治安の悪化があったと聞きましたが、私が見る限り人々は大変穏やかに暮らしていて、私がバイクで道を通るとニコやかに手を振ってくれることからもこの国人たちが余裕を持って生活されていることが見て取れます。

少し気になることとすれば、宿やキャンプ場、飲食店のオーナーの多くが白人であり、そこで働く従業員は黒人という構造です。
これだけ豊かな国なのだから、教育水準は白人も黒人も大差ないと思います。それでも資本家が白人で労働力が黒人という構造があります。

もちろん、そこで働く黒人たちはとても優しく楽しそうに丁寧な接客をしてくれていることを考えると、彼らは彼らで自分たちの生活に満足しているのかもしれないので外国人である私が口を挟むような問題ではないのかもしれませんが。

私がナミビアを旅していて感じるのが、ナミビアのように多くの人が安心して穏やかに暮らせる国というのが「先進国」なのではないかということです。
ナミビアの国民一人当たりのGDPはまだ日本の数分の一のようではありますが、心の豊かさという面において非常に高い水準にあるように思います。

一つ不思議なのが、どうしてナミビアはこれだけ豊かな国を形成することができたのだろうかということです。
正直自然環境は大変厳しい国なのは間違いないと思います。

前回の旅でモーリタニアを訪れた時に、あまりの自然環境の厳しさゆえに、あれではどうやっても経済発展など望めないと思ったものです。
ここナミビアも私の目からすると自然環境の厳しさからするとモーリタニアとそこまで大きく変わらないように思うのです。

とにかく乾燥した大地。水資源の乏しさ。広大な砂漠(しかもナミビアの砂漠は他の国の砂漠と違ってそのほとんどが砂丘で形成されています(ほかの砂漠地帯においてはその多くが土漠であったり礫砂漠であり砂丘の面積はほんの一部))と大変な砂嵐を巻き起こす強風。

このような条件があるにも関わらず、広大な国土の中において都市部を繋ぐ基幹道路は綺麗に整備され、点在するキャンプ場では水道が使えることがほとんどです。この国を作った先人たちには大変頭の下がる思いです。

日本も同様に資源には恵まれず、先の大戦において深刻なダメージを受けたにも関わらず、そのわずか数十年後には世界一の経済大国と呼ばれた時期があったほどに発展しました。一方で今では徐々に衰退の道を歩み、今後の展望も見えづらいのは確かだと思います。

経済的な発展は人々の心の豊かさに影響を与えるのは事実として、それと同時に若い世代が安心して、さらに未来に希望を持てるような国を作っていきたいと思うものです。

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