• グレイトンさん

    Facebook にシェア
    Pocket

    2022年9月9日(金)2回目東京出発36日目、この旅トータル321日目 南アフリカ11日目 ケープタウン 走行なし

     

    キャンプサイトのテントの前でブログを書いていると突然

     

    見知らぬ白人:「こんにちは」

     

    という声が聞こえてきました。

     

    驚いてそのまま「こんにちは」と返事をします。

     

    彼はグレイトンさん。カナダ人だそうです。ダンカンさんに日本人が滞在していると聞いて声を掛けてくださったようです。

    グレイトンさんは実は長野に1年、栃木に2年、福岡に1年とトータル4年間、中学校のAET(Asistant English Teacher)として日本に住んでいたことがあるそうです。

     

    54歳と言っていましたが白人にしてはとても若々しい見た目で、「仕事を適当にやってるからストレスも無いしね」なんて笑っていました。

    グレイトンさんはずっと世界中を旅しているようでジョージアにも2年ほど住んでいたこともあるようですし、私の大好きなパミールハイウェイも自転車で旅をしたことがあるそうです。

     

    このキャンプ場にはその他に若いフランス人カップルも滞在しておりました。二人ともとてもにこやかで素敵なカップルです。旦那さんの方は英語は話せないようなのですが、奥さんの方が英語を話せるので通訳をしてくださいます。

     

    その他、後にHONDA Africa twinに乗る「日本車以外あり得ない。BMWなんてクソだ」っていうスペイン人ライダーがこのキャンプサイトにやってきますが、ここから一週間、日本側の対応の遅さ、不誠実さに辟易しながらただただ時間を消耗していく日々なのでほとんどは割愛します。

     

     

    しかしこのキャンプサイトもなかなかのものです。

     

    農場を挟んだ先にバラックの立ち並ぶスラムが存在します。時折銃声のような音が聞こえてくるのですが、グレイトンさんが言うにはリアル銃声だそうです。そして頻繁にパトカーのサイレンの音が聞こえます。

     

    グレイトンさんはパンデミックによって南アフリカに車を置きっぱなしにしていたため車を修理に出してしまっているため車が手元にないのですが、自転車は持っているそうです。でもその自転車は使わずにダンカンさんに車を借りてスーパーに買い物に行っています。それはそのスラムの近くを自転車で通行すると狙撃されて強盗に遭う危険があるからだそうです。

    だとしてもこのキャンプ場は優秀な番犬3匹がしっかり守ってくれていますし(そこら辺でう○こをして臭いですが、本当に賢くて無害でかわいいです)、安全なのは確かです。

     

    とにかく日本側の対応がクソ過ぎるのですが(一つ質問してきては何にそんなに時間がかかるのか不明。数日のタイムラグ。その間音沙汰無し。不誠実極まりないので日本は今後世界から相手にされなくなるでしょうね。ダンカンさんもあきれ果てています。)、私は元気に生きています。

     

    そろそろ日本への帰国の算段も経ってきたので(2022年9月16日現在)心配しないでください。すぐに日本に帰ります。

    カルネの発行拒否から始まり、すべての対応の遅さ、不誠実さに日本という国がいかにオワコンか!この国の未来を憂いることとなった旅でした。

     

    でも私は日本という国をあきらめるつもりはありません。

     

    戦後焼け野原になっても、大きな震災に見舞われても復活を遂げる底力が日本人にはあると思っていますし、みんなが諦めても私はこの国を諦めないで最後まで尽力します。この美しい国日本がこれからも良い国であり続けるように…。

    Facebook にシェア
    Pocket

  • またそういうことかー

    Facebook にシェア
    Pocket

    2022年9月8日(木)2回目東京出発35日目、この旅トータル320日目 南アフリカ10日目 ケープタウン 走行距離45km

    今日は6日間お世話になったこの居心地のいい宿を離れてダンカンさんのキャンプサイトに行きます。

    先日、捨てるものなどはあらかた処分をしておいたので荷物はだいぶ整理はされているのですが、先日購入したキャリーケースに残った荷物をどう詰めようかなどと考えていると以外にも時間がかかってしまいました。

    とはいえここからダンカンさんのキャンプ場までは40kmほどなので急ぐようなものでもありません。

    私が出発するときにはすでに他の宿泊客たちは出かけたようで、駐車場には私のテネレさんだけが取り残された状態になっていました。

    テネレさんのガソリンもなんとかギリギリ、ダンカンさんのキャンプ場まではもつでしょう。どうせ輸送するときにはガソリンを抜かないといけないと思うのでちょうどいいくらいだと思います。

    たかだか40kmの距離なのですぐにダンカンさんのキャンプ場がある町に到着したのですが、今まで私が滞在していたところほど居心地はよさそうな町ではありません。

    日中なので嫌な雰囲気はありませんが、道路沿いにバラックが立ち並ぶいわゆるスラムもかなりの広範囲に存在します。

    ダンカンさんのキャンプ場はどうやら農場の奥にあるようなのですが、この2kmほどの道は大変嫌です。
    これは雨が降ったら酷いことになるというのは容易に想像が付きます。

    今日は多少の水溜まりがある程度なので大丈夫ですが、それでも慎重に転ばないように走ります。

    農場の奥にあるダンカンさんのキャンプ場に到着すると入り口にいた従業員らしき黒人男性がゲートを空けてくれました。
    ニコニコと大変明るい優しそうな男です。

    ダンカンさんの奥さんはこれから空港に行かないといけないということで、足早に私の使用するテントに案内をしてくださいました。
    軍用のテントということで、古いものではありますが、そこそこの広さもあり、つくりもしっかりしているので、今まで私が使っていた登山用のテントより住環境としては良さそうです(とは言え、積載を考えればあのような登山用のテントがバイク旅では最適解にはなるとは思いますが)。

    しばらくしてダンカンさんが帰ってきました。

    ダンカンさん:「初めまして。ダンカンです。」

    私:「私はヒデです。この度はいろいろとご手配ありがとうございます。」

    ダンカンさん:「そのことなんだけど、南アフリカ側からはすぐに返事があって処理的には問題無いと思います。ただ、日本から返事が全くこないのです。もう一度催促してみますが全く反応が無いのでどうなっているのかこちらもわからなくて」

    なるほど…。そういうことか。
    私はこの旅に出て、本当にあらゆるところで日本の組織の対応の遅さ、頼りなさ、非協力的な態度にはうんざりしてきております。

    日本からロシアにバイクを輸送するときもロシアの通関業者はこちらが質問をすると30分以内に返信をくれるほど対応は早かったです。一方で日本の機関に質問をしても3~4日待つのは当たり前でした。
    これって公的機関だけでないと思うのです。私は日本で会社員として仕事をしていても遅いなーって思うことは多々あります。今は「日本製」という信頼やブランドがあるからなんとかなっているかもしれませんが、これが当たり前だと考えているなら近い将来、日本は誰からも相手にされなくなるぞと思うくらい日本は仕事においてスピード感に欠けていると感じます。

    また、外国人は普段の仕事はいい加減なことが多いですが、相手が本当に困っているとなると急にはりきりだして何とか助けてくれようとします。一方で日本人は普段のルーチン仕事だったりは一生懸命するのですが、イレギュラーな対応に対しては相手が困っていても「ルールがそうだから」の一言で一切の協力をしてくれなくなることが多いです。どっちが良いとも一概には言えないですし、どっちの場合も困ることはあるのですが、もし自分が、いざってときに頼りにならない存在だったとしたらそれってすごいダサいなと思ってしまいます。

    まー、状況としてはわかりました。
    ダンカンさんに対しては本当にただただ申し訳ないです。
    日本という国がそうなのですから仕方ないです。

    待つしかないので待つだけなのですが…、はー…、あと何日待てば良いものやら…

    Facebook にシェア
    Pocket

  • よし、ダンカンさんの所にいこう

    Facebook にシェア
    Pocket

    2022年9月7日(水)2回目東京出発34日目、この旅トータル319日目 南アフリカ9日目 ケープタウン

    昨日も結局ダンカンさんからは連絡が来ず、結局テネレさんを日本に送り返す算段はまだ立っておりません。

    ケープペンギンも見て、喜望峰にも行って、正直私はここケープタウンでやりたいことはもうありません。
    ダンカンさんはキャンプ場の経営もされているのでそちらに移っておけば手続きが済めばすぐに帰国はできるでしょう。
    ただすでに私はテントを捨ててしまっています。
    調べたところによるとダンカンさんの経営するキャンプ場にはロッジもあるようですので、そちらに泊まるというのもアリなのですが今滞在している宿は大変居心地が良いのでなかなか迷う所ではあります。

    朝食のときに、あのドイツ人母娘の娘さんの方が「今日の予定は?」と聞いてきます。
    正直何もやることはないのですが、「業者の方に連絡して、場合によっては何か別の方法が無いか考えたりします」と1時間程度で終わりそうな予定を伝えます。

    私:「ところでペンギンは見てきましたか?」

    娘さん:「行って来たわよ。そしたらね、近くにアザラシの群れがいてペンギンよりもそっちが臭くて…」

    どうやら娘さんにとってはペンギンの思い出よりもアザラシが臭いという思いでにすべて持っていかれてしまったようです。
    私が行ったときはアザラシの群れなどいなかったのですが、私が行った場所とは違う場所に行ったのでしょうか?それとも同じ場所にたまにアザラシの群れが現れるのでしょうか?

    いずれにせよ、私はペンギンには会いたかったですが、あの臭くて怠惰で意味のわからない生物アザラシは全く好きでは無いので、私はきちんとしたペンギンの思い出ができて良かったと思いました。

    さて、朝食を終えて私はいよいよやることがありません。

    ダンカンさんはとても協力的な方だとは伺っているので私の依頼の対応は進めてはくださっているとは思うのですが、一度直接伺って話をした方が何か進展があるかもしれないと思い、キャンプ場のロッジの空き状態を聞いてみます。

    私:「明日の夜からそちらのキャンプ場に滞在したいと思うのですが実はテントを持っていません。ロッジの方に滞在することは可能でしょうか?」

    ダンカンさん:「申し訳ない。今ロッジは満室なんだ。こちらで軍用のテントとその中にマットレスを用意するからそっちでもよければ滞在してもらうことは可能だけれどもそれでも良いかい?」

    私:「はい。それは大丈夫ですがロッジが空き次第、そちらに移らせていただきたいです」

    ダンカンさん:「申し訳ない。今、長期のお客さんがロッジを予約してしまっていて最低でも1週間は空かない予定なんだよ。」

    私:「わかりました。大丈夫です。問題無いですので明日の夜から滞在させてください。」

    テントとマットレスを用意していただけるのであればだいぶありがたいです。今の居心地のいい宿を離れるのはもったいない気もするのですがダンカンさんのところに行けば、他のライダーや車での旅行者にも会えると思うのでそれはそれで良いかなと思い、明日の夜からダンカンさんのキャンプ場に移動することに決めました。

    先週の金曜日にケープタウンに到着して、早ければ昨日の火曜日には日本に帰国することができるかと思っていたのですがなかなか思い通りにいかないですね…。

    むしろここまでがうまく行きすぎだったとも思うのですが、もう帰国するくらいの気持ちでいたのが長引くとメンタル的には嫌ですね…。

    はやくおうち帰りたい(泣)

    Facebook にシェア
    Pocket

  • ケープペンギンと喜望峰

    Facebook にシェア
    Pocket

    2022年9月6日(火)2回目東京出発33日目、この旅トータル318日目 南アフリカ8日目 ケープタウン 走行150km

    ケープタウンは久しぶりにスッキリとした快晴です。

    ダンカンさんからは月曜日には返事がありませんでしたが、今日は先週末に行こうと思っていたケープペンギンのいる海岸と喜望峰まで行くことにしました。

    今滞在している宿から喜望峰までは70kmオーバーと思ったよりも距離があります。
    距離は良いのですが、街中のバイクでの走行は車が多く、また道を確認しながら走らないとならないのであまり好きではありません。

    宿から40kmほどの地点のケープペンギンのいる海岸に到着したのはちょうどお昼過ぎくらいの時間でした。

    完全に観光地化されていてお土産物屋さんが並びます。

    駐車場の警備をしているカーネルサンダースのような白人のおじさんは私に声をかけてくれます。

    おじさん:「バイク、そこに停めて大丈夫だよ。私が見ているから大丈夫だ」

    私:「ありがとうございます!」

    おじさん:「シェーシェ」

    やっぱりアジア人の私は中国人に思われるようです。

    しかし、お土産物屋の黒人のお兄さんは「コンニチワ。日本人かい?」と声を掛けてきました。
    南アフリカなら私の知人でも仕事で済んでいた人もいますし、日本人が訪れることもそこそこあるのでしょう。

    駐車場から数百メートル歩いて行き、240ランド(約1,900円)支払いケープペンギンのいる海岸に入ります。

    遊歩道を歩いて行きます。
    すると大変太った黒人の女性二人組が「ワーォ、ソー、キュート~」ってとろけそうな声を出しています。

    本当にペンギンは素敵ですね。そこにいる誰もが笑顔になります。
    見た目が可愛いというだけでみんなに愛されてずるいとは思うのですが、私もこんな風にいるだけでみんなを幸せにできるような存在になりたいと思うのです。
    しかし、そのためには私も変わらないとダメですね。面白いだろうと思って敢えて不謹慎なことや下ネタを言うのはやめようと思います…(なので、何かあったときに「ヒデさん、出番ですよ。ここで一発かましてください」って目でみるのは今後はやめてください)

    十分にペンギンさんたちに癒されてここで考えます。
    私のテネレさんはすでにエンジンオイルを換えるタイミングを過ぎてしまっていて、リアタイヤもかなりギリギリの状態になっています。
    あとは日本に送り返すだけなのでギリギリまで引っ張っています。またガソリンももほとんど空の状態です。

    とかなにかいろいろ言っていますが正直喜望峰まで行くのがめんどくさいのです。

    でも、時間もあるしなー…、ということで喜望峰まで行くことにしました。

    私は喜望峰って単に岬があるだけかと思っていました。
    しかし、喜望峰はテーブルマウンテン国立公園の中にあるようです。

    しかもこの国立公園が大変綺麗なのです。

    ケープペンギンのいる海岸のあたりの道も大変美しく、ちょうど日本の湘南から箱根を経て伊豆に向かう国道1号線のような雰囲気だったのですが、テーブルマウンテン国立公園内はヨーロッパのアルプスを走っているようです。
    その中に大きなダチョウがいます。私がバイクで走っていると道端にいたダチョウは驚いたらしく、私のテネレさんと並走してすぐ横を走ります。

    これには流石に興奮しました。

    そして喜望峰に到着すると人がたくさんいましたが、それでも大変美しい場所だと思いました。

    喜望峰はアフリカ大陸の最南端というわけでは無いのですが、当初最終目的地にしていた場所です。途中コロナにより2年間のブランクがあったため、ここまで来たという感慨は多少そがれてはしまっていますが、それを差し置いても大変美しい場所であり、ここまで来て良かったと思うのでした。

    喜望峰には「Cape of Good Hope」の看板が書かれている場所のすぐ裏に登れる山があり、そこから絶景を見渡すことができます。
    丸太の階段が設置はされてはいるのですが結構角度もきついため、登っている人はここに来ている人の3割にも満たないでしょうか?

    当然私は登ります。
    しかし、最近運動をしていなかったとはいえこんなにも疲れるものかと思います。頂上に登ることには息が切れてしまっていました。

    高い場所から水平線を見ると地球て本当に丸いのだなと実感します。
    知識として知ってはいるけれども、普段意識しないことを意識するというだけでも旅をするというのは人生に彩を与えてくれると思いました。

    しかし、このごくごく大したことのない小登山が予想以上に私を疲れさせたようです。
    宿に戻る途中も渋滞に巻き込まれ、宿に戻ることにはへとへとになっていました。

    普段は夜ごはんは軽く済ませるのですが、この日はあまりにもお腹が空いていたので近所のステーキ屋に行くことにしました。

    お店の外にメニューが置かれていて、そこまで高いお店ではない(ステーキ300g1,700円程度。ワインもボトルで1,500円程度)のですが、お客さんたちは大変綺麗な身なりをしているので、入るのに躊躇います。ドレスコードに引っかかって追い出されたらさすがに凹みます。

    しかし、中の従業員と目が合って「どうぞ」という仕草をしたので思い切って中に入ることにしました。

    300gのステーキとワインを注文し、食事をしていると、このお店のオーナーらしき白人男性がやってきて声をかけてきました。

    オーナー:「どちらの国からのお客様だい?」

    私:「日本からです」

    オーナー:「日本かい?そりゃ、こんなお店の食事は安くて仕方ないんじゃないか?どんどん食べると良い」

    と言います。海外に行けば行くほど日本はすでにお金持ちの国ではないと認識しますが、それでも日本人は金持ちだと思っている外国人は未だに多くいます(というか、日本人でも日本人は金持ちだと未だに思っている人はたくさんいるでしょうが)。

    経済的発展はその国に暮らす人に安心を与え、とても大切なことでもありますが、それと同時に先人たちが作り上げて私たちにつないでくれたように、いえ、それ以上に日本をいい国にして次の世代につなげていきたいと思うのでした。

    Facebook にシェア
    Pocket

  • 私、日本に帰るんです

    Facebook にシェア
    Pocket

    2022年9月5日(月)2回目東京出発32日目、この旅トータル317日目 南アフリカ7日目 ケープタウン 走行20km

    朝食の席に着いた時には晴れていたのですが、気づくと外は大雨になっています。

    こりゃ、今日も一日籠城かなーなんて考えていると雨は止んできました。
    しかしまた気づくとザンザン降り。

    なんとも難しい天気です。

    午後になり晴れ間も見えてきたので、この隙に買い物に行こうと決意します。
    私はこの旅ではずっとバイクに荷物を積んでいましたが、帰国となればキャリーケースを買ってそれに荷物を詰めて帰ろうと思っていたので、ちょうどいい機会です。

    別に単に日本に帰るためだけなら今使っているリュックだけで十分なのですが、今回、2年以上放置したテネレさんの状態がわからなかったため、少し多めにテネレさんのパーツを日本から持って行っていました。

    本当ならバイクと一緒にそれらのパーツも船便で送りたいところなのですが、出国時に日本の税関に提出しているインボイスに記載のないパーツが積み荷にあると、それに対しても関税をかけられたり、持ち込めなかったりすることがあるようです。少し高めのパーツもありますし、いちいち面倒です。

    明らかにパッケージも日本語なのですが、私はこの旅を通して日本のこういった機関で働く人は一切の信用をしなくなりました。
    言わなくてもわかるようなレベルのことでも、言っても機械的にしか判断しないので手間ではありますが自分の手荷物で再度持ち帰ることにします。

    これは何も役所で働く人に限らないのでしょうが、日本人はすべてにおいて自分の責任になるかもしれないことは自分では絶対に判断はくださず、マニュアル通りの対応しかしない人が多いのは、普段仕事をしていて民間企業の人とやり取りをしていても感じます。

    その厳格さが今の日本の強さを作った一方で、日本経済の衰退を招いているのは事実だと思います。

    責任から逃げ続ける人が組織の上に立つような仕組みになっている以上、日本の未来は暗いとしか言いようがありません。

    宿から10キロほどのところにケープタウンの中心的なウォーターフロントと呼ばれる地域があります。
    東京でいう所の表参道や銀座のような場所でしょうか?

    海沿いをバイクで走るのですが、大変綺麗に整備され、治安も良さそうです。ただし、少し裏に入るとホームレスのテントがあるので、そのあたりはやはり少し怖いと感じます。

    ウォーターフロントにあるショッピングモールに行くと、すぐに旅行鞄のお店を発見します。
    予想以上に高いです。
    海外で買い物をすると日本の物価の安さをひしひしと感じます。サイズ的には小さいけれども必要なもの以外みんな捨ててしまえば入りそうなので2万円ほどのキャリーケースを買うことにしました(これが一番安かった)。

    女性店員:「3か月間の保証が付きますので何かあればお持ちくださいね」

    私:「近々日本に帰国するんですよー」(ニコニコ)

    女性店員:「あら、素敵ですね。気を付けてお帰りくださいね」

    宿に戻るとパニアケースとリアバッグに入っている荷物をすべて取り出し、持ち帰るもの、捨てるもの、バッグのスペースに余裕があれば持ち帰るものに分けていきます。

    ファスナーの壊れてしまったテントはすでに処分してしまっているのでキャンプ関係のものは一気に処分できます。
    その他一部のメンテンナンス用のバイク用品も処分できたのでだいぶ身軽になりました。

    そんなこんなをしていると宿に一台の車がやってきました。
    白人の母娘です。

    ジュリアロバーツのように素敵に年齢を重ねたお母さんと、ニコニコと大変愛嬌のある大学生くらいの娘さんです。
    どうやら娘さんの夏休みを利用しての二人旅のようです。

    ドイツから来たというこの親子。
    ドイツは今の時期は大変暑いので、南アフリカに来て寒いから大変だわと言います。

    娘さんはあまり外出するのが好きではないようなのですが、今回はお母さんが無理やり旅行に駆り出したようです。
    私も今は帰国する予定がうまく進まずテンションだだ下がっている状態なのでせっかく外に出た娘さんのテンションを下げないように気を付けないとと思います。

    この母娘は本当は南アフリカではなく日本への旅行を検討していたとのことです。でも、日本への旅行は予想以上に費用が高かったため(ヨーロッパからですと距離があるので飛行機代が高いのでしょう)今回は南アフリカにしたということでした。

    大人しい雰囲気の娘さんとは対照的に、社交的でいろいろな人に積極的に話しかけるお母さん。
    この母娘が来てから急に宿の雰囲気がパッと明るくなりました。

    私もぐずぐず引きこもっていないで外に出ようと思いました。

    Facebook にシェア
    Pocket

  • 初めての雨

    Facebook にシェア
    Pocket

    2022年9月4日(日)2回目東京出発31日目、この旅トータル316日目 南アフリカ6日目 ケープタウン 走行なし

    アフリカンオーバーランダーのダンカンさんより日本への輸送の手伝いをしてくださるとのお返事をいただいたことで、だいぶ気持ち的にも楽になったので、もともと行こうと思っていたケープペンギンのいる海岸と喜望峰に行こうと思ったのですが、この日は生憎の雨だったので外に出ることはしませんでした。

    今回の旅で雨に降られたのは実はこの日が初めてでした。日本で準備をしているときも現地が雨季が始まる前になんとか出発したかったというのもあったので、その選択は改めて本当に良かったと思います。

    しかも、ケープタウンのこの時期の最低気温は5℃~7℃程度。日中でも10℃台なので雨が降ったらそれだけでテンションが下がります。

    夕方、宿のリビングでコーヒーを沸かしてゆっくりしているとドイツからの旅行者というご年配のご夫婦と、同じくドイツ出身で9年ほど前からスイスのチューリッヒに住んでいるという私と同年代位の女性バックパッカーがやってきました。

    ご婦人:「今日、喜望峰に行ってきたけど、スゴイ雨と霧で何も見えなかったわ」

    バックパッカー:「それは残念でしたね。実は私は南アフリカは3回目なの。天気のいい時に行った写真持っていますよ。」

    ご婦人:「あら、じゃ、この写真、私に送ってもらって、こんなに綺麗だったって帰ったらこの写真をみんなに見せようかしら」

    そんな風な会話をして笑っています。

    この天気ですと寒い上に霧も出ているのでは行くのに躊躇してしまいます。
    明日も雨予報とのことなのでどうしようかと考えます。

    ダンカンさんからの返事が来るまではこちらも動きようがないので、ゆっくりするしかないですかねー…。

    Facebook にシェア
    Pocket

  • 一縷の望みにかけて

    Facebook にシェア
    Pocket

    2022年9月3日(土)2回目東京出発30日目、この旅トータル315日目 南アフリカ5日目 ケープタウン 走行なし

    カルネが無いということで船会社から日本への輸送が拒否されてしまいました。

    船会社としても税関を通せないということで手続き上仕方のないことでしょう。
    もう週明けにはバイクを引き渡し日本に帰国できるものだと思っていたので大変がっかりしました。思わず日本の仲間たちに愚痴ってしまいます。

    日本を離れた後にこうなってしまった以上、自分でなんとかするしかないのですが誰かに言わずにはいられませんでした。

    日本の仲間たちもいろいと考えてくださいます。

    私としては船会社が税関を通せないと言うなら、週明けに直接ケープタウンにある税関を訪問して、状況を説明し、なんとかカルネに代わる書類を発行してもらえないか話にいこうとは考えてはいるのですが、日本で対応しなかったものをなぜ南アフリカが尻ぬぐいしなければならないという話なので、それをしたところで何か話が前に進むとも考えにくくはあるのですが、考えられることはすべてやろうと考えました。

    一方で日本の仲間に愚痴っているのと並行して、Facebookのとあるグループに知恵を貸して欲しいと質問も投げていました。

    ヨーロッパ人はキャンピングカーやバイクでアフリカを旅行する人が多いので、そのような人たちが作ったコミュニティがあります。

    「カルネを持っていないのですが、南アフリカから自国にバイクを送り返す方法をご存じの方はいませんでしょうか?そのようなことをしてくださる船会社や貿易会社を知っている方がいたら教えてください」

    すると何人かからこんな返信をいただきました。

    「南アフリカは船でバイクを持ち込むときはカルネは必要だけれども持ち出す場合は必要ないはず」

    これは確かにそうなんですよね。持ち込みの際には自国の産業を守るために密輸入を防ぐためカルネが必要と言う理由はわかるのですが、持ち出す時に南アフリカの税関にてカルネが必要だというのはいかがなものだろうかと考えていました。なので私も入国さえできればどうにでもなるものだと思っていたので船会社でできないと言われたときは余計ショックが大きかったのです。

    しかし、上記の情報が正しいとしても船会社が対応してくれないのであればその情報には意味を持ちません。
    どうにかならないかと思います。

    中には私がアジア人だからなのか辛辣なコメントをしてくる人もいました。

    「お前のようなクソ野郎はどこに行こうが無駄だ!みんなお前のことは認識したぞ!名前も恥も晒しやがって!」

    そんなに私は悪いことをしているのでしょうか?中にはそのコメントに良いねを付けている人もいます。
    SNSでこのような罵声を浴びせられたことは無かったのですが、自分がやられると嫌なものですね。
    芸能人など常にこのようなコメントに晒されているのを考えると、彼(女)らのメンタルの強さに頭が下がる思いです。

    本来なら土日はゆっくりケープタウンを観光しようと思っていたのですが、こちらの目途が付かないとそんな気持ちにもなれません。
    私のメンタルはガラスのようにもろく繊細です。

    宿でダラダラと時間を過ごしていると先ほどのFacebookのグループにとある返信が来ました。

    「アフリカンオーバーランダーのダンカンなら助けてくれるはず。俺も彼にお願いしてカルネなしで自国にバイクを送り返したぞ」

    なんということでしょうか?!
    調べて見るとアフリカンオーバーランダーというのはケープタウンにあるキャンプ場兼旅行代理店で、陸路で車やバイクで旅をする人たちをサポートしているようです。

    さっそくそのダンカンさんという方に連絡を試みます。
    するとすぐに返事がありました。

    ダンカンさん:「カルネなしでも問題ない。TIPは持っていますか?」

    私:「TIPとはなんでしょうか?」

    ダンカンさん:「Temporary Import Permissionです」

    確かにTIPってどこかで聞いたことがありました。しかしTIPだとさすがに検索しても別の意味での結果ばかりが出てきてしまうため調べることを怠っていたのです。カルネが無い人に対して、南アフリカ独自で一時輸入許可証を発行しているのでしょう。カルネ対象国では無い国では基本的にはその国で発行する一時輸入許可証を入国時に税関で発行してもらうのはいつものことでした。

    しかし、今回南アフリカに入国する際にはカルネが無いことで税関で止められるのを嫌い、税関を通さずに入国してしまっていたのです(というか、念のためイミグレーションで税関に行く必要はあるか?と聞いても必要ないと言われていたのでそのまま通過してしまったのですが)

    私:「持っていないです。それはケープタウンの税関で取得することはできますでしょうか?」

    ダンカンさん:「いや、国境でしか発行してもらえない。でもこちらで処理するので大丈夫です。東京までの輸送の見積もりを出せばいいですか?」

    なんて頼もしいのでしょう!
    最悪南アフリカから東側を北上して別のどこかの国から日本に輸送をすることを考えないとダメかと思っていたので本当にありがたいことです。

    見積もりの作成は週明け以降になるということでしたのでそれまではどうにもならないのは確かですが、新たな可能性を見いだせたことはとてもありがたいことでした。

    なんとかこれでうまくいくことを願うばかりです。

    Facebook にシェア
    Pocket

  • なんだって?!バイクが日本に送れない?!

    Facebook にシェア
    Pocket

    2022年9月2日(金)2回目東京出発29日目、この旅トータル314日目 南アフリカ4日目 クラバー~ケープタウン 走行距離330km

    遂に私の旅において長距離のライディングはこの日が最後となります。
    本当にいろいろなことがありました。たくさんの人に助けられて、ときには嫌なこともあり、笑って泣いて怒って喜んで…。

    あー、やっぱりこういう気持ちになるんですね。今、この瞬間を噛み締めながら走ろう。ただただそう思いながら最後のライディングを楽しみます。

    クラバーからケープタウンまでの道のりも大変綺麗な景色が続いていましたが、ケープタウンに近づくにつれ、雰囲気はヨーロッパの大都会の様相を呈してきました。

    午後2時半頃ケープタウンに到着しました。

    この日は金曜日のため、週明けに事前に連絡を取っていた船会社に訪問しようと思っていたのですが、少し早い時間に到着したので、この日に一度顔を出して、事前にやるべきことを確認し、月曜日に一気に手続きを進めようと考えました。

    船会社に到着すると、初め、年配の白人女性が対応してくださったのですが、事前に私がメールでこちらの会社の方とやり取りをしていたのはご存じなかったようで、電話で確認してくださいます。

    すると今度は私より少し年長と思われる白人の男性がやってきて対応してくださいました。私が「日本から来たバイク乗りの…」と言うと、すぐに認識してくださり話をしてくださいます。

    私:「週明けに伺うと伝えていたのですが、手続きをするために何をすべきが事前に確認させていただいて、月曜日にスムーズに手続きができるようにしたく本日伺わせていただきました」

    担当者:「そうですか?まずあなたのバイクを見せてもらって良いですか?」

    そう言うと表に出て私のテネレさんを確認します・

    担当者:「輸送の際にはできる限りガソリンを抜いてください。そして輸送費は容積で決まりますので、フロントシールドとハンドルを外して、パニアケースは外すようにしてください。あとは必要書類なのですが、カルネはお持ちですか?」

    え?!持ち出す際にやっぱりカルネが必要になるの!!
    困った…。

    私:「カルネ、必要なんですか?すみません。私はカルネを持っていないのです」

    担当者:「…。カルネは必要です。輸送するときに税関を通さないといけないので。本当に持っていないのですか?どうやって国境を越えてきたのですか?」

    私:「特に国境では何も言われませんでした。国境でも税関に行く必要はあるか確認したのですがその必要は無いと言われて…」

    担当者:「そんなことは無いと思うのですが、困りましたね…。カルネが無ければこちらとしても対応できないのですよ」

    私:「どうにもならないでしょうか?」

    担当者:「どうにもできないです」

    私:「実は古いカルネならあるのです。2年前にパンデミックのために緊急で帰国せざるを得なくなり、先月再度アフリカに戻ってきました。日本でカルネを更新しようと手続きをしたのですが、日本国内の独自のルールで2年ごとに車両のメンテナンスチェックをしないとならなく、そのチェックがされていない車両に対してはカルネの発行はできないと拒否されてしまったのです…。日本でカルネを発行してもらうのは、日本という国を考えると不可能に近いのです」

    担当者:「この古いカルネではどうにもできないでしょう。本来なら入国時に国境にてカルネに一時輸入許可のスタンプをカルネにもらって、こちらから輸送する際に輸出の手続きをしたというスタンプを税関にもらわないと手続きができないのです。もう一度国境に戻ってスタンプをもらってくればなんとかなるかもしれませんが、このカルネは有効期限が切れてしまっているので恐らくそれもできないのではないでしょうか?」

    せっかくここまで来たのになんということでしょう…。
    本当にどうにもならないのでしょうか…。

    もし本当にそうだとすると八方塞がりになる可能性があります。
    アフリカは税関処理が厳しかったのでヨーロッパに戻れればなんとかなるかもしれません。しかしそのためには来た道を再度北上するか、東側のルートを北上するしか道がありません。

    来た道を戻るのはかなりの時間を要するのとあまりにも道が険しすぎます。それにどちらのルートを行くにしてもそもそもカルネが無い時点で入国を拒否される国があります…。日本でカルネを発行してもらえない限りどうにもできないのですが、あの陸運局の対応からして何を言おうと覆りそうにありません。交渉するどころか人格否定に近い対応でした。

    かといってこのままバイクを海外に置きっぱなしにするのは後々問題に発展する可能性があります。
    あくまでも私たちツーリストは一時輸出一時輸入という形で必ず日本に持ち帰るという約束で海外にバイクを持ち込んでいるのです。

    すでに金曜日の夕方になりこれ以上のことはここでは何もできないでしょう。

    この船会社のご担当者も親身に話は聞いてくださいます。
    もし国境に戻って古いカルネにスタンプをもらうとしたら、その際には電話をくれればこの担当者からも話をしてくださるとは言ってくれています。

    まず、本当にどうにもならないのか?
    もう一度冷静になって、何か方法が無いのか考えることも必要でしょう。カルネなしでも南アフリカにバイクを持ち込んでいる人はいるので、カルネなしで南アフリカからバイクを輸送した人は本当にいないのか?土日を使って情報収集をすることもやる価値はあるでしょう。

    本当に困りました。正直どうなってしまうのか不安です。ここまで来て…

    Facebook にシェア
    Pocket

  • ただひたすら走る それも大好きだな

    Facebook にシェア
    Pocket

    2022年9月1日(木)2回目東京出発28日目、この旅トータル313日目 南アフリカ3日目 オーグラビーズ~クラバー 走行距離640km

    もう私にとって今回の旅はあとは最終目的地のケープタウンを目指すだけです。ここオーグラビーズから先には特に見るべきものも無いためひたすらにケープタウンを目指して走るだけです。

    オーグラビーズからケープタウンまでの間にも目ぼしい大きな街もないため宿を見つけることができるかの一抹の不安を残し出発しました。

    しかし、南アフリカは予想以上に景色の美しい国です。緯度的に南北の違いはあれどヨーロッパに近いのでしょう。スイスなどの田舎を彷彿とさせるような山間部に花畑の広がる大変美しい景色が延々と続きます。

    この日は移動だけが目的でその他には何もないのですが、私にとってはそれだけでも大変楽しいです。

    しかしスプリングボックでは宿のおばちゃんに夜は大変治安が悪いと言われたのであまり遅くならないうちに宿を見つけたいところです。
    (アンゴラでもジョージさんにナミビアは良いけど南アフリカは夜間は走行しないようにとの注意を受けていました)

    夕方16時頃、大きく新しいガソリンスタンドを見つけ、落ち着いた雰囲気のクラバーという町に到着しました。調べたところ宿もいくつかあるようです。
    町はずれに、建物は古いけれども大変手入れが行き届いており、すごく丁寧な接客をしてくれる白人男性が営む宿を見つけました。

    さて明日はいよいよこの旅の最終目的地であるケープタウンを目指します。

    トータル10か月、足掛け3年を要したこの旅もいよいよ終わりを迎えようとしています。
    ケープタウンに到着した時、私は何を感じるのでしょうか?それは行ってみないことにはわかりません。

    実はこの日、洋介さんからデンマークで「事故に遭った」という連絡が届いていました。
    交差点で後ろから追突されたようです。幸い大きな怪我はなく、愛車のモンキーにもほとんどダメージは無かったようですが、携行しているバッグやテントなどに穴があいてしまったようです。

    このような事故は自分がいくら注意していたところで完全に防ぐのは難しいものではありますが、私の旅もあと少し。とにかく安全運転で最後まで気を抜くことなく無事に日本に帰国できるようにしようと気を引き締めるのでした。

    それにしても洋介さんに大きな怪我がなく本当に良かったです。また、この日はカザフスタンのアルマトイで出会ったデンマーク人のブライアン宅にお世話になる予定だったようで、事故の対応もブライアンが手伝ってくれたようです。

    Facebook にシェア
    Pocket

  • オーグラビーズの滝

    Facebook にシェア
    Pocket

    2022年8月31日(水)2回目東京出発27日目、この旅トータル312日目 南アフリカ2日目 スプリングボック 走行距離340km

    朝、自炊するためにクッカーを取りにテネレさんの所に行くために外に出ました。
    昨日に引き続きすごい風です。BMW GS1200が4台ほど停まっています。同じ宿の棟に泊まっているのは確かなので少し話をしたいとは思うのですが、まずは朝の支度が先なので部屋に戻ります。

    朝食の片づけをしているとバイクのエンジンを暖気している音が聞こえてきます。

    クッカーをパニアケースに仕舞いにテネレさんの所に戻ると、何人かの黒人ライダーが出発の準備をしていました。
    そのうちの一人が話しかけてきます。

    黒人ライダー:「俺はウガンダ出身だ。たくさんの国を回って来たぜ!ウガンダはもちろんモザンビークにボツワナにタンザニア、マラウイ…。とにかくたくさんだ。お前はどこから来たんだ?」

    私:「私は日本から来ました」

    黒人ライダー:「ん?日本?飛行機で来たのか?」

    私:「いえ。バイクで来ました」

    黒人ライダー:「…。ってことは、世界中を旅しているのか…?」
    そう言うとすごく寂しそうな目で私を見つめてきました。
    どうやら彼にとってはたくさんの国をバイクで旅しているというのが自慢なようです。そこにご自身よりも広い範囲を旅してきた私に出会って彼の自尊心が打ち砕かれてしまったのかもしれません。
    私の中で差別的な意識はないつもりなのですが、黒人の方のこういう悲しそうな顔を見ると切ない気持ちになってしまいます。

    別にそんなつもりではなかったのですがとても申し訳ない気持ちになってしまいました。私からしたらタンザニアもモザンビークもボツワナも是非回ってみたい国で、彼の旅はとても素敵なものだと思いますし、私なんてへなちょこライダーなのでそんな悲しい顔する必要なんて全くないのですが…。

    黒人ライダー:「日本は世界一のバイクの国だ。お前のバイクはテネレ660だな。良いバイクだ。本当に良いバイクだ」

    そうなんです。テネレさんは旅バイクとしては世界一のバイクです。私の旅がへなちょこだったとしてもテネレさんが世界一の旅バイクであることは間違いないと私は思っています。彼らの乗るBMW GS1200は確かに高級車であり、旅をする人にとっては憧れのバイクかもしれせんが、性能面、メンテナンス性、頑丈さ、すべてにおいて私はテネレさんの方が勝っていると思っています。そもそも私の体格ではBMW GSは大きすぎて扱えませんし…。

    海外に行けば日本車に憧れるライダーもたくさんいます。カザフのライダースクラブの方は私のテネレさんを見て「このバイクは私の夢なんだ!いつか同じバイクで世界を回ってみたい」って言っていました。小さな島国である日本のメーカーが努力を重ねて4大メーカー(HONDA、YAMAHA、SUZUKI、KAWASAKI)と呼ばれるほどのバイクメーカーを生み出したにも関わらず、国内では規制規制規制で良いバイクが作れなくなり衰退の道を歩んでいます。一方で海外メーカー、特にヨーロッパでは自国のメーカーに有利な法律の中で最近では日本車よりもいいバイクをたくさん作っています。

    これはバイクに限った話ではありません。約20年前くらいまでは日本のラジコン飛行機の技術力は圧倒的に世界一だったにも関わらず、数年前から今後の技術して注目を浴びているドローンの飛行をほとんどの場所で規制をかけてしまい、ドローン技術は今では東南アジア諸国にすら負けてしまっていると言われています。

    海外では日本製のバイクに乗っているというだけで声を掛けられ、多くの人がそのことについて楽しそうに目を輝かせるのに、その誇るべき技術を持っている日本人が自らの手でどんどん衰退させてしまっていることを悲しく思います。

    明るい黒人ライダーたちに別れを告げ、私はこの日、ここスプリングボックから東に300kmほどのところにあるオーグラビーズの滝を目指すことにしました。

    この日もスプリングボックは強風が吹き荒れています。とにかく横風がきつく、気を抜くと反対車線に飛ばされてしまうので最新の注意を払って運転をします。また、途中どんどん気温も下がっていき、冬の装備でバイクに乗っていても寒いです。
    途中のガソリンスタンドで休憩を入れ、ガソリンスタンドの店員のおばちゃんに「寒いですね」というと、「うーん!本当にすごく寒い」と言います。

    ここから更に東に進むと標高が上がっていきそうなので寒くなるかと思っていたらむしろ基本はどんどん上がって行きました。
    このあたりの地域は農村地帯で、ロシアの東側を走った頃のようにコバエが飛び交い、テネレさんのフロントシールドやパニアケースがコバエの死骸でベタベタになります。町を歩く人たちもうちわのようなものを手に持ち、顔の前のコバエを払いながら歩いています。

    昨日、イタリア人カップルのロスさんとマリーさんに教えてもらった宿に到着するころには気温もかなり高く暑いです。
    このように1日の中で何度も寒いのと暑いのを繰り返すことが非常に疲労感を感じさせます。

    宿に到着し、少しゆっくりしようと思い、最初から2泊したいと宿の人に伝えたところ、部屋は2泊分確保してくれたのですが、とりあえず支払いは一泊分だけにしておいて、キャンセルしたくなったらそうしやすいようにと配慮してくださいました。
    きっとこの場所にはオーグラビーズの滝しかないため2泊もする必要はないのではないか?と宿の方も考えてくださったのかもしれません。

    荷物をバイクから降ろして少しだけ休憩を取ると、まだ時間もあるので早速オーグラビーズの滝に行くことにしました。
    オーグラビーズの滝は宿から10kmほどの距離なのですぐに行けます。

    オーグラビーズの滝も先日ナミビアで訪問したフィッシュリバーキャニオンのようにほとんど手つかずの場所かと思っていたら、立派な門や博物館が併設された国立公園の中にありました。

    入り口で240南アフリカランド(約1900円)を支払い中に入ります。滝までも遊歩道が設置され完全なる観光地となっています。数百メートル遊歩道を歩いて行き、オーグラビーズの滝を目の前にすると確かに大きな滝ではあります。しかしかと言ってわざわざここまで来て見る価値のあるものかと言われるとどうだろうかと首をかしげる程度のものでした。再度受付に引き返して入り口の所にあるこの滝の紹介の写真を見ると、雨季にはかなりの水量になって大迫力なのだろう写真が掲載されていました。残念ながら今の季節は乾季のためイマイチ迫力に欠けるようでした。

    宿に戻る道すがら、やはり宿の方が提案してくださったようにここに2泊するのではなく、明日には先を目指すことにしました。本当にここには滝以外何もなく、携帯の電波も届かないうえに宿にもwifiがありません。ゆっくりするにも本当にやることがないのでそういったことも含めて宿の方はキャンセルしやすいようにしてくださったのだと思います。

    うーん、果たして1日かけて本当にここまで来る必要があったのだろうか?失敗したなーと思います。スプリングボックから真っ直ぐ南下していればこの日のうちにこの旅の終着点であるケープタウンに到着し、帰国の準備を開始できていました。しかしここオーグラビーズからですとケープタウンまで2日は必要です。それでもやっぱり行っておけば良かったなと思うよりかはマシだと思い気持ちを切り替えてこの日も早々に21時頃には就寝いたしました。

    Facebook にシェア
    Pocket