ロシア-モンゴル間の国境情報その1です。
ウラジオストクから出発してモンゴルのウランバートルを目指す方の多くは、キャフタ(ロシア側国境)-アルタンブラグ(モンゴル側国境)を通過する人が多いと思います。
その時の様子は「初めての国境越え!」というタイトルでも記事をあげています。
【手続】
■国境越えに要した時間
2時間半(ロシア側、モンゴル側トータルで)
国境に着くとたくさんのトラックが並んでいますが、バイクはその脇を通って前に出て良いそうです。私はすぐ隣のトラックの運転手がそのことを教えてくれたのでそのまま前に行きました。それを知らずに並んでしまって、国境越えに7時間かかったという人の話もききました
■国境10km手前地点
信号機があり、その隣に小さな建物があります。警棒を持ち軍服を着た職員がいるのでわかると思うのですが、ここでパスポートの提示が必要です。私は前のトラックが徐行して素通りしたのでそのまま停車せずに通過してしまいました。結局国境で戻るように言われてここまで戻ることになりました。
パスポートを見せるだけでドキュメント類の提出や受け取りはありません。
■通関、イミグレーション
建物がたくさんあってどこに行けば良いのかわかりにくいですが、国境に入ってそのままバイクでゆっくり進んで行くと、そのあたりにいる人がみんなで声を掛けてくれ、どこに行けば良いのかを教えてくれるのでどうにでもなると思います。声を掛けてくれる人たちが金銭の要求をしてくることも無いので安心して大丈夫です。
■荷物検査
ロシア側の通関処理が終わって建物から出てきたところを私は二人組の職員に荷物の中身を見せるように言われました。英語は通じませんでした。サイドケースの蓋やバッグのファスナーを開けるように言われますが、中身を掻きまわしてまで見るようなことはしません。上から覗くだけです。その際に薬の錠剤は持っているのかを聞かれましたが、風邪薬や正露丸、常備薬などを持っている人は素直に見せれば問題ないです。
たまたま私が声を掛けられただけで、全員が要求されるわけではないかもしれません。
■職員や斡旋業者の腐敗度
全くもってクリーンです。賄賂の要求など一切ありません。周りで国境越えをしようとしている人たちも大変親切でいろいろと助けてくれます。また、アフリカなどで多い国境手続きを助けてくれると言って声を掛けてくる人もいないのでここで金銭を要求されるようなことはないでしょう。
英語はほとんど通じませんが問題無いと思います。
ただ、モンゴル側の国境のパスポートコントロールで待っているときに声を掛けてきた職員に1USDの支払い(ルーブルでの支払いでも大丈夫だと思います)を要求されました。近くにいた他の職員に聞いても払うように言われたので必要なものだと判断しました。しかし言葉が通じず、何の費用なのか不明でした。
【モンゴル国境の外】
■モンゴル自動車保険
モンゴルの国境を出てすぐ左に自動車保険に加入します。ゲートが閉まっているので気づかずに通過してしまうということは無いと思います。ここで保険に加入しないとゲートも開けてくれないので強制加入になります。ルーブルでの支払いも可能です。
■simカード
そのゲートを抜けるとすぐ左手にモンゴルの通信業者(たしかMTCだったと思います)があるのでここでsimカードを買っておくと良いかもしれません。担当のお姉さんは英語は話せないと言っていましたが、それでも英語で話したら全然理解してくれました。
■アルタンブラグの宿
国境を出たすぐの町アルタンブラグには宿もいくつかあります。国境越えで時間がかかってしまった場合、ここからウランバートルまでは350kmほどですのでこの町に宿泊しても良いと思います。国境から100kmほど行った場所にダルハンという比較的大きな街もあるのですが、ここで安宿を探すのは大変そうです。アルタンブラグでは一泊20,000~25,000トゥグルグ(約800円~1,000円。モンゴルの宿の相場としては安い方です)程度で宿を見つけられました。ただしシャワーはありません。
■両替
バイクでモンゴルに入る人は、そのまま中国に抜けることはできないので、必ずロシアに戻る必要があります。両替を繰り返せば当然手数料分損をするので、この時点では両替はしない方が良いでしょう。モンゴル側の国境を出たところに両替商のおばちゃんたちがたむろしていて声を掛けてきますが断りましょう。モンゴルの通貨トゥグルグはアルタンブラグのATMで引き出し可能です。国境を出て500mほど直進した突き当りにATMがあります。
【その他】
一部の情報によると、チタより少し手前のボルジャという町から南下して別の国境からモンゴルに入る道もあるようなのですが、そちらの道は「一人では絶対に行くな」「雨が降ったら絶対に行くな」と言われるような大変な悪路だそうです。ただしこちらの国境は通過する人も少なく手続きも簡単ということです。オフロード走行に自信があり、アドベンチャーを目指す方はこちらのルートを選択するのも一つかもしれません。
キャフタ国境まではウランウデからそのままメイン道路を南下していけば到着しますので道に迷うこともないかと思います。また他の国を見ていると国境付近の道は悪路になることが多いのですが、この区間の道路は綺麗に整備されています。
ウラジオストクからウランウデまでは針葉樹林の広がる北の大地イメージそのままの景色が続きますが、ウランウデを南下して20kmほど走ると一気にモンゴルを彷彿させる景色に変わります。あまりにも景色がガラっと変わってしまうので驚いてしまいますが、数十キロおきに町もありガソリンの補給もできるので問題ありません。