• カテゴリー別アーカイブ 033_ガーナ
  • 日本人はみんないい人…

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    2月12日(水)東京出発248日目、ガーナ13日目、トーゴ1日目 アクラ~ロメ 走行距離205km

    長かったアクラ滞在を終えて遂にガーナを出国します。

    滞在日数も長かったこともあり、出発時には宿の従業員たちも笑顔で見送ってくれました。

    アクラから150kmほど走ると国境に到着しました。

    国境に到着すると知らないおじさんがこっちだこっちだ!と声をかけてきます。

    国境職員らしき人たちもあれについていけというようなことを言います。

    ついてこいと言っているおじさんたちは明らかに国境職員ではないでしょうが、我々にはどこに行けば良いのかわからないのでついていきます。

    ガーナの出国側の税関はどうやっても初めていく人にはわかりようがないです。ちょっとヒドイ作りです。

    このおじちゃんたちに頼ってしまった方が早そうなので後程お金をせびられることを覚悟でお願いすることにしました。
    ※本来ならちゃんとお金の交渉をしてからやるべきですね…。

    それにここに集まってきたおじさんたちは「日本人はみんな良い人だから助けてあげるよ」なんて言っています。
    私は不愉快でしかありません。

    こいつらの言う良い人はどうせ「お金をくれる良い人」なのです。そして何か言われても法外なお金を要求されてもピシャリと言い返すのではなくヘラヘラ笑って怒らない日本人を「良い人」と言っているのです。

    私は「良い人」なんて言われる必要はないと思っていますし、日本人は威厳があって誇り高い民族だ!と言われるほうがよっぽど大事だと思っています。

    まずは税関でカルネの処理なのですが建物も一つではなくカルネにスタンプを貰うとそのあとに別の建物に行きバイクの情報が記載された小さな紙きれをもらいます。

    こういうことも職員は何も教えてくれないのでわかりようがありません。

    しかし私がお願いしたおじさんの手際が悪いこと悪いこと…(*´Д`)

    そしてガーナ出国時に5,000CFA(約1,000円)のお金がかかると嘘を言ってきました。

    手数料だ!と言ってくるのであれば手伝ってもらった以上は支払うのですが、嘘をついたことに私は腹を立てます。

    私:「出国時にお金が必要なわけがないだろ!こっちはわかっているんだ!嘘をつくんじゃない!」

    おじさん:「嘘じゃない。本当に必要なんだ」

    私:「あなたは私を助けてくれたので手数料というならきちんと支払うさ!でもあなたは嘘を言っている。嘘を言うのならば払わないぞ!」

    おじさん:「そんなに怒るなよ。悪かったよ。5,000CFAくれないか?」

    腹は立ったのですが仕方なく5,000CFAをこの男に支払います。

    しかしガーナの出国手続きは煩雑です。そのあとにも体温を計って問診票を提出したりとイミグレーションでもやたらとやることがあります。もしこうした面倒な輩に頼る気が無いのであれば、事前にしっかりと調べて何をする必要があるのかを把握してから行った方が良いです。それをしても税関の建物は港の奥の方にあるため建物を探すのだけでも大変ですが…。

    今度はトーゴ側の入国手続きです。

    こちらはそれほど煩雑でもありません。私は事前にこのおじさんに「もうこれ以上のお金は払わないからな!手伝うならそれを理解しておけよ。」と言います。おじさんは「わかったわかった」と言うのですが、恐らくわかっていないでしょう。どうせこの後もお金をせびってくるのは目に見えています。

    トーゴ側での税関ではバイクの持ち込みに7,000CFAの関税がかかることは事前に調べて知っていたのですが、このおじさんは「関税が10,000CFAかかる」とまた嘘を言ってきました。

    私はまたこのおじさんが嘘をついたことに対して厳しく怒ります。

    私:「お前!いい加減にしろよ!俺はもうこれ以上お前にはお金は払わないと言ったし、ここの関税は7,000CFAだって知っているんだ!嘘をつくんじゃねぇ!」

    おじさん:「なんだってそんなに怒るんだよ。ここで俺とお前が口論してもお互い何も得はないじゃないか?そんなに怒るなよ。わかったよ。お前の言う通りここは7,000CFAだ。」

    そうしてカルネの処理が終わると今度はトーゴ側の税関の職員が賄賂の要求をしてきます。

    税関職員:「4,000CFAだ」

    私は頑として払う気はありません。無視を決め込みます。

    税関職員:「4,000CFAだ!今すぐ払え!払わないならカルネは返さないぞ!」

    私:「払いませんよ」

    税関職員:「なんだと!貴様どうなってもしらないぞ!」

    おじさん:「なぁなぁ、ここは払って丸く収めようぜ。そうすればすぐ手続きも終わるんだから」

    私:「払いませんよ。これ賄賂じゃないですか。私はそんなものは絶対に払いません」

    おじさん:「もう、仕方ないな。これで勘弁してもらえませんか…」といっておじさんは税関職員に2,000CFAを手渡すのですが、この税関職員は首を縦に振りません。そしてさらにおじさんが1,000CFAを渡すと仕方ないなと言った表情でカルネを返してくれました。

    私がおじさんに渡した手数料としてのお金は5,000CFAだったので、税関職員に3,000CFA取られてしまったのはかわいそうだとは思ったのですが、それはおじさんが勝手にやったことなので私の知ったことではありません。

    全ての手続きが終わると案の定おじさんは

    おじさん:「なあ、俺いろいろやってあげただろ。もう少しお金くれよ。税関職員にも取られちゃったしさ」

    と言ってくるのですが、

    私:「ガーナの国境を出たところで何度も言いましたよね。これ以上お金は絶対に払いませんよって」

    そういうとおじさんは私からお金を取れないとわかったようで、あろうことかリョウさんにお金をせびりに行きました。

    おじさん:「なあ、いくらかくれよ。俺いろいろやっただろ」

    冗談じゃありません!リョウさんはリョウさんで別の人にお願いしてすでにお金は払っているはずです。なんで関係ないおじさんにリョウさんがお金を払わないといけないのでしょうか?

    おじさん:「ならこうしよう。お前たち明日はベナンに行くんだろ。俺もベナンの国境に行ってそこでまた手伝うからな。だからお金くれよ」

    そう言われてもヘラヘラと笑っているリョウさん(もしかしたら笑っていたわけではなく、いつもにこやかな表情なので私にはそう見えただけかもしれませんが)の姿も更に私の怒りに火を注ぐ結果となりました。

    私はおじさんの肩口を突き飛ばして

    私:「てめぇ!いい加減にしろよ!なんで彼があんたにお金を払わないといけないんだ!彼は彼で既に他の人にお金を払っているだろ!」

    と怒りをぶつけました。

    それを見て慌ててリョウさんが私を止めに入ります。リョウさんもリョウさんではっきり断らないでヘラヘラ笑ってるんじゃないよ!って言いそうになりましたがそこはグッとこらえました。

    私に肩口を突かれたおじさんは驚いた表情で私を見つめています。

    私:「手続きは全部終わったんだ。終わりだ終わり。金は払わない」

    税関職員にお金を取られてしまったのはかわいそうだとは思うのですが、あれは賄賂です。あんなものを払うのがいけないのです。

    後味の悪さは感じましたが、我々はこのままこの日の目的地のトーゴの首都ロメを目指します。

    トーゴという国に私はほとんどなじみがなかったのですが、恐らくここも欧州人がリゾートとして使うのでしょう。海沿いの道やビーチがリゾートの雰囲気を伝えてくれます。

    ロメのビーチ

    宿に着いて荷物を部屋に運ぶと昼食兼夕食を宿のレストランで食べます。

    そしてここにもいました!

    なんだコノヤロー\(^_^)/

    なんだコノヤロー\(^_^)/

    私の大好きなレインボーアガマがここにもいました。

    昼間嫌なことがあったのですが(私が大人しく言われた通りのお金を払っていれば嫌な気持ちにもならなかったかもしれませんが、お金の問題じゃなくて嘘をついたり賄賂の要求などが私は許せないのです)、海を見ながらビールを飲んでレインボーアガマにも癒されました。

    宿の人に「夜、雨が降るかもしれないからバイクを屋根のあるところに移動した方がい良いわよ」と言われたのでバイクを移動しに行きました。

    すると我々のバイクのすぐ隣に、なんとYAMAHAのWR250fが停まっていました。ガソリンタンクもビッグタンクに換えられていましたので明らかに旅仕様になっています。

    この宿はドミトリー形式で建物が幾つもあるのでこのバイクのオーナーに出会うことは無いかなと思っていたのですが、部屋に戻ると同室にヘルメットなどを携えた白人がいました。

    私:「あなたもライダーですか?」

    白人:「そうだよ。君も?外にテネレとNC700が停めてあったけど…。」

    私:「そうですそうです。私のバイクはテネレです。そしてもう一人一緒に友人がいて、彼はNC700に乗っています」

    白人:「わぉ。そうなんだ。僕はドイツから来たんだけど、君はどこから?」

    私:「私は日本からです。」

    白人:「そうなんだ。僕はマックス。君の名前は?」

    私:「ヒデです。」

    そんな風に自己紹介を互いにして仲良くなりました。

    長身でイケメンのマックスは大変優しい雰囲気で少し話しただけで性格の良さが伺えます。

    ユーラシア大陸ではたくさんの大陸横断ライダーに出会ったのですが、ダカール以降で出会ったライダーは実はマックスが初めてでした。

    彼も我々のパーティに加わったらさぞ楽しいだろうなと思ったのですが、彼の今後の行程を聞くとベナンの次はナイジェリアに入るそうです。
    ナイジェリアビザの取得は第三国では絶望的だと聞いていたのですが、実はシエラレオネの首都フリータウンなら取れることもあるそうです。

    ただし、マックスはナイジェリアビザの取得に400USD(約44,000円)かかったと言っていました。

    現在ナイジェリアも決して情勢が安定しているわけでは無いのでくれぐれも気を付けて旅を続けて欲しいものです。

    そんな風にダカール以降で初めて出会ったライダー、マックスと仲良くなりこの日の夜は更けていくのでした。

    イケメンドイツ人ライダーのマックス\(^_^)/
    リョウさんのNC700にまたがって\(^_^)/
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  • アンゴラビザ…2

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    2月11日(火)東京出発247日目、ガーナ12日目 アクラ

    さてさて、昨日はアンゴラビザの受け取りに行ってもネットワーク障害のために手続きがまだ終わっていないということで受け取れませんでした。

    この日、言われていたように朝9時半過ぎにアンゴラ大使館に赴きました。

    この日も我々の先客が3人ほどいて私たちの姿を見るなり

    「日本からここまでバイクで来ただって?!」「南アフリカまで行くんだと?とんでも無い奴らだ」

    などなど言っています。

    彼らの手続きが終わると担当の女性が我々の名前を呼びました。

    手には我々のパスポートを持っています!!

    やった\(^_^)/

    有効期限は3か月。入国してから30日間のシングルビザです。

    足しげく通ったアンゴラ大使館を尋ねるのもこれで最後です。いろいろと面倒な手続きではありましたが、スタッフ全員とても優しく対応してくださり、嫌な気持ちになることはありませんでした。

    受付の愛嬌たっぷりの女性も、「おめでとうございます」と言って見送ってくれました。

    さて、アクラ滞在の目的はこのアンゴラビザの取得だったため、もう我々にはここにこれ以上滞在する理由もありません。西アフリカの中にありながら抜群に清潔で過ごしやすかったアクラを離れるのは名残惜しいですが、そんな軟弱なことを言っていたらこの旅は進みません。

    アンゴラ大使館のすぐ近くに先日お世話になったハーレーショップがあったので挨拶に行きます。

    またまた店員総出で出迎えてくれ歓待してくれます。

    我々ツーリストが買うようなものはこのお店には無いにも関わらず、こうやってみんなで優しく迎え入れてくれることに心から感謝です。

    みんなで記念撮影をして、一旦宿に戻ります。

    アクラのハーレーショップの皆さんと!
    本当に優しくしてくれました(>_<)

    時刻は11時。このまま荷物を整理して12時頃に出発したとしても、ガーナの国境を越えてすぐにあるトーゴの首都ロメには17時頃には到着できるでしょう。

    ここで日程を確認したところ、この日出発しないでも後の行程への影響はなさそうです。この先またカメルーンやコンゴ、コンゴ民主のビザ取りが待っているので、環境の良いここアクラにこの日もう一日滞在して、他の国のビザ申請について調べなおすことにしました。

    すると衝撃の事実がわかりました。

    我々はナイジェリア入国はハナから諦めているので、ベナンからは船でバイクを輸送する予定です。

    そして最初は治安面も考慮しナイジェリアの隣のカメルーンもスキップしてガボンにバイクを輸送しようと考えていました。しかしコンゴ民主のビザ取得がどうやらつい半年ほど前からベナンの首都コトヌーで取れなくなったようで、次に取れるのがカメルーンの首都ヤウンデということだったので(ガボン、コンゴでは取れないようです)、やっぱりカメルーンに行こうとリョウさんと話していたのです。

    カメルーンから直接コンゴに入国するルートを走った人はあまり聞いたことが無いことから私もそちらのルートに行くのはありだなと思っていたのと、最悪のマディ(泥道)が続くと言われているコンゴでも、カメルーンから入国した場合にはずっと舗装路を走れるということでリョウさんもそちらの方が良いと考えていたようです。

    しかしここに来てカメルーンへの陸路での入国も大変面倒なことがわかったのです。

    そもそもビザを取得する際には往復の航空券の予約が必要なようです。

    本当にもう!

    とは言ってもコトヌーからカメルーン行きの船があるかどうかもわからないですし、今ここで悩んでいても仕方ありません。

    まずはベナン最大の都市コトヌーに行って船探しをしないことにはそれ以降の予定も立てられません。

    だらだらと長い間滞在したガーナの首都アクラ。

    さぁてと、明日はトーゴに行くかぁ!

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  • アンゴラビザ…

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    2月10日(月)東京出発246日目、ガーナ11日目 アクラ

    結局私たちは先週の水曜日(2月5日)にアンゴラビザを申請し、最短で発行されると言われていた2月10日(月)までの間の4日間は何もすることもなく、ただただ宿でダラダラと過ごしていました。

    そして待ちに待ったアンゴラビザ発行の日です。

    本当に発行されるのでしょうか?

    申請が受理されたことからも、ここまで来て拒否されることもないだろうとは思うのですが、とにかくたくさんの書類の提出があったため、不備があれば再提出となり、再度待たなくてはならないでしょう。

    ドキドキしながらも午後2時、指定された時間にアンゴラ大使館に向かいます。

    宿からアンゴラ大使館まではほんの2kmほどなのですが、この日はこの区間で検問をしていました。

    検問ではパスポートの提示を求められるのが常です。

    我々のパスポートはビザ申請中のためアンゴラ大使館がホールドしています。

    当然念のためパスポートのコピーは持ち歩いていますが、変にイチャモン付けられたら嫌だなと思っていました。

    警察官:「おい、何でお前のナンバーはガーナ国内のものでは無いんだ!ガーナ国内のナンバーはどうした?!持ってないのか!?」

    私:「持っていません。」

    警察官:「持っていないだと!なんでだ!」

    私:「我々は日本からバイクでここまでやってきました。なので入国時に一時輸入の許可を取ってガーナ国内を走っています。そしてこれがその証明書になります」

    そういって私はカルネを取り出して説明しました。

    警察官:「なんだって!?日本からこれで来ただって!?とんでもねぇやつだな。おーい。ちょっとこっちに来てくれ。こいつら日本からここまでバイクで来たっていうクレイジー野郎だとよ!」

    そういってこの警察官は他の警察官を呼びました。

    二人ほど別の警察官がやってきて、私が提示したカルネを難しそうな顔をして見ていましたが、もう行って良いという風に促してくれました。

    こちらは正規の手続きを取っているので問題ないのはわかっているのですが、それでもこういうときはドキドキしてしまいます。

    アンゴラ大使館に到着すると、あの愛嬌たっぷりの受付の女性が満面の笑顔で迎えてくれます。

    ビザ申請をした建物に入ると大変混雑していました。

    我々が建物の中に入ると手続き処理をしてくれた女性が私たちの姿に気付き、ちょっと待っててという風に軽く右手を上げました。

    しばらく待っていると担当女性が窓口から出てきました。

    手ぶらです…。

    ビザが発行されているならパスポートを持っているはずです。

    落胆した私に彼女は言いました。

    担当女性:「ごめんなさい。あなたたちのビザはまだ発行されていません。ネットワーク障害があって本国での処理がまだできていないのです。明日もう一度きていただけますか?」

    私:「明日ですね。明日何時頃に来ればいいでしょうか?」

    担当女性:「そうですね。9時に…、いや10時かな。9時か10時くらいにはできてると思います。そのくらいの時間に来てください」

    私:「わかりました」

    うーむ。処理はしてくれていると言っていますが、最後まで気が抜けません。本当に明日できているのでしょうか?それでも我々にできることは何もないので明日まで待つしかありません。

    暑い中だらだらとここまでやってきたのに受け取りができなかったので余計に疲れました。

    帰りに入館カードを返しに受付によると愛嬌たっぷりの受付の女性が

    受付の女性:「どうでした?ビザは受け取れましたか?」

    と聞いてきました。

    私:「残念ながら…。明日の朝また来ます」

    そういうと残念そうな顔をして

    受付の女性:「そうですか」

    というのですが、すぐに笑顔になって

    受付の女性:「明日またお待ちしていますね」

    と言ってくれるのでした。

    本当に西アフリカは単にビザを取るための大使館巡りのような旅になっています。そしてコートジボワールのアビジャンあたりからは湿度も高くうだるような暑さの毎日です。

    私ももっと好奇心旺盛にビザ待ちの間にいろいろと動き回れば良いのですが、元来のナマケモノが邪魔をしてダラダラとよろしくない毎日を過ごす日々が続いているのでした。

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  • それって言う必要ないんじゃない?

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    2月7日(金)東京出発243日目、ガーナ8日目 アクラ

    私の中で言うべきなのか言わないべきなのかいつも迷っていることがありました。

    誰に迷惑をかけているわけもなく、私が勝手に気にしているだけのことなのです。でもそれを私がずっと我慢し続けることは正しいことなのか?でももしそれを伝えるなら、角が立たないようにどういう風に言うのが正しいのか…。

    私が我慢できるなら我慢すればそれが一番良いのだと思います。

    別に私が正しいわけではありません。それに私だってそれほど大した人間でもありません。イヤ、むしろ私はなかなかなクソヤローです。そのことについては単に私が気になるというだけなのです。

    いや、でもほんの少しですが実害もあります。

    特に相手が英語があまり得意ではない人の場合、私が一生懸命英語で話しているときに、横からリョウさんが日本語で割り込んでくることがあるのです。

    そんなときに伝わるものも伝わらなくなってしまい困ったなということがごくたまにありました。

    そして、そもそも私が傍から見ていて、リョウさんが現地の人たちに「オバチャン、オバチャン、これこれやって」とか「オネエチャン、オネエチャン、ニイチャン、ニイチャン」とか日本語でワーワー言っているのを見てあまり良い感じがしないのです。

    英語が苦手なのはわかりますが、それでももう少し現地の人たちに敬意を払って接してほしいなと思ってしまうのです。

    例えば男性に話しかける時には「サー」、女性に話しかける時には「マダム」と呼びかける。そこまでしなくても「エクスキューズミー」って言って話しかけて、何かお願いするときには少なくとも「プリーズ」を付けるとか…。

    いや、これって全く持って私個人の感覚でしかないので人に押し付けるようなものではないのかもしれません…。

    言うべきことではないような気もします。しかし、一緒にいて私が嫌だなと思うのであれば言った方が良いのかもしれないと思って、意を決して言ってみました。

    私:「リョウさん。リョウさんはよく現地の人たちに日本語でワーッと話しかけるときありますけど、あれ、あまり良くないんじゃないですか?」

    リョウさん:「は?なんで?」

    いや、ごもっとも。

    私:「例えば日本にいて中国人が日本人に中国語でワーッと話しかけているのを見たらあまり感じ良くないって思いませんか?少なくとも英語で何か伝えようとされたほうがまだこの人は一生懸命コミュニケーションを取ろうとしているんだって思いませんか?」

    リョウさん:「いや。そもそも西アフリカのほとんどの国はフランス語圏だから英語で話しかけても仕方ないじゃないですか」

    私:「そうかもしれませんが、であれば、English OK?とか聞いて話しかける方がまだ良いような気がして。」

    リョウさん:「そっちの方が失礼じゃないですか?『俺らはフランス語を話すのに何で英語で話さないといけないんだよ』って思う人だっているんじゃないですか?」

    私:「それは私にもわかりません。そう思う人もいるかもしれないです。でも日本であっても例えば飲み屋で店員さんを呼ぶのに「オネエチャン、オネエチャン」とか呼ぶのってあまりお行儀が良いと思わないんですよ。」

    リョウさん:「…」

    これに関しては私の主観や価値観の押し付けが入っていることは否めません。敢えて言うようなことでもなかったように思います。
    私だってロシア語圏にいたときは、英語も壊滅的に伝わらなかった(ワン、ツー、スリーのレベルですら通じません)ので日本語でワーワー話しかけていたときもありました。

    それにこんな細かいことイチイチ言われていたら、そりゃリョウさんだってストレス溜まって当然だと思います。

    更に言うならば私自身がそんなに紳士的な振る舞いができているかと言われたら全然そうでないこともあります。

    私が日本人代表みたいな顔して説教たれるなんておこがましいことも分っているのですが、あるときからすごく気になるようになってしまったのです。

    スペインのマドリードにいたとき、あるスペイン人にこんなことを言われました。

    スペイン人:「マドリードには観光に来る日本人たくさんいるよ。特に女性の旅行者をよく見かける」

    私:「何でその人たちが日本人ってわかるのですか?最近は中国人や韓国人の旅行者も増えているでしょう。見分けつくんですか?」

    スペイン人:「すぐにわかるよ。特に日本人の女の子はすぐにわかる。だって日本人の若い女の子って歩き方が奇妙だもん」

    そう言われてから時折見かける日本人の若い女性を見ると、確かに異質な歩き方をしている人が多いです。妙に小股でチョコチョコ歩いたり、ペンギンみたいに両手を腰の横で開いてピョコピョコ歩いたり…。

    日本にいたときはそれほど気にならなかったのですが、外国人にそう指摘されてあらためて見ると確かにおかしいです。

    日本人の「カワイイ文化」があの奇妙な振る舞いを作り上げたのだとは思いますが、私はなんだかとても恥ずかしく思いました。

    きっと私にもおかしなところはたくさんあるでしょう。そういうのって誰かに指摘されないとなかなかわからないものです。
    私は海外に出て、「日本人って変だよな。下品だよな。行儀が良くない。いつもヘラヘラしている。何を言っても怒らない。簡単に騙せる」そんな風に外国の人に言われるのは恥ずかしいと思ってしまいます。

    でもそれって全くもって私の個人的な感情であり、さらには何がおかしくて何がおかしくないなんていうのは全くの個人の主観によるものです。

    そう考えると他人にああだこうだと何か言うこと自体間違っていることのようにも思ってしまいます。

    そして、そんなことをいちいち指摘されたら一緒にいる人はストレスが溜まって仕方ないですよね。

    そんなことを他人にああだこうだ言う前に、私自身がもっと洗練された振る舞いをできるようになりたいと思うのですが、大して育ちも良くない私には遠いお話なのかもしれません…。

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  • ピーターパン

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    2月6日(木)東京出発242日目、ガーナ7日目 アクラ

    昨日、とにもかくにもアンゴラビザの申請の受理はされました。
    発行は最短で月曜日ということでこの日から4日間特にすることもありません。

    本来ならばいくらでも観光できるところはあるはずです。

    アクラにはかの有名な野口英世さんの記念館もあるみたいですし、カカオファームもあります。

    自分で動けはいくらでもやることはあるのでしょうが、根っからのナマケモノの私は動く気がしません。

    ただでさえナマケモノの上に、毎日うだるような暑さです。

    バイクでどこかに行けば良いじゃないかという声も聞こえてきそうですが、アクラの渋滞も私が外に出ない言い訳にするには十分過ぎるのです。

    幸いなことに我々が滞在している宿の傍には幾つかの屋台があるため食べるものに困ることはなく、その中で宿から歩いて2~3分のところに「ピーターパン」という名前の屋台がありました。

    屋台「ピーターパン」
    いつまで経っても大人になれない私にはぴったりの店名です。
    ネバーランドヘGoGo、連れていってよ♪

    宿から最も近い屋台であり、昼時は大変な盛況っぷりです。

    テイクアウトも可能なため、我々は頻繁にこの「ピーターパン」を利用していました。

    白いご飯にピリ辛のソース、プランテンという名前のバナナにそっくりな果物を煮たものとチキンや魚が載っていて7~12セディ(約140円~240円。日によって材料の仕入れ値が違うのか、価格が変動します)。

    なかなかに美味なピーターパンの屋台飯

    あるとき、私の前に立派なヒゲを蓄えたお兄さんが並んでいました。私は黒人のヒゲを間近で見たのが初めてだったため

    私:「こいつらヒゲもチリチリなんですね」

    というと、

    リョウさん:「腕毛もすね毛もチリチリですよ」

    と言いました。

    そして、さらにこう付け加えました。

    リョウさん:「普通の毛でもこんなにチリチリなんだから、こいつらのチ○毛はどうなってるんでしょうかね?」

    …。

    これだから男子は嫌ですよね(*´Д`)

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  • 決戦!アンゴラビザ申請

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    2月5日(水)東京出発241日目、ガーナ6日目 アクラ

    朝9時半過ぎ、私たちは遂にアンゴラビザの申請にアンゴラ大使館にやってきました。

    アンゴラ大使館の門で入館の手続きをしてくれるお姉さんは大変優しくて感じが良いです。

    私たちは月曜日にも訪問にしていたので何も聞かれずに「ビザの申請ね?こちらに名前と電話番号(宿の電話番号を書きました)とパスポート番号を記載してください」と言って、にこやかに入館証を渡してくれました。

    ビザを申請する建物に行くと、我々の先客が3人ほどいました。どうやら同じ会社の同僚でビジネスビザの申請のようです。

    我々の姿を見て「日本からバイクで来たのかい?君たちはとんでもないタフガイだな」なんて、どこに行っても言われる同じような会話をします。

    彼らの手続きが終わり我々が呼ばれました。するとこの受付の女性の第一声が「ガーナに在住ですか?」でした。

    うっ…、やばい。

    西アフリカのビザ申請では、第三国(国籍がある国以外)でのビザ申請を認めないところがいくつもあるのです。しかもつい先日まで大丈夫だったところでも急にその国および隣国の在住者にしかビザの発行をしなくなったりするのです。

    我々もセネガルのダカールでコートジボワールビザを申請しようとしたら、セネガル在住者にしか発行しないと言われ、仕方なくギニアのコナクリにまで行ったという痛い経験があります(つい三ヵ月ほど前に問題なくツーリストがビザ取得したという情報を得ていたにも関わらずです)。

     

    これはマズすぎます。ここアクラでアンゴラビザが取れないとなると八方塞がりになる可能性があります。コンゴでアンゴラビザを取得できるという情報もありますが、もしコンゴまで行って取得できなかった場合は引き返すことも進むことも容易でなくなります。

    私:「いえ、私たちはツーリストです。アクラ在住ではありません」

    コートジボワールビザ申請のときのことを思い返すとこれは絶望的かもしれません…。

    女性:「どうして日本でビザを取ってこなかったのですか?」

     

    えっ…、これなら理由を説明すれば受け付けてくれるかもしれません!!

    私は必死に説明します。

    私:「私は日本を8か月ほど前に出発してずっとバイクで旅行をしてきました。通常ビザの有効期限は3か月のはずです。日本を出発する前にビザを取得してしまうと、いざアンゴラに入国するときには有効期限が切れてしまっています。なのでこちらで取得するしかないのです」

    どうか…、どうかよろしくお願いします…。

    女性:「ちょっと待ってください。電話しますから。席に戻って待っていてください」

    どうなのでしょうか?ここでは第三国でのビザ申請は受け付けないというルールになってしまっていたならどうにもなりません。

    ドキドキしながら待っていました。

     

    しばらくするとどこからかきっちりとしたスーツを身に纏った位の高そうな男性がやってきました。

    女性職員も窓口から出てきて我々の所にやってきます。

    私は立ち上がって満面の笑顔で「初めまして。お会いできて光栄です。」とこの男性に挨拶をし握手をします。

    男性:「日本でビザを取らなかった理由をもう一度説明してくれませんか?」

    私は必死になってもう一度女性に説明したことを繰り返します。そして、アンゴラビザ大使館のホームページの必要書類には入ってはいなかったのですが、念のため準備してきた何月何日にどこの国にどこの国境から出国して入国したのかを記載した資料を見せます。

    そして「我々はバイクで旅行をしていますので、アンゴラを通過できないと旅を続けられないのです」と言って、アンゴラの入国予定国境とナミビアに抜ける国境の名前を言いました。

    するとこの男性が女性に何か言うと

    女性:「ナミビアまで抜けたいのですね。わかりました。あなたたちの申請を受け付けましょう」

    と言ってくださいました。

    本当に…、本当に良かったです( ノД`)

     

    在ガーナアンゴラ大使館のホームページに記載されていた必要書類を一つずつ確認しながらこの女性職員に提出します。

    アンゴラビザの申請料金は銀行振込になるため振込用紙を貰います。

    振込用紙に70USD(アメリカドル)と記載されたのですが、「エクスプレスでお願いします」と言って87.5USDに書き換えた振込用紙を持って銀行に行きました。

    アンゴラビザ申請の振込はStainbic Bankという銀行が指定されています。アンゴラ大使館から一番近いStanbic Bankはここから3kmほど離れたAccra Mallという商業施設の中にあるようです。

    ここならポルトガル語への翻訳をお願いした語学学校に行く途中に何度か通った場所です。

    この日中に手続きを終えたいので早速振込に行きました。

     

    銀行の窓口で手続きをすると「振込金額がおかしい」と言われます。

    言っている意味が最初はわからなく「どういう意味ですか?」と聞くと、その男性職員は他の人のアンゴラビザの申請用紙を見せてくれ、「他の人は70USDの振込なのにあなたは87.5USDです。なぜ違うのですか?」ということでした。

    私:「エクスプレスでの申請なので少し料金が高いのです」

    と言うと納得してくれ振込手続きをしてくれました。

     

    振込証明書を持って再度アンゴラ大使館に行きます。

    受付の女性はニッコリと笑って受け取ってくれました。

    私:「ビザの発行はいつになりますでしょうか?」

    女性:「金曜日には無理ね。月曜日になります。月曜日の午後2時に来てください。最短でもその時間になります」

    私:「月曜日ですね。」

    女性:「おそらく月曜日です。場合によっては火曜日か…水曜日か…」

    …。

    エクスプレスでもそんなに時間がかかってしまうのですね…。土日も挟むことになるので時間があいてしまいますが仕方ありません。とにかく申請が受理されたことだけでも良かったです。

    あとは書類に不備がないことを願うばかりです。再提出となったらまた更に時間がかかってしまいますので。

    どうか、どうか無事にアンゴラビザが取得できますように…。

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  • へい、マイフレンド!は信用しません

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    2月4日(火)東京出発240日目、ガーナ5日目 アクラ

    昨日、アンゴラビザ申請のための書類をポルトガル語に翻訳にしてもらえるように指定の語学学校にお願いしました。

    書類が作成される12時頃に宿に電話をくれるということでしたので、少し早めのお昼を済ませようとテイクアウトできる近くの屋台に昼食を買いに行きました。

    ここアクラでは大型バイクもたくさん走っています。これらのバイクは生活の道具としてというよりも、純粋に乗ることを楽しむバイクです。

    私は前日ハーレーショップに行き、エンジンオイルの交換ができないかと思ったのですが、それは叶わなかったため、アクラにいるうちにどこかでエンジンオイルの交換ができないかと考えていました。

    すると買い物に行く途中でHONDAのCBR1000WRが停まっていて、すぐ横にお兄さんが立っていたので、この辺りでエンジンオイルの交換ができる場所が無いかと聞くと、我々の宿のすぐ近くにアンドリューメカニックという整備工場があることを教えてくれました。

    そんなに近くに整備工場があるのであれば、この日語学学校に書類を取りに行った後にそこに行こうと決めました。

    宿に戻りテラスで昼食を摂ります。

    昼食を食べていると宿の人が語学学校から電話があったことを教えてくれました。

    きちんと電話をくれたことに私は驚いてしまいました。海外では何か約束をしていても、こういう細かいことをきちんと実行してくれることは珍しいのです。

     

    昼食を終えて早速語学学校に行きます。

    その語学学校のエンブレムが入った用紙にポルトガル語に翻訳された文字がタイピングされていて、語学学校のスタンプと翻訳者のサインが入っています。

    完璧です。

    こうやって一つずつ課題をこなしていくしかありません。

     

    我々が書類を受け取りバイクで帰宅しようとしていると、受付の男が走ってやってきます。

    男:「へい、マイフレンド!君たちと親しくなりたいんだ。日本の電話番号を教えてくれよ」

    私は相変わらず人を信用しません。

    我々は彼とそんなに親しく話した間柄でもありません。

    海外では日本はまだまだ先進国でありたくさんの仕事があると思われています。

    たまに耳にするのが、こうして話しかけてきて、後々「日本で仕事がしたいから招待状を書いて欲しんだ」という話です。彼は本当に純粋に我々と友達になりたいのかもしれません。でももしかしたら私が耳にしたことのあるような話かもしれません。

    リョウさんにもそのことを告げて、私は「あり得ない適当な番号を書いて渡しますよ」と言いました。

    リョウさんもそれに倣ったようです。

    本当に仲良くなった人なら私は全然歓迎しますけど、私はちょっと話しただけで「へい、マイフレンド」って話しかけてくる人は信用しないのです。

     

    語学学校で必要書類を受け取ったので、私たちは宿のすぐ近くにあるというアンドリューメカニックという整備工場に向かいました。

    しかし看板が出ているわけでもなく言われた辺りをうろうろしていても見つけることができませんでした。

    どうしたものかと思ってバイクを路肩に停めて地図を見ていると一人の白人男性が挨拶をしてきたので、「アンドリューさんですか?」と聞いてみると「そうだよ。ようこそ」と言って、すぐ目の前の建物の門を開いて中に入れてくれました。

    エンジンオイルの交換をしてほしいことを伝えると、「手伝いは必要かい?」と聞かれたので、「工具を貸していただければ自分でやります」と答えました。

    しかし、「私からのプレゼントだ」と言って二人のここの工場のメカニックを寄越してきました。

    本来ならエンジンオイルの交換くらいなら自分でやりたいです。というのも正直私は海外のメカニックを信用していないのです。

    結局この二人が勝手にどんどん作業を始めてしまいます。

    私たち日本人が細かいことを気にし過ぎなのかもしれませんが、私からしてみるとかなり作業が雑に思えます。

    エンジンオイルを抜くところにウェスを当てないのでアンダーガードの下にどんどん古いエンジンオイルが流れ込んでしまいますし、ネジを回す時もしっかりとドライバーを押し込んで回さないのでネジ山をなめてしまいそうです。

    私が横から口うるさくこうしろああしろと言いながら、ヒヤヒヤしつつもなんとか作業は終わりました。

    エンジンオイルの交換とエアクリーナーの掃除をしてもらいました\(^_^)/

    結局こうなのだからこのような簡単な作業であれば自分でやってしまいたいのです。しかし、ここの工場にはポルシェなどの高級車もたくさん整備に出されていることを考えると、あんな雑な作業でも大丈夫なのかなと訝しく思ってしまいます。

    もしかしたら、私ごときが大した問題でもない細かいことに口出ししているだけで、彼らの腕はしっかりしているのかもしれませんが。

    リョウさんの方の作業も終わり、アンドリューさんの所に挨拶に行って会計をしようとすると、「工賃はいらないよ。エンジンオイルの実費だけ払ってもらえれば大丈夫だ」と言ってくださいました。

    それを聞くと、いろいろとうるさく言ってしまってごめんなさい(+_+)と思うのですが、それでもやっぱりこのくらいの作業は自分でやりたいなぁと思うのでした。

     

    さて、明日は決戦のアンゴラビザの申請です。

    ギニアのコナクリにいるときから少しずつコツコツと必要書類を準備してきました。ガーナビザの有効期限は前日警察署で確認して2月いっぱいまで大丈夫そうですが、だとしてもダラダラと長引かせたくはありません。

    どうかうまくいきますように。そう願うばかりです。

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  • アンゴラビザ申請へ

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    2月3日(月)東京出発239日目、ガーナ4日目 アクラ

    2月2日は日曜日ということで大使館が休みだったため、アンゴラビザの取得のための書類の最終チェックと足りなかったものを作成しました。

    そうして満を持してこの日はアンゴラ大使館に向かったのですが、我々には一つの懸念事項がありました。

    それは2月4日(火)がアンゴラの祝日で、日曜日と祝日に挟まれた月曜日も休みになるという話も聞いていたのです。

    なのでこの日ももしかしたら大使館は休みではないかという予想もあったのですが、アンゴラビザの申請ができるのは月曜日と火曜日の午前中だけという情報もあり、この日に申請できないと来週まで身動きが取れなくなってしまうので、とにかく行ってみることにしました。

     

    アンゴラ大使館に到着しバイクを停めて受付に行くと、恐れていた通りこの日は大使館は休みということでした。そして当然翌日も休み…。

    マジかぁ…。

    すると「水曜日はやっているわ」と受付の女性。

    「水曜日でもビザ申請の受付をしてくれるのですか?」というこちらの質問に対しても「えぇ、やっているわ」との返事でした。

    これは非常にありがたいです!一週間やることも無く待つ必要は無さそうです。

     

    そして実は我々は必要な書類の大部分は用意していたのですが、実は一つ作成しないとならない書類がありました。

    それは在ガーナアンゴラ大使館のホームページにも書かれているのですが、自己紹介文(なぜアンゴラに行きたいのか。どこから入国しどこを経由してどこから出国するかなどを記載したもの)をアンゴラの公用語であるポルトガル語に翻訳したものを作成しないとなりません。

    そしてさらに厄介なことに、そのポルトガル語への翻訳はアンゴラ大使館の指定するGhana Institute of Languages というガーナの語学学校で作成されたものでないとならないのです。

    我々はその書類を持っていなかったので、例えこの日アンゴラ大使館がやっていたとしてもビザの申請は受け付けてもらえなかったでしょう(それでも必要書類の確認だけでもできないかという思いもあって訪問したわけですが)。

    ですので我々はその足でその指定された語学学校に行くことにしました。

     

    アンゴラ大使館からその語学学校までは6~7kmの距離でバイクでそこまで時間はかかりませんでした。

    学生たちが歩いている中をバイクで入って行くのに多少気後れする部分もありましたが、受付らしきところに行き、アンゴラビザ申請のために書類をポルトガル語に翻訳してほしいと言うと、すぐに理解してくれて担当の先生の所に案内してくれました。

    事前に調べていた通り書類一枚当たりの翻訳料金は150セディ(約3,000円)です。

    こんな程度の書類の翻訳でその値段はぼったくりにしか思えませんが、指定されている以上従うしかありません。

    しかも仕上がりは翌日だと言われました。書類が準備できたら電話をするということで電話番号の記載を要求されたため、宿の電話番号を記載します。果たして本当に電話をくれるか不明ですが、12時頃に電話するということだったので、電話が無くてもそのまま取りに来ようと思いました。

     

    この書類が手に入ればホームページに記載されているアンゴラビザ申請に必要な書類は揃うことになります。

    ただし、必要書類が多いことと、形式も果たして本当に大丈夫なのかわからないものもあるため、書類の再提出などを求められた場合に果たしてビザ取得までにどれくらいの時間がかかるか不明です。

    我々のガーナビザもコナクリの大使館では2月15日までと言われていたのですが、ガーナ入国日には検問の警察官に2月末まで有効だとも言われました。

    これは死活問題にかかわるので、私はこのまま警察署に行き、我々のガーナビザの有効期限が本当はいつなのか確認することにしました。

    リョウさんは昨日の書類作成で夜遅くなっていたことなどからだいぶ疲れているように見えたため、先に宿に戻ってもらうようにお願いしました。

     

    警察署に着くと、受付で二人の男性が警察官に何かを訴えていましたが、そこにいた警察官が私の姿を認めると何の要件か聞いてきます。

    私が「私のガーナビザの有効期限を知りたい」と言うと、私のパスポートに貼られたガーナビザを確認し始めます。

    私の前にいた二人の男性も一緒になってビザを確認します。

    私が「このビザを取得した大使館では2月15日までと言われましたが、昨日に検問していた警察官には2月末まで有効だと言われました。実際はどうなんですか?」と尋ねると、先に警察官ではない男性二人が「これは2月末まで有効だろう」と言います。

    警察官の方はだいぶ悩んでいましたが「そうですね。あと27日間は有効です。なので2月末までは大丈夫です」と言いました。

    それを聞いて多少安心はしたのですが、私はとことん人を信用できないので、念のためこの警察署の名前がわかるように入り口の写真などを撮り、万が一2月16日以降に出国となり、何か文句を言われたら、「私はきちんとここの警察署に行って確認している」と主張できるようにしておきました。

    あまり意味は無いかもしれませんが、警察署に行って確認したという証拠を残しておきました

    さて、この日はこれで必要な用事は済ませたのですが、私はテネレさんのエンジンオイルの交換をしたく、またアンゴラ大使館のすぐ近くにハーレー(ダビッドソン)ショップがあるという情報を得ていたため、そこでできないか行ってみることにしました。

     

    私がハーレーショップに到着し店の中に入って行くと、大変な厚遇をしてくれます。

    「どこから来たんだ?」と聞かれたので「日本から」と答えると「ちょうど一年くらい前に日本人二人組が来たけど、知り合いか?」と聞かれました。

    時期と二人組の日本人と聞いて、もしかしたら昨年南アフリカまでの旅を終えたメタボンさんと竹森さんのことを言っているのかと思い、二人の写真を見せたところ「そうだ!そうだ!この二人だ!」と言いました。

    そして「今彼らはどうしているんだ?」と聞かれたので「二人は無事に南アフリカまでの旅を終えて、メタボンさんは日本、竹森さんは再び南アフリカから旅を再開した」と伝えると、みんな大喜びでした。

    残念ながらここではハーレー専用のエンジンオイルしか置いていないということでエンジンオイルの交換はできなかったのですが、冷たい飲み物をご馳走になり、さらにはこの店オリジナルのピンバッジまでいただいてしまいました。

    冷たい飲み物をご馳走になり
    この店舗オリジナルのピンパッジまでいただいてしまいました\(^_^)/

    お礼にと私の旅のステッカーを差し上げるとすぐにノートPCに貼ってくれて「ここに貼っておけば仕事の度に君のことを思い出すよ」と言ってくれました。

     

    宿に戻るとリョウさんがすぐに迎えてくれました。疲れてそうだったのでてっきり寝ているかと思っていたのですが、リョウさんは私に冷たいジュースを買って待っていてくれました。

    きっと私一人に警察署に行かせてしまったことを申し訳なく思っていたのかもしれません。

    むしろ気を使わせてしまったようで申し訳なかったです。

     

    この日お願いしたポルトガル語に翻訳する書類も難しいものではないので、明日きちんと仕上がってくることでしょう。

    それを持って水曜日にはまずはビザの申請が受理されることを願うばかりです。

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  • 金くれ物くれの国2

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    2月1日(土)東京出発237日目、ガーナ2日目 タコラディ~アクラ 走行距離228km

    出発の準備をしようと荷物を持って宿の駐輪場に行くと何故かかけておいたバイクカバーが外されています。

    そして、よく見ると私のテネレさんもリョウさんのNC700も洗車されています。

    どういうことでしょうか?

    するとこの宿の駐輪場を昨日からフラフラしていたおじいさんがニコニコ顔でやってきました。

    どうやらこのおじいさんが洗車してくれたようです。

    確かにギニアを走って来て赤土でかなり汚れていたのでそれを見てやってくれたのでしょう。

    お礼を言って荷物をバイクに積載し、リョウさんとこの日の予定を再度確認します。

    それが終わる頃合いを見計らってこのおじいさんが何か言ってきます。

    ガーナに入って英語が公用語になったためこちらの言っていることは容易に伝わるようになったのですが、ガーナではガーナの元々の言葉と英語が混ざり合っていて、さらには酷い訛りがあるため、何を言っているのか非常に聞き取りづらい人が一定数います。

    このじいさんはお腹が減っているというようなことを言っていて、洗車の見返りに何かくれと言っているようです。

    こちらが頼んだわけでもなく勝手にこのじいさんがやったことなので無視しようかとも思ったのですが、食べ物くらいなら少し分けてあげても良いかと思いました。

    しかし私は前日、ガソリンスタンドにいたよくわからない男性にビスケットをあげてしまったため、すぐに取り出せるところに食料を持っていませんでした。

    リョウさんに何かすぐ渡せる食べ物が無いかと聞くと、リンゴを持っているということで、それをこのじいさんにあげようとしました。

    するとこのじじい、お腹が減ったと言ったくせにそのリンゴは受け取ろうとせず、「金が欲しい」と言い始めました。

    なんかムカつくし、それじゃ何もあげないでこのまま出発しようかとも思ったのですが、洗車してもらったのは確かなので、それも少し後味が悪いと思い、財布の中を確認しました。

    しかし、私もリョウさんもチップとしてあげられるような細かい紙幣を持っていませんでした。

    ふと、緊急時用に別にしまっていたUSドルが別の財布に入っていたことを思い出し、1ドル紙幣を渡しました。

    労力の割に少ないチップなのかもしれませんが、こちらとしてもお願いしたことでも無いのでこれ以上のことをしようと思えませんでした。

    それにしても昨日この国に入国してから、「金くれ物くれ」が続いていて、これが続くのは少し嫌だなと思いました。

    ガーナの人たちは陽気で優しくて気配りができる人もいることから、いい国だなと思うので、それが少し残念に思います。

     

    それにしてもガーナは暑いです。つい数日前までいたギニアも暑かったのですが、あの国は湿度が低く日陰に入れば大変涼しく朝晩は肌寒いくらいでした。しかしコートジボワールに入ってからは湿度も高くなり、ここガーナは特に海岸線を走っていることもあり、湿度も高く、まるで日本の夏のように不快な暑さです。

    そのためバイクに乗って風を受けていても、じっとりと生暖かい空気が肌にまとわりつきます。

    この日の走行距離もそこまで長くはなかったのですが、首都アクラに入るとここも酷い渋滞です。

    とにかく暑くてかないません。

    昼過ぎには宿に到着できるかと思っていたのが、結局15時過ぎになってしまいました。

    汗だくになり、着ているシャツがべっとりと肌に張り付く感触は大変不快でした。

    前日の宿はお湯が使えず、この日の宿も水に近いようなぬるま湯でしたが、ガーナではそれで十分です。

    宿に到着するなりすぐにシャワーを浴びてさっぱりします。

    ここアクラでの一番の目的は我々が取得するビザの中でも最難関と思われるアンゴラビザの取得です。

    ギニアのコナクリにいたときから準備を進めてきたものではありますが、ビザ取得に関しては大使館側の匙加減一つということも十分にあり得るのでこればっかりは祈るしかないでしょう。

     

    さてさてどうなることやら…

     

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  • 金くれ物くれの国

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    1月31日(金)東京出発236日目、コートジボワール5日目、ガーナ1日目 アビジャン~タコラディ 走行距離315km

    短かったコートジボワールの滞在ですが、アンゴラビザ用の書類のプリントアウトとリョウさんのバイクの修理を終えて、満を持してガーナに向かうことができます。

    ギニアから入ってヤムスクロまではコートジボワールは予想していたほど発展もしていなく、道路状況も良くなかったのですが、ヤムスクロからアビジャン、そしてアビジャンからガーナ国境までは大変道路も綺麗で、街も綺麗に整備されていました。

     

    コートジボワール側の出国手続きではどの建物ですれば良いのかわかりにくく戸惑ったりもしたのですが、手続き自体は煩雑なことも無く、難なく出国することができました。

    次にガーナの入国手続きですが、ガーナは公用語が英語のためそれだけでも大変ありがたかったです。

    ガーナはJAFの情報ではカルネが必要だと記載されていませんが、実際にはかなり厳しくカルネを見るようです。もしカルネを持っていない場合、ガーナ入国は大変面倒なことになるようですので、もしガーナ入国を考えているライダーがいましたら、カルネを準備することをお勧めします。

     

    ガーナの入国手続きをしているとどこからともなくおじさんがやってきて、リョウさんの入国カードの記載を手伝い始めました。

    このおじさんはいったい誰なのでしょうか?ここの職員なら良いのですが、そうでないならまたお金をせびられたり面倒なことになりそうで嫌です。

    先に私が入国手続きを終えてリョウさんを待っていると、私のバックパックに括りつけられた、ダカールのゴレ島で買ったアサラトを見たここの職員が「それ得意だから俺に貸してみろ」と言ってきます。

    アサラトを貸すと、予想に反してヘタクソです。それを見た他の職員が俺に貸してみろというのですが、その彼もヘタクソです。

    でもガーナ人はそれでもみんなで踊って楽しそうです。それを見ただけでガーナってなんかいい国だな??って思えるのでした。

     

    リョウさんも手続きが終わり、バイクの所に戻ると案の定さっきのおやじがやってきてリョウさんに何か言っています。

    しかしリョウさんは英語が得意でないため、このオジサンが言っていることがわからなかったようで、諦めたおじさんは私のところにやってきて話かけてきます。

    おじさん:「なあなあ、俺手伝ってやっただろう。なんでも良いんだよ。なんかくれないか?」

    おいおい、それを俺に言ってくるなよ。リョウさんはこういう人全然拒まないで受け入れちゃうから困るんだよ。

    めんどくさいけど金くれでもないし、実際に手伝ってくれたからタンクバックの中に入っていたビスケットをあげることにしました。

    するとそれを見ていた全然知らない長身の男が「おいおい、俺にもなんかくれよ」と言ってきます。

    私は「彼は我々の入国手続きを手伝ってくれたんだ、でもあなたは別に何もしてくれていないだろ。」と言いました。それでもその男はじっと私を見つめて「何かくれよ」と言います。

    私は目も合わせることなく「あなたは何かしてくれたわけでは無いので何もあげませんよ」と言い、そのままバイクで立ち去ることにしました。

     

    国境を出たすぐのところに銀行があったためガーナの通貨セディーをおろします。

    私がお金をおろして戻ってくると、リョウさんが見知らぬ男と話しています。

    するとその男は今度は私のところに来て「フランス語はわからないんだ。英語だけど良いかな?」と言ってきます。何だろうと思ったのですが、リョウさんが「そいつ腹減ってるから金くれって言ってるみたいですよ」と言ってきたので、私は冷たく目をそらして「sorry」と言って追っ払いました。

     

    どうやらこの国は「金くれ物くれ」の国のようです。

     

    しかし、ガーナに入って走り始めるとあることに気付きました。今まで走って来たセネガルやギニア、コートジボワールと比べて全然生活水準が高そうなのです。まず立ち並んでいる家々がしっかりとした作りです。

    そして今までの国は道端に落ちているゴミが酷く、大変な悪臭を放っていたのですが、ガーナはゴミこそ落ちていますがその量は圧倒的に少なく、町がクリーンなのです。

     

    入国してから少し走ると検問をしていました。

    パスポートとカルネの提示を求められました。

    リョウさんのパスポートを確認した警察官が我々の滞在期間は1か月だと言いました。

    えっ…。それって今日から数えて1か月ってこと??

    コナクリの大使館では申請した1月16日から1か月って言われたんだけど。

    その警察官に確認すると入国した1月31日から1か月だから2月末まで大丈夫だと言います。それが本当なら大変ありがたいです。アンゴラビザの取得にどれだけの時間がかかるかわからなかったため、2月15日期限ですと厳しいかもしれないと思っていたので。

    ただ、この警察官一人の意見では本当かどうか確証が持てないので、首都アクラに着いたらきちんと確認しにいくことにしました。

     

    そこからしばらく走ってリョウさんがトイレのためにバイクを停車させると前から一人のチャリダーがやってきました。

    そのチャリダーは私に話しかけてきました。

    チャリダー:「やあ、君たちは向こうから来たってことはこのまま南アフリカを目指すのかい?僕は反対に南アフリカからここまでやってきたんだ。」

    私:「はい。あなたの言う通り南アフリカまで行く予定です。どこの国の方ですか?」

    チャリダー:「僕はベルギー人だ。君たちは?」

    私:「日本人です。南アフリカからここまでどのくらいかかったんですか?」

    チャリダー:「今でちょうど6か月くらいかな。そういえば君たちはナイジェリアはどうするんだい?ナイジェリアのビザは取れたのかい?」

    私:「いえ。ナイジェリアビザの取得は難しいって聞いているので、ベナンからカメルーンかガボンに船で渡ろうと思っています。」

    チャリダー:「やっぱりそうか…。僕もナイジェリアビザは取得できなかったからカメルーンからベナンには飛行機で渡ったんだ。ところで君たちはアビジャンを通過してきたのかい?ならば象の巣には行ったのかい?」

    私:「象の巣??なんですか?それは?初めて聞きました。」

    チャリダー:「象の巣を知らないのかい?もったいない。有名な場所らしいから僕は行ってみようと思うんだ。良い旅にしてな。それじゃあな」

    私:「ありがとうございます。あなたも素敵な旅を!ガーナ-コートジボワール国境はイージーですよ!」

    チャリダー:「それは知っているよ!ありがとう!」

    そういうとこのチャリダーは去って行きました。

    リョウさんが私に「あの人、コンゴとかコンゴ民主のことは何か言っていましたか?」と聞いてきて、しまった!と思いました。

    南アフリカからこちらに向かってやってくる旅人は大変レアです。この旅一番の難所になるであろうコンゴとコンゴ民主の生の情報を聞くチャンスはなかなかありません。大変もったいないことをしました。

     

    その後、私たちは途中立ち寄った町で昼食を摂ることにしました。

    ここでも屋台飯なのですが、今までの国に比べると格段に清潔です。例のごとく味も良いのですが、金額も7セディー(約140円)と格安です。

    コートジボワールでは屋台でぼったくってきたことも考慮すると、安くて美味しくて清潔なガーナってすごい良い国なのではないかと思えてくるのでした。

     

    その後、この日目標としていたタコラディの町を目指します。しかし途中から酷いスコールに見舞われました。雨に降られたのはダカールを出発してから初めてのことでした。

     

    スコールはやはり一時的なもので、タコラディの町に着くころにはすっかり止んでいました。

    タコラディの町に着くと給油するためにガソリンスタンドに寄ります。

    私が給油している間、しきりに話しかけてくる男性がいます。私はてっきりこのガソリンスタンドのスタッフだと思っていました。

    給油が終わるとその男性は私に、併設された売店で何か買って行けよと言います。

    ガーナは今までの国に比べて物も豊富で物価も安いので売店の中を覗いてみることにしました。

    そこで私は非常食用にとクッキーを手に取り買おうとしたのですが、その男は私と同じものを手に取ると私と一緒にレジの所にやって来て、私が当然払ってくれるだろうという態度です。

    私:「いやいや。何で私があなたの分を買わないとならないんですか?買いませんよ」

    男:「なんだって!お前、俺の友達だろ。買ってくれないのかよ!お前、悪い友達だな!」

    意味がわかりません。

    私がガソリンスタンドのスタッフの女性に、この男は誰なんだと聞くと、隣の工場のメカニックだと言います。

    仕事も持っているのに私がこの男に物を買ってあげる意味がわかりません。

    しかし、その後ガソリンスタンドの女性がリョウさんに「なんであなたの友人は彼に何も買ってあげないの?」というようなことを言ったそうです。

    うーむ。私にはガーナという国がちょっとわかりません。

    しかし、私の目の前であの男があまりにもしょげているので仕方なくビスケット渡してあげることにしました。

    すると男は「お前はグッドフレンドだ!」と言って大喜びでその場でビスケットを「うまいぞ、こりゃうまい」と言って食べていました。

     

    本当にこの国は「ものくれ」の国ですね。

     

    日がだいぶ傾いたころ、私たちは目星を付けていた宿に到着しました。

    中から出てきた女性スタッフに予約はしていないが今夜二人宿泊できないか?と聞くと「ごめんなさい。今日は予約でいっぱいなの」と言います。

     

    マジか…。今から別の宿を探すのも億劫です。なので私は「部屋が無いならここの駐車場でキャンプをさせてくれないか?」と尋ねました。

    するとその女性職員は「オーナーに確認してみるからちょっと待っててね」と言います。

    しばらく待っていると「オーナーと連絡が取れないからもう少し待ってて」と言いに来てくれました。

    リョウさんは地図アプリで他の宿を調べています。

    私はあの女性職員がとても丁寧に対応してくれているのでここでキャンプして良いということでしたらそうすることに決めました。

    私:「あの人、一生懸命対応してくれているから私は許可が出たらここでキャンプします。もしリョウさんは宿にちゃんと泊まりたいなら他を探して、いいところが見つかればそっちに泊っても良いですし、もし見つからなければここに戻って来ても良いですよ。私はここにいるので」

    リョウさん:「シャワー使わせてくれるならキャンプでも構わないので待ってみます」

     

    しばらくすると女性スタッフがやってきて、「一部屋片づけるからそこ使ってもらっても構わないけど、その部屋で大丈夫かどうか先に見てもらっても良い?」と言います。

    部屋を見せてもらうとどうやらスタッフの控室のようです。シャワーも付いていたので全くもって十分です。

    その部屋に泊めさせてもらうことにしました。

     

    荷物を部屋に運んでから、食堂で何か食べることはできないか聞いてみます。

    女性スタッフ:「何が食べたいの?」

    私:「何が食べられるんですか?」

    女性スタッフ:「食べたいものを言ってもらえれば用意できるか確認するわ」

    なんじゃそりゃ…。メニューがなければ注文するのは難しいですよ。

    私:「じゃ、ガーナ料理を何か作ってもらうってできますか?」

    女性スタッフ:「ガーナ料理?○×※<゜)*)彡とか?」

    うん?聞き取れない。わからないから良いや。

    私:「じゃ、ピザとかできます?」

    女性スタッフ:「ピザね。確認してくるわね」

     

    少ししてその女性スタッフが戻ってきましたがピザのデリバリーは終わってしまってるからできないと言います。その代わりパスタなら作れるわよと言ってくれました。

    私:「パスタ。パスタ良いですね。それでお願いします」

    そういうとこの女性スタッフはわざわざ食材を買い出しに行ってパスタを作ってくれました。

    他の女性スタッフと楽しそうにパスタを作っている声も聞こえてきます。

    普通ならレストランはやっていないから食事は出せないって言われても仕方無い状況ですが、彼女たちは嫌な顔せず、むしろ楽しそうに私たちをもてなしてくれました。

     

    ガーナ初日。いきなりたくさんの人と出会い、この国は「物くれ金くれ」の国でもありますけど、陽気で明るい人が多く、私は良いなと思いました。

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