ウォルビスベイのフラミンゴ

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2022年8月23日(火)2回目東京出発19日目、この旅トータル304日目 ナミビア6日目 オウチョ~ウォルビスベイ 走行距離420km

やはり昨晩の時点でサファリツアーの催行はないということだったので、ここにこれ以上滞在するよりも先に進むことにしました。

ナミビアの西の海岸エリアにウォルビスベイという野生のフラミンゴが群生する地域があるということでそこに向かうことにします。

この時期、朝晩の冷え込みの厳しいナミビアですが日中は大変暑くなります。バイクで走って風を受けていてもこれだけ暑く感じるのですから気温はなかなかに高いはずです。

しかし、ウォルビスベイ手前200kmの地点位から急に空気が冷たくなってきました。
周りを見ると大きな砂丘に囲まれ完全な砂漠地帯なのですが徐々に霧が濃くなっていき視界も悪くなってきます。そのことが海が近いことを知らせてくれます。

ウォルビスベイから北に40kmほどのスワコプムンドという大きめの都市に着くころには気温はだいぶ低くなっていました。
スワコプムンドのガソリンスタンドに立ち寄ると従業員はみんなファーの付いた厚手のジャンパーを見に纏っています。

従業員に話を聞くとこの辺りはこの時期は日中の気温はこんなもんだと言います。

そこから真っ直ぐ南下してウォルビスベイを目指そうと思いスワコプムンドの街を出ようとしたところでトライアンフのタイガー800にタンデムの旅行者とすれ違いました。

タンデムシートに座る小柄の女性が両手をあげて嬉しそうに私に合図を送ります。
ちょうど彼らの今夜の滞在先の宿の目の前に停まったようです。

私はUターンして彼らの元に行きます。

イタリア人ライダーということのようですがほとんど英語は話せません。
それでも二人とも大変楽しそうにキャッキャッ言いながら私にイタリア語で話しかけてきます。

私が日本人だと言うと、二人は日本が大好きだ!と言います。「ワビサビだろ!」と意味を知って言っているのかどうかも怪しいけれど、嬉しそうに言います。

ただ、彼らは相当な旅の熟練者だと思われます。
インスタグラムのアカウント交換をすると、世界中いろいろな場所をタンデムで旅行しているようです。
彼らのこの性格の明るさならば言葉なんてどうでも良いのでしょうね。

私が南アフリカを目指していると言うと「ワインがボーノボーノだぜ!」といって大笑いしながらほっぺたに人差し指を当ててクリクリするのでした。

彼らの驚くことは紙の地図で旅をしていることです。そして、私がこれからウォルビスベイに行くと言うと「おー、俺たちも昨日までいたけど大変だったぞ!5日間全く道のない砂漠の砂の上を走ったんだ。とにかく砂が深くて走るのが難しい。気を付けるんだぞ」と言います。

そして紙の地図を出して、ウォルビスベイの更に先の砂漠地帯を指さすのでした。

この大変明るいイタリア人カップルに別れを告げ、ハートがほっこり暖かくなったところで、あともうひと踏ん張り、ウォルビスベイを目指します。

ここからもしかしたら私は大変な所に来てしまったのではないかと不安になってきます。
どんどん気温は下がり、霧が濃くなり幹線道路の横は延々と続く大きな砂丘があるばかりです。

しかし、そんなことは杞憂に終わり、ウォルビスベイの街に入ると驚くような大きなショッピングモールが現れました。
寒くて仕方ないので何かライダースジャケットの下に着るスウェットか何かを買いたいのですが、まずは落ち着きたいので宿に行くことにしました。

街の中心部から離れ、海岸線に沿って進み、人の閑散とした地域に小さなそれでいて品のある一軒の宿を見つけました。

あまりにも閑散としているので宿もやっていないのかと思いましたが、私がバイクを停めて中を確認しようとすると一人の黒人女性が出てきました。
確認すると宿は営業しているようです。

この国の黒人の方々の多くは非常にニコニコと明るい性格の人が多いですが、この女主人は物静かな雰囲気であまり笑顔を見せることはありません。
ただ、下手に媚びるような笑顔を見せることはなく、会話の中で時折見せる静かな微笑みに知性と品性を感じるのでした。

黒人特有の硬く癖の強い髪のためにこの黒人の女性の多くはウィッグを付けている人がほとんどですが、この女主人はウィッグを付けることなく丸刈りに刈り上げてそのままにしています。

欧米の価値観から言えば決して美人と言えるような顔立ちでは無いですが、サラッと着こなすシンプルなスウェットとパンツ姿に大変清潔感があり素敵な人だなと思いました。

こういう方を見ると、どういう教育を受けどういった経験を積んできてこのような品性を獲得するのか?といつも気になります。
例えば旅仲間であるモンキーライダーの洋介さんなども大変な知性と品性を感じます。

彼などは特段に特別な家庭に育ったわけでもなく、目を見張るような学歴や経歴を有しているわけでもない上に、いつもウ○コとかチ○チ○とか小学校低学年の男子が言うようなしょうもないことばかり口にしていますが、それでも知性と品性を感じるというのは生まれつきの特殊能力なのかもしれないとも思ったりはするのですが…。

とにかく寒いので荷物を部屋の中に入れます。

私:「私はフラミンゴを見にここに来たのですが、この季節フラミンゴは見られますか?」

女主人:「海岸線に行けばたくさん見られますよ。季節問わずこの地域はたくさんのフラミンゴを見ることができます。来るとき海岸線に見えなかった?」

私:「本当ですか?この後見に行ってきます。あとこの地域の治安はどうなのでしょうか?(外務省のサイトによると外国人に対してナイフによる強盗事件が発生したことがあるので十分に注意するようにとの記載があり、また人が少ないエリアなので時間帯によっては気を付けないといけないと思い確認しました)」

女主人:「とても安全なエリアですよ。全く心配いりません」

もちろん日本と同じ感覚ではいけないとは思いますが、そこまで神経質になる必要はなさそうです。

まずは街の入り口で見かけたショッピングモールに防寒着を買いに行きます。
こんな国の外れにある都市部に関わらず、このショッピングモールも大変大きく充実しています。
すぐにファストファッションの店に入り1500円程度のスウェットを購入しました。

ショッピングモール内にはキャンプ用品店も見つけたのでテントも見てみたのですが、家族用の大きなテントしかなかったため購入はいたしませんでした。

そのまま宿の近くの海岸線に行きフラミンゴを見ます。
夕暮れ時の景色が素晴らしいという話を聞いていたのですが、霧が濃く、フラミンゴの数もそれほど多くなく少し残念ではありました。

宿に戻ると

女主人:「フラミンゴを見てきたの?たくさんいたでしょ??」

私:「フラミンゴは見てきたのですが、数はそれほどはいなかったです」

女主人:「あら。そうだったの…。お昼の時間帯、そうねー12時くらいになると海岸を埋め尽くすほどたくさんのフラミンゴがいてとても綺麗よ」

なるほどー。それは見てみたいですが、明日はこの宿に荷物を置いたまま北東に約150kmほど離れた場所にある隠れた観光地であるムーンランドスケープ(月のような場所)と、北に170kmほど離れたアザラシの群生地であるケープクロスに行く予定です。

もう一日延泊して昼の時間帯に海岸線いっぱいのフラミンゴを見てみたいとも思ったのですが、シングルルームは明後日には予約で埋まってしまっているということで、明後日の出発をチェックアウトぎりぎりの時間にして運よく見られないものかと考えることにしました。

しかし、正直朝の寒さと昼の気温上昇、そしてまた夕方の急激な冷え込みには本当に体力が奪われます。
たった400km超の走行ではありましたが、へとへとに疲れ切ってしまい、この日も9時頃には就寝してしまいました。

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