こんなに大好きな二人と

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2022年8月30日(火)2回目東京出発26日目、この旅トータル311日目 ナミビア13日目、南アフリカ1日目 ノードエバー~スプリングボック 走行距離140km

素晴らしかったナミビアも今日でおしまいです。
宿泊費と朝食代、ガソリン代を払って、ナミビアドルも良い感じに使い切りました。

さて、本日は遂にこの旅最後の国、南アフリカへの国境越えです。

まーおそらく特に問題は無いとは思うのですが、何度経験しても国境越えは慣れません。どうしても不安でどきどきします。
カルネが無いから入れないよなんて言われないよな?なんてどうしても考えてしまいます。

ノードエバーの町からナミビア側の国境は1kmも離れていませんでした。

国境に入ると何やら車が列を作って荷物検査をしているようです。
私もその列の最後尾に並びます。

すると黒人の女性担当官がやってきて、

担当官:「あなたはこれは必要ないからイミグレーションに行ってパスポートにスタンプをもらいないさい」

私:「わかりました。税関には行く必要ありますか?」

担当官:「必要ないわ。イミグレーションでスタンプもらったらそれでおしまいよ」

なんかとてもイージーそうです。

そのままイミグレーションに行き、出国申請書に必要項目を記入して列に並びます。と言っても私の前には老齢の白人の方とトラックドライバーと思しき黒人の男性だけです。

私の前でその黒人の男性が窓口で手続きをしています。

担当官:「どこから来た?」

黒人男性:「キートマンズフープ」

ハンコをガシャン。それで終了のようです。

次は私の番です。

担当官:「どこから来た?」

私:「(街の名前を言えば良いんだな。大きい都市の方が良いだろう。なので私も)キートマンズフープ」

担当官:「…。いや…、…、お前はジャパンだろ」

いやいや、「Where are you from?」ってそういう意味…?何回国境越えしてるんでしょうか?まったくどうしようもないですよ…。よく今まであの七面倒な西アフリカの国々の国境を越えてきたものですよ(笑)。いや、むしろこんなんだから通してもらえていたのかもしれません。

そのままパスポートに出国印を押してもらって本当にこれで終了です。
もともとカルネももっていないしこんなもんでしょう。

ここから数百メートル進み、橋を渡ると今度は南アフリカ側の国境です。

国境入り口では何か白い縦長の紙を渡されます。

担当官:「これをもって、右側の通路を取って3か所でスタンプをもらってください。3つもらえば終わりです。まずはイミグレーションに行ってくださいそのあとにどこに行けば良いかは各窓口で教えてくれます」

3つスタンプ貰えば良いんですね。イミグレーションでパスポートにもスタンプをもらうのと、警察の窓口がここにあるから、あと一つはやっぱり税関かな??

そう思ってまずはイミグレーションに行きます。
窓口にはどう見ても職員には見えない老婆が座っていて「ここで待ってなさい」と私に言います。

窓口には大きく「有効なパスポートと有効なCOVIDの証明書を用意してください」と書いてあります。

え?!入国にPCR検査か何か必要なの??

とりあえず日本から持ってきたワクチンの接種証明書を用意します。

すると担当官がやって来て

担当官:「パスポートとホワイトペーパーをください」と言います。

私がパスポートと先ほどもらった縦長の紙を渡すとそれぞれにスタンプを押しておしまい。

担当官:「次は警察署の窓口に行ってください」

本当にあっけなく終わりです。

隣の警察の窓口に行くと、「先にとなりの部屋で体温だけ測ってホワイトペーパーにスタンプもらったらもう一度来て」と言われます。

隣の部屋に行くと日本でもたまにお店に入るときに手首に機械を向けて体温を測るあれをやります。終わるとホワイトペーパーにガチャン。
警察の窓口に戻るとホワイトペーパーにガチャン。

これでお終いだそうです。税関は?と聞くと必要ないとのこと。
実にあっけない。もしかしたら私が今まで通った国境の中で一番イージーだったかもしれません。

細かく確認されると聞いていた荷物検査もありません。

そして税関のことはすっかり忘れていましたが、ナミビアと南アフリカは関税協定を結んでいるのでたしかにここではバイクの税関手続きは不要なことを思い出しました。

あっと言う間の国境越えです。あとはケープタウンを目指してテネレさんの輸送手続きをするだけです。

この日は国境から120kmほどの町、スプリングボックに滞在予定です。

しかし南アフリカに入ってからものすごい強風です。気を抜くと簡単に反対車線まで飛ばされてしまいます。
今までの旅で一番の強風だと思います。西サハラでも木が曲がって育つほどの強風の中を走りましたし、ナミビアの砂嵐も酷かったですが、ここまでの強風は体験したことがありません。
とにかく慎重に走ります。

やっとのことでスプリングボックの町に到着しました。
何軒か宿を見つけるのですが、どこもことごとく満室です。宿の方々も大変親切で「あそこにも宿があるから聞いてみたら?本当に酷い強風で大変ね?」などと言ってくれるのですが、ことごとく満室です。

町の外れの宿に行くと「ごめんなさい。今日は満室なの。町のメインストリートにスプリングボックロッジってあるからそこに行ってみたら。あそこなら空室があると思うわ」ということでした。

ということでメインストリートにあるというスプリングボックロッジに行きました。
スプリングボックロッジはすぐに見つけることができました。

大きなレストランにスプリングボックロッジと書いてあります。
中に入ると商店になっており、その奥にレストランがあります。商店のおばちゃんに「ここはスプリングボックロッジですか?レセプションはどちらですか?」と聞くと、「奥に行きな。レセプションはそこにあるから」ということでした。

レストランの方に行くと白髪の白人男性が座っていてどうやらここがレセプションのようです。

私:「予約はしていないのですが、本日こちらに滞在することは可能でしょうか?」

男性:「あぁ、大丈夫だ。550ランド(4,400円)だ」

私:「カードでも支払えますか?」

男性:「大丈夫だ」

良かったです。国境を越えたばかりで現金を持っていなかったのですが、ここまでどこも満室なことを考えると宿の確保だけでもしたいです。
支払いを済ませ鍵をもらうと紙の地図を渡されます。

どうやら宿はこの建物ではないようです。

ちょっとどの辺りなのかわからないのですが、とりあえず目印となりそうな教会を探しながらバイクに跨りゆっくりフラフラと走ります。
でもどうもよくわからないので、近くのガソリンスタンドにバイクを停めてもう一度地図を確認します。

すると隣にバイクが停車して、キャキャキャキャと嬉しそうな笑い声が聞こえてきました。
隣を振り返ると、なんとそこには1週間前にスワコプムンドで出会ったトライアンフ タイガー800に乗ったイタリア人カップルがいるではありませんか!!

どうやら街中をフラフラ走っている私を見つけて追いかけてきてくれたようです。

あいもかわらずイタリア語で楽しそうに話しかけてきます。
全く何を言っているのかわかりませんが、どうやら昼飯は食べたのか?一緒に行かないか?と誘ってくれているようです。

宿は後で探せば良いです。もちろんご一緒します。

するとメインストリートから少し入ったところのお洒落なステーキハウスに入りました。

言葉は全く通じないのですが、とにかく二人は私に優しくしてくれます。
そしてすごくうれしそうです。

いきなりワインをボトルで注文して3つのグラスに注ぐと乾杯します。
二人ともにこやかにそして本当に美味しそうにワインを飲むと、あのときと同じように人差し指を頬に当ててクリクリしながらボーノボーノ(笑)

95%イタリア語で話しかけてくるのですが(残りの5%くらいはかろうじて英語を混ぜてくれる)、なぜか不思議とこの二人が言っていることは通じます。

表情が豊かなのと身振り手振り、あとは写真などを見せてくれながら話をしてくれるからでしょう。
本当にうれしそうに楽しそうにケラケラ笑いながら話しかけてくれるので私も楽しくて仕方ありません。

20日ほど前にイタリアで行われたという平和の式典で、日本人の和太鼓や茶道、日本家屋の出し物が素敵だったと動画や写真を見せてくれます。
また、二人が今まで回って来た世界中の国々とそこでのエピソード。

旦那さんのロスさんはデザイナーさんだそうでイタリアの大きなホテルのインテリアや家具を手掛けているそうです。また、モトクロスやエンデューロが生きる活力と言っていて、今まで走って来た世界中の場所を見ると、奥さんを後ろに乗せて信じられないような険しい道を走っていることから相当な腕前であることは簡単に想像できます。

奥さんのマリーさんは美容コンサルタントと言っていました。私の仕事がITやオペレーション系のコンサルタントと言ったら同じコンサルタントだ!って喜んでいましたがだいぶ違うと思います。

お二人はイタリアのちょうど中央部あたりに住んでいるということで、いつかイタリアに来たらマリーさんがトリュフの絶品パスタを作ってくれると言ってくれました。

とにかく幸せそうで、歌うように会話をし、踊るように食事を楽しむ二人のことを私は本当に大好きだなって思いました。

このお二人は幼馴染だそうです。小さいころから一緒に育ったそうです。周りの友達たちはどんどん遠くに離れて行ってしまったけれど、ふたりはずっと一緒だったそうです。

子供は作らず、ずっと二人で世界中を旅しているそうです。

恐らく二人は私より少し年上だと思うのですが、カリブ海で上げた二人だけの結婚式の動画を私に見せると「ウワー!!」って言って両手を頬に当て顔を赤くして嬉しそうに喜ぶマリーさんは本当にキュートで素敵でした。

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいます。
二人は今後、南に下って南アフリカのワインの産地を巡るそうです。またしても二人して頬に人差し指を当ててボーノボーノって言います。

私はここスプリングボックから東に300kmのところにあるという大きな滝を見に行き、そこから引き返してきてケープタウンを目指す予定です。

本日19時にもう一度この店でワインを飲もうと約束して店を後にしました。

ワインを飲んだとは言え、3人でボトル一本なので大したことはありません(あと一杯、強い甘いリキュールをショットグラスで3人で飲みましたが…)。
宿はすぐに見つけられました。

そして、私はこの国の現金を持っていないのと、SIMカードを手に入れたいので、先ほどの宿のレセプションのあるレストランの隣の銀行のATMで現金を引き出した後、レストラン内にある商店のおばちゃんにSIMカードがどこで買えるかと聞くと、SIMカード自体は通りを挟んだ向かいの携帯ショップで買えるので、SIMカードを買ったらここに戻ってくればこの店で通信量をチャージできると言います。

言われた通り向かいの携帯ショップでSIMカードを買ってきてこの店でチャージしてもらうのですが、なぜかネットにつながりません。

商店のおばちゃんたちが何人も私のところに集まってきて「私に貸しな」って言いながらいろいろと設定をいじるのですがどうにもつながりません。

すると一人のおばちゃんが私の顔を見て「あんた、お花みたいな顔しているね」って言います。
どういう意味なのでしょうか?褒めてくれているのだろうと思い、いちおうありがとうと言います。

すると「あんたここの宿に泊まるんだろ?いいかい?日が沈んだら絶対に宿から出るんじゃないよ!このあたりはすごく治安が悪い。絶対だよ。しかもあんたアジア人だから目立つんだ。ここは小さい町だからあんたがこの町にやってきたことを知っている人はたくさんいる。さっきも、バイクに乗ったアジア人が宿を探しているみたいだよって言ってきたお客さんがいたくらいだからね」と言いました。

マジか…。確かにこのメインストリートはあまり雰囲気は良くありません。
夜にイタリア人カップルのロスさんとマリーさんと飲みに行く約束をしています。本当はすごく行きたいです。あの二人が大好きです。今までのナミビアの感覚のままなら確実に飲みに行っていたでしょう。

でも私が今までこの度で大きな危険な目に遭わなかったのは、危険を感じるような都市では夜間に不用意に出かけるようなことをしなかったからだと思います。この日もこの商店から宿まで歩いて帰るときに日が傾いて来ると急に人影が減り、雰囲気が妙に不穏なものになっていました(そんなことを言われた後だからというのもあるでしょうが)。

本当は二人と夕飯も一緒にしたいのですが、宿の人に言われたことを正直に二人には伝えて、泣く泣く断りを入れることにしました。

いつかまた二人とは必ず会えることを信じて、南アフリカ初日の夜はさみしく過ぎて行きました。

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