2022年9月3日(土)2回目東京出発30日目、この旅トータル315日目 南アフリカ5日目 ケープタウン 走行なし
カルネが無いということで船会社から日本への輸送が拒否されてしまいました。
船会社としても税関を通せないということで手続き上仕方のないことでしょう。
もう週明けにはバイクを引き渡し日本に帰国できるものだと思っていたので大変がっかりしました。思わず日本の仲間たちに愚痴ってしまいます。
日本を離れた後にこうなってしまった以上、自分でなんとかするしかないのですが誰かに言わずにはいられませんでした。
日本の仲間たちもいろいと考えてくださいます。
私としては船会社が税関を通せないと言うなら、週明けに直接ケープタウンにある税関を訪問して、状況を説明し、なんとかカルネに代わる書類を発行してもらえないか話にいこうとは考えてはいるのですが、日本で対応しなかったものをなぜ南アフリカが尻ぬぐいしなければならないという話なので、それをしたところで何か話が前に進むとも考えにくくはあるのですが、考えられることはすべてやろうと考えました。
一方で日本の仲間に愚痴っているのと並行して、Facebookのとあるグループに知恵を貸して欲しいと質問も投げていました。
ヨーロッパ人はキャンピングカーやバイクでアフリカを旅行する人が多いので、そのような人たちが作ったコミュニティがあります。
「カルネを持っていないのですが、南アフリカから自国にバイクを送り返す方法をご存じの方はいませんでしょうか?そのようなことをしてくださる船会社や貿易会社を知っている方がいたら教えてください」
すると何人かからこんな返信をいただきました。
「南アフリカは船でバイクを持ち込むときはカルネは必要だけれども持ち出す場合は必要ないはず」
これは確かにそうなんですよね。持ち込みの際には自国の産業を守るために密輸入を防ぐためカルネが必要と言う理由はわかるのですが、持ち出す時に南アフリカの税関にてカルネが必要だというのはいかがなものだろうかと考えていました。なので私も入国さえできればどうにでもなるものだと思っていたので船会社でできないと言われたときは余計ショックが大きかったのです。
しかし、上記の情報が正しいとしても船会社が対応してくれないのであればその情報には意味を持ちません。
どうにかならないかと思います。
中には私がアジア人だからなのか辛辣なコメントをしてくる人もいました。
「お前のようなクソ野郎はどこに行こうが無駄だ!みんなお前のことは認識したぞ!名前も恥も晒しやがって!」
そんなに私は悪いことをしているのでしょうか?中にはそのコメントに良いねを付けている人もいます。
SNSでこのような罵声を浴びせられたことは無かったのですが、自分がやられると嫌なものですね。
芸能人など常にこのようなコメントに晒されているのを考えると、彼(女)らのメンタルの強さに頭が下がる思いです。
本来なら土日はゆっくりケープタウンを観光しようと思っていたのですが、こちらの目途が付かないとそんな気持ちにもなれません。
私のメンタルはガラスのようにもろく繊細です。
宿でダラダラと時間を過ごしていると先ほどのFacebookのグループにとある返信が来ました。
「アフリカンオーバーランダーのダンカンなら助けてくれるはず。俺も彼にお願いしてカルネなしで自国にバイクを送り返したぞ」
なんということでしょうか?!
調べて見るとアフリカンオーバーランダーというのはケープタウンにあるキャンプ場兼旅行代理店で、陸路で車やバイクで旅をする人たちをサポートしているようです。
さっそくそのダンカンさんという方に連絡を試みます。
するとすぐに返事がありました。
ダンカンさん:「カルネなしでも問題ない。TIPは持っていますか?」
私:「TIPとはなんでしょうか?」
ダンカンさん:「Temporary Import Permissionです」
確かにTIPってどこかで聞いたことがありました。しかしTIPだとさすがに検索しても別の意味での結果ばかりが出てきてしまうため調べることを怠っていたのです。カルネが無い人に対して、南アフリカ独自で一時輸入許可証を発行しているのでしょう。カルネ対象国では無い国では基本的にはその国で発行する一時輸入許可証を入国時に税関で発行してもらうのはいつものことでした。
しかし、今回南アフリカに入国する際にはカルネが無いことで税関で止められるのを嫌い、税関を通さずに入国してしまっていたのです(というか、念のためイミグレーションで税関に行く必要はあるか?と聞いても必要ないと言われていたのでそのまま通過してしまったのですが)
私:「持っていないです。それはケープタウンの税関で取得することはできますでしょうか?」
ダンカンさん:「いや、国境でしか発行してもらえない。でもこちらで処理するので大丈夫です。東京までの輸送の見積もりを出せばいいですか?」
なんて頼もしいのでしょう!
最悪南アフリカから東側を北上して別のどこかの国から日本に輸送をすることを考えないとダメかと思っていたので本当にありがたいことです。
見積もりの作成は週明け以降になるということでしたのでそれまではどうにもならないのは確かですが、新たな可能性を見いだせたことはとてもありがたいことでした。
なんとかこれでうまくいくことを願うばかりです。